2019年02月02日

2月〜3月のリマインダー

●2月

[急いで〜!]
【展覧会】
「顔真卿」展
東京国立博物館で開催中。所蔵元の台湾故宮博物院でもめったに拝めない至宝「祭姪文稿」に加えて、東博の宝「五馬図巻」まで展示!
特に前者は本当に圧巻。混んでるかも知れないけど並ぶ価値は絶対にあります。書が分からなくても、心に訴えかけてくるものがあるので是非!

【映画】
迫り来る嵐
凄い映画だったですよこれは。できれば観られるうちに映画館でご覧ください。そのうち、名画座的なところでもやってくれるのではと期待しています。↠2月中旬以降、全国で展開!早くも今年No.1という声もちらほら…。

http://semarikuru.com/

バジュランギおじさん
このあとも全国で上映されそうですが、取りあえず。まだまだロードショー中! 
http://bajrangi.jp/

王朝の陰謀 闇の四天王と黄金のドラゴン
ツイ・ハーク監督作品らしいワクワクが楽しめる大作。惚れ惚れするワイヤーワーク、キャストもバッチリです。

http://shinjuku.musashino-k.jp/movies/8268/

感想はこちら

西遊記3
こちらは「女人国」が舞台とあって、女優陣が豪華。しかし、最強の女人はあの方だったりする。
http://shinjuku.musashino-k.jp/movies/8263/

イップ・マン外伝 マスターZ
外伝かぁ...と油断してたら、すでに観た皆さんが盛り上がっている様子。ここはひとつウェーブに乗ってみるか…
今年の2、3月は観たい映画が多くて嬉しい悲鳴です。

http://www.ipman-masterz.com/


[ユジク阿佐ヶ谷]

2月は非常に強力なラインナップ。近い方は羨ましいなあ。
ピックアップした以外にも、良いのをたくさん上映します。この機会にデビューしてみては?


・小津4K特集
上映中
https://www.yujikuasagaya.com/ozu-4k

・ロバート・フラハティ特集
https://www.yujikuasagaya.com/flaherty

・樹木希林さんから教わったこと 
 「日々是好日」2月23日〜3月15日/「あん」2月23日〜3月8日 を上映

ほかにも、「ざくろの色」を含むジョージア映画特集など盛りだくさん。

https://www.yujikuasagaya.com/blank-2

●2月中旬〜
・女王陛下のお気に入り
映画ファンのお気に入りになりそうな予感。
http://www.foxmovies-jp.com/Joouheika/

●2月22日〜
アリータ バトルエンジェル

http://www.foxmovies-jp.com/alitabattleangel/

翔んで埼玉
ん〜アリータにぶつけて来るとは…(笑 でも関東以外の人にわかるのかしらこのネタ。江東の観客(名誉区民…って23区だったゴメン)にはウケてたけど。

http://www.tondesaitama.com/


●3月
移動都市 モータルエンジン
ピーター・ジャクソン監督の、今年前半一番期待してる映画。
http://mortal-engines.jp/

グリーンブック
予告を観て、良さそうだったので観に行こ〜と思っていたら、なんと、アラゴルンが…いや、ヴィゴ・モーテンセン氏が主演って聞いて二度ビックリ。予告2回目でようやく気が付きました。俳優さんてスゴイな〜っていうか、私が鈍いだけか。とにかく観ますよ!

https://gaga.ne.jp/greenbook/


ではでは、随時更新いたします!



posted by 銀の匙 at 10:16| Comment(2) | 催し物 リマインダー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年01月24日

王朝の陰謀 闇の四天王と黄金のドラゴン

outyou.jpg

待ってました! ツイ・ハーク監督のディー判事もの第2弾(正確にいうと、この前にキャスト違いでもう1作ありましたが)、堂々の公開です。

前作の「神都龍王」(ライズ・オブ・シードラゴン)はうっかり見逃してDVD鑑賞になってしまったのを悔やんでいたのですが、今作もやはり大画面で観るべき、映画らしい映画でした。

鑑賞した新宿武蔵野館ではちょうど「中国最強映画まつり」と銘打って、同時に三本上映していて、これと《西遊記:女児国》を続けて観たんですけど、同じように唐代に材をとり、大掛かりなCGにアクション、しかも一部(つか一人)キャストが同じ、そしてB級作品同士(笑)にも拘わらず、その実力差は気の毒なほど歴然でございましたね…。

ということで、貴重な同一キャスト、ウィリアム・フォンさんが、2本の映画で三蔵法師とユーチ将軍(尉遅真金)という静と動真逆の役どころを演じ分けてるところもガッツリ鑑賞して参りました。(しかもなぜか三蔵法師は両作品に出てくるんですよ。狙ってやったの、監督…?)

それでまた、シルクロードわたりの方術士軍団を出して見たり、いなせな市川雷蔵みたいなキャラを出してみたり(しかもヒロイン)、またまた鉄勒(てつろく)語なる誰も聞き取れなさそうな言語を多用してみたりと、仕掛け周りもツイ・ハーク節さく裂。

思えば、則天武后とその寵臣(笑)ということで、カリーナ・ラウとウィリアム・フォンが2人して《你好!生活家》にプロモ出演 https://www.youtube.com/watch?v=R5S4le0gOTY してるのを観てからはや1年と少し、ようやく本編を観られて感激でございます。

とはいえ、今回スポットライトが当たったのはシャトー役のケニー・リン。出番の多さはちょうど前作のユーチと入れ替わった感じでした。彼は今回、文字通り体当たりの演技。お楽しみに〜〜♪

ユーチ将軍は安定のチャパツにガングロ(そしてドヤ顔)だったけど、瞳はカラコンやめたんですね。(そろそろチンピラも卒業か…)

残念ながら出番はあまり多くなかったけど、ツイ・ハーク監督お得意のキレのあるアクションシーンは、一手に引き受けてます。なんであんたがここにいる?!的なシーンでやけにエラそうだったり、ブラックだったり(ものすごく一瞬なので見逃さないように!)、少ない出番なりにインパクト大。

あっそうだ、『王朝の陰謀』は「普通話」での上映なので、声はご本人様です。『西遊記』はなぜか広東語版だったので吹き替えでした。残念!(ただし、コメディシーンは広東語の方がしっくりくるのでチョイス的には悪くない)

話は正直どうでも良いんだけど(って本当は「ディー判事もの」なんだから、もっと頭脳戦が望ましいとは思う)、史実ではディー判事こそが則天武后の本当の「寵臣」のはずなのに、全く逆っていうのがどうにも納得いきませんでした。

それとも、雨降って地固まるとか、そういう展開に持って行く気かしら?

