2009年04月01日

しだれ桜と薩摩琵琶の夕べ

今年は諸事情によりお花見はなくなってしまい、その代わりと行っては何ですが、表題の催し物に行って参りました。

森鴎外の旧居「観潮楼」のある千駄木の団子坂