ええっと、話は三蔵法師に戻りますが、先に観た《西遊記》の方は、ほとんど三蔵法師がメインだったにもかかわらず、何となく釈然としないところがあるんですよ。お坊さんが主役で悲恋物語ってどうよ、ということもございますが、彼の悟りはこれで高僧かって思うほど軽いというか現代的というか、人民を救う模範党員みたいな感じなんですよね…。

ひるがえって《四天王》の方は、別に僧侶が主役じゃないんだけど、最終的には仏教的な方向というか、仏の教えが身に付いてる人が考え着いた結論なんだろうなあという感じがしちゃうんですよ、私の偏見でしょうけど。

ともあれ、哀しいかな上映期間も限られてるので、ぜひ、映画館に駆けつけることをおススメいたします!

新宿武蔵野館 http://shinjuku.musashino-k.jp/


リニューアルしてとてもオシャレに。駅近/ネットで予約もできる有難い映画館です。
ここのマナー啓発アニメがすごく好きだったんだけど、もうやめちゃったのかしら…。
posted by 銀の匙 at 23:13| Comment(1) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年01月20日

迫り来る嵐 (表記以降、結末に触れています)

bao.JPG

時は2008年の中国。
刑期が明けて、娑婆に戻るらしい男。

出所手続きの際、名前の漢字を聞かれて、彼は「余計な」の余、「国家の」国、「偉大の」偉と答えます。

全編を貫く彼の立ち位置が一瞬にして了解できるシーンであると共に、脚本が細部まで考え抜かれていることを示すシーンでもあります。

場面は一転して1997年。とある製鉄所の近くで、殺人事件が起こります。捜査を進める刑事に前に現れる、やけに事情通の男。

現場で写真を撮ったり、勝手に現場検証や聞き込みをはじめたりと名探偵気取りなのに、どうやら警察の人ではないらしい。一体、何をしている人か中盤まではさっぱり分かりません。

やがて彼は独自に「捜査」を始め、ついには犯人を追い詰めることに成功するのですが…。




フィルムノワール的な予告のスタイリッシュな映像に惹かれて観に行きました。

https://www.youtube.com/watch?v=C3XqdtRn55s

序盤は物語の舞台同様、いかにも90年代の文芸作品っぽい、田舎で定石通り撮りました的な雰囲気で膝かっくん、という感じだったのですが、犯人を追うあたりから一転して、予告通りの硬質な雰囲気に変わります。そして後半、予想外の展開に唖然とする観客に、居心地の悪さと共に、ひたひたと人間の業の哀しさが迫ってくる…。

物語の舞台は1997年と2008年の中国で、監督さんは変化の激しい時代に取り残される人を描きたかったようですが、この話自体は、この時代でないと起こりえないことでもないし、中国だから起こったことでもない。

この映画を観て身につまされない人は、とても優秀な人か、楽観的な人か、あるいは幸せな勘違いをしている人かも…と、主人公のいたたまれなさと現実の残酷さを痛いほど感じながら映画館を後にしました。

事件の謎解きを楽しむ映画ではないので、ホームズもののようなつもりで観ると当てが外れてしまうかもしれませんが、この映画が示した謎というか闇というかは、簡単には解けない疑問として、心に突き刺さることでしょう。

いちおうはミステリっぽく仕立ててあるので、未見の方はここまで。

公式サイトはややネタバレ過ぎなので、概要は映画館のサイト https://ttcg.jp/human_yurakucho/movie/0512000.htmlからどうぞ。

以下、詳しいストーリーと結末に触れています。ネタバレOKの方は、以下もどうぞ。



















この作品は第30回東京国際映画祭で最優秀男優賞と芸術貢献賞をダブル受賞しました。できれば脚本賞もあげて欲しかった…と思うほど、良く練れた話です。

回想シーンに出て来る男は、最初に出所してきた余(ユィ)の過去の姿ですが、かなり様子が違っています。正義感に溢れ、それなりに知恵が回る男です。


彼は身近な事件をいろいろと解決するので「名探偵」とあだ名されており、弟子(?)まで引き連れています。製鉄所の近くで起きた凄惨な連続女性殺人事件の捜査にも積極的に首を突っ込みます。

捜査に当たっている公安の刑事たちにはうっとおしがられているのに、本人は全然へこたれません。独自の推理力を発揮し、聞き込みや張り込みにまで手を出します。一体何をしている人なのかと思えば、彼は製鉄所の保安要員で、熱心な仕事ぶりから職場で表彰までされているのです。周りは彼がそのうち本職の刑事になれると持ち上げます。

自分の職務が気に入っていると周りには話すのですが、彼は事件を担当する老警部と呑んで話を聞いたり、捜査関係者に気安く接して、分をわきまえろと叱責されたりしています。

そのうち、余は現場で遺留品を発見。その写真を掲示し、近くで張り込みます。そしてある日、その写真をじっと見つめる人物を発見します。

弟子のヘマで気づかれてしまい、逃げ出した相手を、余と弟子が追いかけます。しかし、あと一歩のところで取り逃がしてしまい、顔も確認できなかった上に、追跡のときの無茶と、余が追跡に夢中で病院に連れて行くのが遅れたことが原因で、弟子は命を落とすことになってしまいます。

しかしそれにも懲りず、というか、ますますエスカレートしたというべきか、余は殺人のターゲットになりそうな女性・燕子(イェンズ)に近づき、彼女を餌に犯人をおびき寄せるという挙に出ます。このころには時代も変わって鉄工所は閉鎖され、余も警備の職を解かれているのに、この事件にますますのめり込んでいくのです。

見ているこちらは、余の結末を知っているだけに、この辺で誰かに陥れられるんだろうか、間違って何か事件を起こしてしまうのでは、とかなりハラハラしながら推移を見守りますが、彼は少しずつ情報を集めて取り逃がした犯人に近づくと、ついには捕えて殺害現場へ連れて行き、現場検証のような形で相手に重傷を負わせます。

その場で捕まった余に老刑事は淡々と、血液鑑定の結果も出て、犯人逮捕まであと少しだったのに、と告げます。

時は流れ、出所した余は老刑事の遺した手紙から、事件の顛末を知ります。

彼が追い詰めた男は確かに犯人でした。しかし、余から逃げおおせた直後に車に轢かれて死亡、顔も判別できなかったため、身元確認のために行った鑑定の資料と、殺人者の血液鑑定とが一致して、事件への関与が明らかになったのです。

余が重傷を負わせた相手は、プロファイルこそ犯人そのものだったものの、真犯人ではなかったのでした。

真相を知った余は、町を離れる決心をしますが、乗り込んだ長距離バスはエンストで一向に発車できず、町にはやがて暴風雪が訪れるのでした…。



いずれ真相は解明されたのに、素人の「探偵ごっこ」のために弟子は死に、囮として利用されているだけと悟った燕子は自殺、自身は収監される身になる。

彼は刑事の仕事に憧れ、事件に入れ込み、熱心に動いているつもりだったのかも知れませんが、実際の刑事は事件を日常の職務として淡々とこなしており、定年を迎えたら、これまで手掛けた事件のことは忘れて故郷でのんびり暮らすのが夢だったりするのです。そして、そんな淡々とした仕事ぶりで事件は解決する。

ずいぶん極端な話みたいですけど、自分が信じてこだわっていることとか、頑張っていると自負していることとかを第三者の目から見ると、実は余と同様かそれ以上に悲惨というか滑稽なのかも知れないなぁと、後半はもう溜息交じりに観ていました。

製鉄所の守衛として頑張っているつもりだったのに、あっさりとロックアウトされたうえ、出所して戻ってくれば、そこは取り壊してショッピングモールにする計画が決まっている。

せめて最後の思い出に、人生の頂点でもあった表彰式の行われた講堂に来てみれば、工場のために金を稼ぐわけでもない保安課の人間が表彰なんかされたことは一度もないと言われてしまう…。

彼はだんだん、事件を解決することが人生の目的みたいになってくる。別に彼が解決したからといって、彼の身の上に何か良い事が起きるわけでもないのに。しかも、彼とはまるで無関係なところで、事件は解決している。

何が現実で何が幻想なのか、誰にも分からなくなるマジックリアリズムみたいな話ではありますが、こうなってくると、いったい夢を持つとは何か、人間が生きた証とは何なのか、人間の存在意義とは何だったのかというところまで自問せざるを得ないし、そんなもの自体、幻想でしかないのかと考えさせられてしまいます。

しょぼしょぼした出だしから、こんなところに辿り着くとは思いもよりませんでしたが、いろいろと考えさせられる奥深い作品でした。

董越 監督
2017年
posted by 銀の匙 at 00:33| Comment(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年12月31日

【revised】2018年に観た映画+来年観たい映画

皆様大変ご無沙汰しております。

暮れのどん詰まりまで仕事に追われ、本年もついに残すところ1日となりました。

駆け込みで、今年観て面白かった映画+年明けに観たい映画をまとめておきたいと思います。

ちなみに今年観た映画で自分的に面白かったのは、

1位 ニセ薬じゃない!

2位 ブラックパンサー

3位 人生フルーツ

でした!

観たい映画はもっといろいろあったのですが、大人の事情とかその他もろもろで、劇場で観られた作品は以下のように…。

今年は東京国際映画祭に行かれたので本数は結構観ることができました。

ニセ薬じゃない!

中国映画週間のクロージングとして上映されました。チケットがまさに「瞬殺」だったので、そんなに人気あるのか〜と思ったら、上映前のクロージングセレモニーと込みのチケットだったため、セレモニーが終わったらお客はあまり残っていませんでした(呆)

観なかった方、惜しい事しましたね〜!

上海の下町のしがない強壮剤売りの程勇(徐崢(シュー・ジェン)が演じました)は、ある日ものすごく貧相なビジュアルの男から、とある薬の輸入・販売を持ち掛けられます。

未承認薬の輸入は違法だと、一度は断ったのですが、手元の資金が底をついた程は、ついに話を受けることにしました。

この薬、実はこれまで治療法がなかった病気の特効薬でした。しかし、生き延びるためには薬を飲み続けなければならない。患者たちの窮状を知り、程はさらに供給を確実にしようと、輸入元のインドへ旅立つのでした....。

徐崢(私にゃどうしても三宅裕司さんにしか見えない)の、チンピラみたいなしょーもない男の造形が本当に上手かった。こんなに重い話なのに、全編コミカルに楽しく観られたのは彼が主役だったおかげが大きいと思います。

貧相な患者(笑)呂受益や、密輸を手伝う牧師さん(!)など、ワキも最高。

笑って、泣いて、拍手も出ちゃうおトクな1本、一般公開もありそうなので、チャンスがあればぜひ!

ブラックパンサー
人生フルーツの感想はこちら と こちらです。


すばらしき映画音楽たち
前年の作品でしたが、結局アンコール上映で観ました。
映画館で観たい映画。感想はこちら

バグダッドカフェ
「午前十時の映画祭」で上映してくれました。
ずっと劇場で観たかったので、本当にありがたかったです。

今年はこのほか、このシリーズのおかげで「ギルバート・グレイプ」「雨に唄えば」も観ることができました。
年明けには「パリの恋人」「日の名残り」を観る予定。

残念ながら、2019年の第10回をもって終了になるとか。
関係者の皆様の努力に感謝です。

マンハント 
うーーーん、ジョン・ウーのリメイクでこれか…。
往年の名作が、健さんが泣くわ…。

グレイテスト・ショーマン
ヒュー・ジャックマンが演じたショーマンのバーナム、いろいろな本に出てきますね。
「大草原の小さな家」シリーズで、いきなり走り出して人を脅かす馬に「バーナム」って名前がついてました(笑)
当時ははるか西部の大草原まで評判が行きわたっていたんですね。

長江 愛の詩
ロングの画像が美しい、墨絵のような異色の作品でした。
船に乗って長江を遡っていく詩人と、長江の化身のような女性の邂逅。

しあわせの絵の具
感想はこちら

花様年華
今年は諸事情あってリバイバルをたくさん見ました。
この作品何年ぶりでしょう。何もかもが皆懐かしい…。

バーフバリ
いやもう最高でしたね…絶叫上映行きたかったなあ〜!
感想はこちら

クレマスター1,2
東京都写真美術館での再上映。最初に観たのは今はなき渋谷の映画館でした。あれから何年経ったやら。作品が良かったことは当然ながら、主催者の方の対応が恐縮するほど丁寧でそっちが印象に残りました。

ジュマンジ

オリジナルのブキミさに比べると、かなりライトな青春ドラマに仕上がっていた本作ですが、出演俳優がムダに豪華で面白かった。

コードネームは孫中山
 面白うて後味爽やかな台湾映画。
 感想はこちら

パディントン1、2
 児童文学の傑作を映画化。どうなることかと思っていたけど、ハードル低かったせいかとても面白かった。考えようによっちゃ「Ted」より毒があるかも。感想はこちら

藍色夏恋
 これもリバイバル。主演の2人がとてもキュートですが、ただの恋愛映画には終わらない良作。
 
万引き家族
 かなりガツンと来る作品。特に後半は息を呑む展開で、安藤サクラが泣きだすシーンでは、つられて周りじゅうで泣いてる声が…。

ミッション・インポッシブル
 安定の面白さ。サイモン・ペッグが大好き☆

ハン・ソロ
前評判は散々でしたけど、結構楽しめた作品。特にランド・カルリジアンは本人登場かと思うほどイメージ似てた。逆にハン・ソロが全然イメージと違ってた…ってダメじゃん...。そこさえ気にしなきゃ良いんだけど、やっぱりダメかしら?

雨に唄えば
閃光少女
 中国の古典音楽を題材にした青春バトルロマン(違うか)。「のだめ」みたいに、いろいろ曲も聞けたらもっと面白かったと思う。感想はこちら

ブルースブラザーズ
特に予備知識もなく観たリバイバルで、キャリー・フィッシャーとフランク・オズが出てたのに驚いた&キャリ・フィッシャーが面白すぎ。

カメラを止めるな!
ゾンビ映画として十分怖かった、と本気で言ったら、周りのゾンビファンに鼻で笑われた。そ、そんなもんですか…?

2001年宇宙の旅
今観ても斬新な作品。音楽と映像がぴったりシンクロしていて、ゾクゾクしました。「モノリス」が出てくると流れるあのコーラスが既存の曲だというのが驚き。

以下の6本は東京国際映画祭で観ました。「武術の孤児」はQ&Aも観ましたが、校長のドラ息子を演じたシー・ジーさんがとても真面目で、日本語も話してくれたのが印象に残りました。(Q&Aはまだ観られる模様。こちらからどうぞ。)

・世界の優しき無関心
・武術の孤児
・ジェリーフィッシュ
・世界はリズムで満ちている
・大陽の王子ホルスの大冒険
・お熱いのがお好き


ゼイリブ
かなり前の映画ですけど、これもリバイバルで。タイトルはThey Live をカタカナにしただけなんだけど、何だか分からないのが逆にセンスいいのかも知れません。

ファンタスティックビーストと黒い魔法使い
いきなりダークな展開。話の進め方がやや強引なのが気になりましたが、絵は良かった。感想はこちら

日々是好日
樹木希林さんの「ただ者ではない」お茶の先生があまりにも板についていて、役者さんというのは本当に凄いなあと感動のひと言。ご冥福をお祈りいたします。

十年(香港版)
返還からはや二十年たった香港で、十年後の世界を舞台に作られた短編のアンソロジー。思うに、政府レベルはともかく、「長いもの」に属する側の一般の人たちは、ここに描かれる「巻かれる」側に属する人たちの痛みをこれっぽっちも想像できていないと思う。いわゆる、無神経だけど悪気はないってやつです。

主張しなければ分かってもらえるはずはないという人もいるけど、言えば言ったで「ワガママ」「プロ市民」とか攻撃されちゃうし、どうしたらいいんでしょうかね。

モリのいる場所
画家・熊谷守一を題材にしたドラマ。作品がとても好きなので観に行きました。仙人のようだと称された彼は、誰の機嫌を取る訳でもなく、口数も多くないのに、生き物や人が周りに集まってくる。何か、周りを惹きつける居心地のよさがあるんでしょうね。

アリー スター誕生

 同じ時期に同じ音楽映画ジャンルの「ボヘミアン・ラプソディ」とぶつかったのは不運でしたね…。

ボヘミアン・ラプソディ
冒頭、20世紀Foxのファンファーレがギター仕様で大ウケしていたのですが、後からブライアン・メイご本人の録音と知って二度ビックリ。

この映画を観て1つ分かったことがありました。以前、「はやぶさ2」が撮った小惑星の写真がニュースになったときに、ブライアン・メイさんからステレオ視画像が送られてきたという件がネットで紹介されていて、一体なぜ??と思っていたんですが、彼はステレオ視画像の収集家・製作者であり、天体物理学の博士号も持っていたんですね。(JAXAの紹介ページ)。ファンの皆様はよくご存じなのでしょうが…。

と、こんな感じの何だかよく分からないラインナップでしたね(呆)

新年ですが、すでに
「迫りくる嵐」はガッツリ観る予定。

何と噂の「西遊記3」を日本でやるらしいので、まあ観ておきますかね。
ついでに「王朝の陰謀 闇の四天王と黄金のドラゴン」も公開とのことで、ウィリアム・フォンさん2本。

ウィリアム・フォンさんといえば、何年も前に撮ってお蔵入りかとガッカリしていたSF大作「三体」がついに今年中国で上映されるらしい。
どうしよう、しょぼかったら…いやいや、日本ではやらないかも知れないけど原作ファンとしては中国まで観に行くべきなのか?!
悩みます…

「アイスマン 宇宙最速の戦士」、はドニー・イェンだから観るしかないか…。

「アリータ:バトル・エンジェル」「銃夢」の映画化。微妙だけどキャメロン作品だから、作り込みが楽しみ。

「移動都市 モータルエンジン」お久しぶり、P・ジャクソン監督作品。

「スターウォーズ」9もあるし、今年はちょっとミーハー路線で行ってみようかしら。

皆様はいかがですか?来年も良い作品に巡り合えますように!

posted by 銀の匙 at 22:57| Comment(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年12月09日

日日是好日(表記以降、結末に触れています)

そもそも、このタイトルが読めないわけですが(映画館の窓口で「ひびこれこうじつ」ください、と言ってしまった)、とんだ赤っ恥をかいたので調べてみると、これは禅語の一つで「にちにちこれこうじつ」と読むらしい。

映画の中で、黒木華演じる主人公が、多部未華子演じる従姉妹に意味を聞かれる。

毎日が良い日、って意味でしょ?

と答えると、従姉妹は追撃する。

それくらい私だってわかるよ。それだけ?

それだけって…。聞かれた主人公はきょとんとしている。
そりゃそうですよね。

何でもない日、おめでとう!

とか、

1年365日 きっと誰かの誕生日♪

とか、そういう意味だと思ってましたもん、私も。

そうじゃないなら、何なんだ、と思いながら画面をじっと見つめていました。

茶道初心者の主人公たちのズッコケお点前に映画館が沸き、和やかなムードに包まれるなか、映画は少しずつしんみりとして、季節の移ろいの美しさとはかなさが沁みてきます。

お点前や茶碗、掛け軸やお菓子など眼で見る要素の多いお茶ですが、だんだんと、茶筅のたてる音や虫の声、雨の音など、耳で聞こえるものにも敏感になってきます。

滝の掛け軸を見るシーン、ざあーっつと音を立てて流れ落ちる水が、スクリーンの向こうからこちらを潤すかのようでした。

茶室に置かれるものは、ただ単に季節感を演出するだけのものではありません。ひとつひとつに意味を込めて用意し、お客をもてなす。

映画では、茶道教室なので先生が意味を説明してくれますが、お茶席ではきっと、お客が自分で主人側の意図に気づかなければならないのでしょう。そういう意味では、寛いで心遣いを楽しむと同時に真剣勝負でもあるわけで、これが和のおもてなしの洗練されたところでもあり、疲れるところでもあり、ということなのだと改めて思いました。

きちんと背筋を伸ばした登場人物たちの端正な立ち居振る舞い。それを見るだけでも十分価値がありますが、いまこの一瞬に集中すること―流行りの言葉でいえばマインドフルネスってヤツでしょうか―について、考えるきっかけにもなります。

いま、この時と同じ時は二度とない。

当たり前のことですが、樹木希林さんに言われると説得力ありすぎです。

映画を観てから何日もたって、じわじわと沁みて来る。
晴れの日ばかりじゃない人生を味わい深くしてくれる映画です。

以下、ちょこっとだけ個人的感想をば...結末に触れていますので、
未見の方はここまで。
















よろしいでしょうか?


この映画に限らず、どこで話を終わりにするかという選択は、なかなか難しいですね。
原作がある作品はなおさらだと思いますが、まさか24年間をイッキミすることになるとは思ってませんでした。

後半は特にエピソードが飛ぶため、暗転するたびに、ここで終わりか?!と身構えてしまい、落ち着きませんでした(笑

そしてラストはまさかの、主人公による、タイトルの意味の解説。

なんて勿体ない....。

ここまで見た人は十分わかってますって!(そういう風に誘導しているし)

良い映画でしたが、個人的にはそこがちょっと残念でした。


面白いと思ったのは脇役の美智子。思ったことはハキハキと言い、要領よく楽しみ、要領よく就職し、要領よく玉の輿にのる女の子。

典子は仲良くしながらも、どうしても彼女と自分を比べてしまう。

ひと昔前の典型的な勝ち組女性だけに、主人公と好対照の登場人物として、いかにもぶりっ子みたいに描くこともできたでしょうが、当たり前と流してしまいそうなことに疑問をもち、典子の密かな優越感にツッコミを入れる、なかなか賢い女性として描かれています。

2人のシーンは、女の子同士の微妙な心理のあやを的確に表現していて、俳優さんも演出も上手いなと思いました。

海外での上映もあるのでしょうか、どんな風に見えるのか、海外の方々の感想を聞いてみたいです。

posted by 銀の匙 at 22:24| Comment(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年11月25日

ファンタスティック・ビースト2 黒い魔法使いの誕生(表記以降、ネタバレあり)

タイトル長すぎて覚えられねえっ!(怒)と評判の人気映画の続編が、さらにタイトル増量して新登場!

面倒くさくて私も同行者に「今日行くのは「ファンタビ2」」としか言わなかったため、「聖地巡礼?」と恐れられていました(三連休如きで誰がファンの旅に行きますか?!)

……幸い、前作も観た(↠記事はこちら)ので、早速公開日に出かけ、あのどこかノンビリした、レトロな世界を楽しむつもりでいたら、今回はずいぶんとまた暗かった…。

とはいえ、出だしのシーンから暗黒ながらも迫力満点、ファンタジーとはいえ、ジョニー・デップ仕掛けるところの「離間の計」も現実味があり、大人は十分楽しめることでしょう。

逆に、お子さんにはちょっとキツイかも。

前作未見の人に対する配慮はあまりないので、公式サイト等(↠こちら)で予習してから行きましょう。

「ハリー・ポッター」シリーズを観ていない方でも楽しめますが、この作品が前日譚にあたるので、繋がり具合が面白いです。私はあまり「ハリー・ポッター」には詳しくないんですけど、それでもかなり、ほぉ〜そーだったのか〜と思いました。


ほぉ〜つながりで言うと、私は主役のニュート・アルテミス・スキャマンダーを演じているエディ・レッドメインさんをこのシリーズで初めて知ったのですが、何だかぼぉっとしてるような時とか、セリフを受けるときの表情が、シャイなのを通り越してちょっと変わってるな〜と思っていたのです。

今回、彼の子供時代のシーンがあり、子役(ソックリだった)が同じような表情で演じるのを見て、初めてそれが演技だったんだと気づいた次第。

ということで、子ども時代のニュートもキュートな本作品、ぜひ、映画館の大きい画面でお楽しみください!

お話の中身が分かってもOKと言う方は、以下もどうぞ!

(いきなり核心部分のネタバレです)











さて。

今回のファンタビは何て言うか「スター・ウォーズ」新シリーズみたいな展開で、ものすごい破壊力を秘めた青年・クリーデンスが、自分の家族を探そうとパリに現れ、彼を利用したい黒い魔法使い・グリンデルバルド、彼を危険視し葬り去りたい魔法省、彼を助け出したいニュートたちの三つ巴の争いになります。

クリーデンスはリタ・レストレンジの弟だと思われていたのですが、彼の窮地に不死鳥が現れたことで、ホグワーツ魔法学校の校長であるアルバス・ダンブルドアの弟、アウレリウスだったことが明らかになります…。

って、ハッキリ言って、登場人物の誰が誰の家族かなんて、興味ないんですけど?

実は、私は「ハリー・ポッター」シリーズにさほど関心がなく、その理由は、ファンタジーと言いつつ、各回が実際には殺人事件の謎を解くミステリみたいな内容だったことと、血統がモノを言うお話だったからです。

もちろん、お話の中では純血主義は批判されているのですが、ハリーが無敵の強さだったり、何もしないうちから英雄視されていたのは、彼の血筋ゆえだった訳ですよね。

ファンタビの第1作はそういう部分が薄かったので気に入ってたのですが、結局、誰が誰の子で因果応報のドロドロが始まるのか…ファンタジーでそれはちょっとなぁ〜…「指輪」と比べて話が小さすぎる!と思ったところでハタと気づきました。

そうそう、ビルボ初めホビットたちは、家系図について話をするのが何より好きだったじゃないですか。

これはトールキン教授がイギリス人の性癖を上手く捉えてたというべきか、ローリングさんもそういう伝統にきちんと乗っかったというべきか…

いえいえ、〇〇の子××の何番目の息子の何とかの…っていうのは神話伝説では良くあるつかみだから、正統派のストーリー展開というべきなのかも知れません。

ま、私といたしましては、大手柄の御礼としてダンブルドア校長にお茶に誘われたニフラーの付き添いの(笑)ニュートが、「スプーンは隠しておいた方が良いですよ」ってシーンが嬉しくて、それで十分元は取れました。

もちろん、校長先生ともあろうお方がお客様に出すスプーンは「銀の匙」に決まってますからね☆彡(ニフラーにくすねられるなら、良しとしよう…)


posted by 銀の匙 at 22:23| Comment(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年11月17日

人生フルーツ

ただのほっこりスローライフ礼賛映画かと思ったら大間違い。かなりガツンと来ましたよ、自分的には…。

通常公開はとっくに終わったのですが、日本全国で1度ならず2度3度のアンコール上映が行われており、それに加えて、樹木希林さん追悼特集上映があちこちで行われている関係で、この映画もナレーションを担当されていることからラインアップに入っているようです。私も本上映は見逃してしまい、追悼特集で観ました。

ここのとこ毎回このパターンなのですが、予告がピンと来なくて。

自宅の庭に小さな畑を作り、暮らしに必要なものをできるだけ自分の手で作って暮らす、老夫婦のドキュメンタリー。

ひと言で要約すれば確かにそうなんだけど、なぜそんなことをしてるのかという理由が分かるにつれて、これがなかなか「丁寧な暮らし」的なほんわかした話では片づけられないことに気づきます。

主人公は、90歳の夫・つばたしゅういちさんと、87歳の妻・つばた英子(ひでこ)さん。

しゅういちさんはアントニン・レーモンドの事務所に勤めたこともある建築家。名古屋にある高蔵寺ニュータウンという、大規模開発された団地・住宅街の一角に、自分で設計した自宅を建てて住んでいます。

木造平屋、ぶち抜きの広い空間をゆるくコーナーに区切った洒落た建物の中は、過度に整理整頓していない、ホッとする空間。それでも、あまり主張の激しいものは置いていないようなのですが、ちょっと人目をひくポスターが飾ってあります(これが後半の伏線だったとは…)。

樹木希林さんの味のあるナレーションを挟みながら、カメラは二人の日常を丹念に追っていきます。隅々まで自分で手を入れた庭と家屋、食卓にならぶ手料理、手織りの布。本にもなっているほどの丁寧な暮らしぶりです。

いやぁさすがは芸術家夫妻、毎日の暮らしも芸術だってことかな,,,とか勝手に感慨にふけっていると、話はしゅういちさんの仕事に及びます。

しゅういちさんは現役時代、日本住宅公団で団地の設計をしていました。図面で見ると、空間を贅沢に使った緑と風にあふれる素敵な街ができそうな感じなのですが、そこは昭和な高度経済成長期のこと、ゆとりの設計が実現されるはずもなく、出来上がった団地は山を削り谷を埋め、所せましと建物が立ち並ぶ殺風景な場所に…。

こんなとき、設計者はどうするか。設計思想を勝手に変えられたことを愚痴りながら、醜く造成された土地には見向きもせず、遠く離れた高級住宅地に好きな家を建てて暮らすのか。

しかし、しゅういちさんはそうはしませんでした。自分の設計とは懸け離れた有様になった団地に土地を買い、庭を緑化したり、禿山になった裏山にどんぐりを植えるプロジェクトを立ち上げたりと、個人の力で出来る挽回策をコツコツと積み上げていきます。

仕事に責任を持つというのはこういうことなんだなぁとしみじみしてしまいました。

アイディアが思い通りに通らなかったり、仕上がったりしないと、つい他人のせいにしがちな自分を思わず反省してしまう展開。

しかし、しゅういちさんのこうした姿勢は公団時代からだけではありませんでした。この映画はここからが凄い。

普段は作業着っぽい服を着ているお二人ですが、突然正装をして旅にでます。なんだろうと思ったら、台湾での翻訳本の出版記念サイン会のようです。冒頭でちらっと映ったポスターはこのときのものだったんですね。

いかにも台湾の人が好きそうなテーマ・作者だよなぁ、と思ったら、まだまだこのエピソードには続きがある。ぜひ、見ていただきたいのはここからなんです。ということで、未見の方はここまで。

11月下旬から年末にかけても、

ユジク阿佐ヶ谷
チュプキ田端
シアターキノ(北海道)
シアターセブン(大阪)
関 シネックスマーゴ(岐阜)
浜松 シネマイーラ(静岡)
日田シネマテーク・リベルテ(九州)
シアタードーナツ・オキナワ(沖縄)

など、

まだまだ全国で上映があります。緑と陽光あふれる庭の風景、夫妻の丁寧な暮らしぶりなど、画面の隅々まで堪能できますので、ぜひ劇場でご覧になってください。

詳しくは http://life-is-fruity.com/theater/ でチェックしてみてください。


お話の続きが分かってもいい方は、以下も続けてどうぞ。












よろしいでしょうか?

しゅういちさんは、台湾からも依頼を受けて集合住宅の設計を請け負っていました(完成した郊外のマンション群はやはり意図通りではなかったようですが・哀)。その見学を終えて向かった先は、なんと墓地でした。

ここに埋葬されている台湾人は、日本の軍用機を作る仕事に従事していた台湾(当時は日本の植民地だった)の少年工だった人でした。戦前のしゅういちさんは飛行機の設計をしていましたが、狭い宿舎に大勢で暮らしている少年工をよそに自分だけ良い宿舎で暮らすのがイヤで、彼らと同じ宿舎に住んだのだそうです。

そのため、多くの少年工たちに好かれ、親友も出来たのだと言います。彼は台湾に戻った後、政争に巻き込まれて殺害されてしまい、連絡も取れなくなっていたのだとか…。

このあたりは重い話を非常にサラッと描いていますが、それにしても、戦前から一貫してブレないしゅういちさんの姿勢には強いインパクトがあります。戦後、住宅設計を志して公団に入ったのも、日本が焼け野原になり、住むところがない人が大勢いたのを見聞きしたからだといいます。

世のため人のためとか口で言うのは簡単だけど、自分の生き方を通じてそれを形にしていくというのは本当に凄いです。

この生き方を理解し、実践者の1人として今も生活を続ける妻の英子さんもまた凄い。

スローライフというとどことなく、非常にパーソナルな、言い換えれば、自分さえよければいい的な印象を受けることもありますが、そういう思い込みでこの映画の予告を観ていた自分が恥ずかしくなりました。明日が1ミリでも良くなるように、多くの人にご覧いただきたい作品です。

posted by 銀の匙 at 08:54| Comment(4) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年10月05日

黄耀明 明曲晩唱 LIVE


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香港のレジェンド、元達明一派のヴォーカル、アンソニー・ウォンによる一夜限りのワンマンライブが開催されました。

300人入るライブハウスは日本人・香港人・中国人のお客さんがほとんど同じくらいの比率。わざわざ南京から駆けつけたファンもいました。そりゃそうでしょう、ふだんはオペラグラスでやっと顔が見えるくらいのハコでしかやらないのに、こんな近くで見られるんですもんね。

とはいえ、今回は香港で行われた小規模コンサートのフォーマットをそのまま移管したそうで、舞台の上にはアンソニーと、盟友のキーボーディスト・ジェイソンの2人だけ。全体的に手作り感あふれる、ある意味贅沢なライブでした。

“春光乍洩”や“ダンスダンスダンス”など往年の名曲はもちろんのこと、インスパイアされたドイツ映画や日本映画の劇中曲、レスリー・チャンやテレサ・テンをフィーチャーした曲などを洒落たアレンジで歌ったり、日本語で歌ったり(上手くてびっくり)と大サービス。伸びのある艶やかな歌声が、小さな会場の隅々を満たして行きます。

来場しているそれぞれのファンに向けて英語・日本語・北京語・広東語を取りまぜたMCで、始めて意図を知った曲もありました。“你真偉大”は教会や父権主義を歌った歌だったとか、“禁色”は三島由紀夫の小説から着想されたとか…。

来場したファンもノリがよく、曲間には会場とのインタラクションが楽しい、とてもフレンドリーでアットホームな雰囲気でしたが、最後の方には今の香港が、どことなく発言しづらい、声を挙げにくいプレッシャーを感じる、考えることすらできなくなるのではと恐れている、と思いを吐露し、メッセージ性の強い楽曲も歌いました。

香港返還から20年を経て、何となく風化したように見える諸問題に、何物も恐れず静かなまなざしを向けるその姿は、崇高ですらありました。

と、しんみりさせておいて、アンコールはまさかの「君に胸キュン」!

このギャップに思わず胸キュンな夜でございました。

10月4日 新宿ロフトにて
posted by 銀の匙 at 02:19| Comment(0) | 舞台/パフォーマンス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年09月05日

閃光少女

台風被害に遭われた皆様にお見舞い申し上げます。

ちょっと気絶している間に数か月が過ぎてしまいました。目が覚めたら清朝あたりに穿越してないかな〜と思ったのですが、相変わらず混んだ電車に乗ったり残業したりしているのでした。ちぇっ。

仕事ばっかりしておりましたこの夏、映画2本とコンサートに1回行っただけ(結構出かけてましたねテヘ)、幸い自分的には全部当たりだったのがせめてもの慰めと申せましょう。

で、カリテ・ファンタスティック!シネマコレクション2018で上映された本作品、期間限定とばかり思って、仕事を放り出して見に行った(おかげで翌日以降が修羅場でしたよどうしてくれるんだ)のに、好評につき9月8日からロードショーとのこと。なぁんだ、早く言ってよ…。

上映情報は↓コチラ。
http://qualite.musashino-k.jp/movies/5055/


中国の音楽高校を舞台に、揚琴を学ぶ元気印の少女・ジンの恋と伝統音楽への想いをポップに描いた作品です。


映画の設定なのか事実なのかは分かりませんが、西洋音楽が幅を利かせる中国では、ダサい、大道芸人っぽい、楽器の名前さえ知られていない伝統音楽はもはや虫の息。音楽高校では伝統音楽コースの新入生募集を中止するという決定がくだされます。


西洋音楽コースの先輩に憧れるジンですが、鼻にもかけてもらえなかった上に、専攻する伝統音楽を見下されたように感じ、バンドを組んで伝統音楽の良さをアピールしようと思いつきます。

ところが、クラスメートのヨウ以外、誰も話に乗ってきません。追い詰められたジンは、後輩たちを頼ろうとします。しかし、天才的な演奏テクニックを持つ彼女たちとコミュニケーションを取るのは至難の業。なぜなら彼女たちは、2次元の住人だったからです…。

    * * *

私もしばらく中国に行ってないので、この映画のような情景がリアルなのかフィクションなのか見当もつかないんですけど、少なくともネットの中で見る限り、都会の子どもたちへのクール・ジャパンの浸透ぶりは驚くほどで、日本のテレビドラマやアニメ、マンガ、流行語、ネットニュース等々がほとんどリアルタイムで伝播しているようです。

日本語も翻訳が追いつかないのか面白がられてるのか、そのまんま通用したりしています。例えばこの映画の中でも、後輩たちのニックネームは貝貝醤(ベイベイジャン)、塔塔醤(タータージャン)。

最後の字は醤油という意味ではなく、日本語の「〜ちゃん」から来てるんです。(もう1人はあだ名がずばり「桜っ子」)

いやはやそれにしても、中国映画でヲタ芸を見る羽目になるなんて、誰か助・け・て〜!

中国の伝統音楽の世界をベースにしているので、それだけだとイヤらしい愛国映画っぽくなってしまいそうなところ、クールジャパン要素がその辺を上手く中和しています。

それにしても、中国ロックなんてどの有名バンドも何かしら中国の伝統音楽の要素を取り入れていたし、女子十二楽坊なんてメジャーな演奏集団さえいたのにこの凋落ぶり、一体どうしちゃったんでしょう? 映画向けのフィクションだと思いたいけど…。


こんなに面白い素材を扱いながら、テンポがやや中だるみしている箇所があるし、ストーリーが直球すぎるきらいはありますが、上手いこと誰もが楽しめる爽やかな青春映画に仕上がっていると思います。

先輩が練習のときに引いてるピアノ、XING HAIというロゴが見えますが、
作曲家の冼星海から取ったブランド名なんだろうな〜と思ったり、細かいところでいろいろ発見もありました。

周筆暢の歌うエンディングテーマもキャッチーで私は好きですね。
音からも楽しめる映画です。

2018年9月8日〜シネマカリテ(新宿)にて上映
posted by 銀の匙 at 23:57| Comment(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年06月10日

6月〜7月のリマインダー

・藍色夏恋 デジタルリマスター版

2018年の台湾映画祭で上映されたにもかかわらず、あまりの人気で入場できなかった人続出。
ついに再上映となりました。この映画は本当におススメです。
恋愛映画…なんですが、ただのアイドル映画に終わらないのが良いところ。
ちょっぴり切なくて、だけどポジティブ。

チェン・ボーリンの出世作。このころは金城武にちょっと印象が似てる気がする…。

6/16(土)〜6/22(金) 上映時間 21:10
ケイズシネマ(新宿)にて

↓上映館のスケジュールページ。作品紹介のページもあるのですが、そちらはネタバレとなっております(謎)。
作品を思いっきり楽しみたいかたは、作品紹介のページは見ない方がいいかも。
http://www.ks-cinema.com/schedule/

台湾文化センターの上映会

こちらはなんと「入場無料」の嬉しい催し。それだけに競争率が高いので、頑張りましょう。
だいたい1か月〜3週間前くらいに、HPから申し込む形になっています。
字幕つき、終わった後に作品解説もついてます。

これから抽選が行われる作品としては 『停车』がトップバッターで、7月9日昼12時申し込み開始予定。

以下、台湾naviのHPより。申し込み方法など詳細は台湾文化センターHP https://jp.taiwan.culture.tw/ をご参照ください。

◆7月28日(土)14時〜 『停車』(2008年) 監督:鐘孟宏(チョン・モンホン)
出演:張震(チャン・チェン)、桂綸鎂(グイ・ルンメイ)、戴立忍(ダイ・リーレン)
台湾を代表する監督の一人鐘孟宏の記念すべき長編第一作。独特の色彩の映像とブラックユーモアで台湾の人と生活を切り取った秀作。

◆8月26日(日)14時〜 『52Hzのラヴソング(原題:52Hz, I love you)』(2017年)監督・脚本:魏徳聖(ウェイ・ダーシェン)
出演:小玉(シャオユー)、小球(シャオチョウ)、スミン、米非(ミッフィー)
バレンタインの一日に起きる様々なカップルたちのラブストーリー。17曲のオリジナルソングで綴られる
トーク:作品解説、監督とプロデューサーの仕事

◆9月22日(土)14時〜 『奇人密碼−古羅布之謎』(2015年)
監督:黃強華(ホアン・チャンホア)、黃文擇(ホアン・ウェンツァ)
台湾の伝統的な人形劇「布袋戲」をベースに、新キャラクターとオリジナルストーリーで創り上げた冒険ファンタジー映画。
日本と合作して成功した「Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀」の原点。トーク:作品解説、布袋戲の魅力

◆11月29日(木)19時〜 『拔一條河』(2013年) 監督:楊力州(ヤン・リージョウ)
出演:(ドキュメンタリー)
2009年に台湾の中南部および南東部で発生した水害の直後、子ども達と外国人花嫁たちが村人を勇気づけて復興に向かった感動のドキュメンタリー。
トーク:作品解説、金馬奨レポート

ロシア・ソビエト映画祭
「アンナ・カレーニナ ヴロンスキーの物語」、「マチルダ」ら24本2回上映。
国立映画アーカイブにて7月より

http://www.nfaj.go.jp/wp-content/uploads/sites/5/2018/06/NFAJprogram2018No04.pdf

・凱旋上映!バーフバリ 完全版

上映中。長尺のインド映画なので、今後なかなか再上映は難しいと思われます。これこそ映画館で見るべき作品。気になる方はこの機会にぜひ、劇場で王を称えよ!

http://baahubali-movie.com/theater2.html

ユジク阿佐ヶ谷等、一部の映画館では前編の「伝説誕生」のリバイバル上映も行われます。
posted by 銀の匙 at 11:39| Comment(0) | 催し物 リマインダー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする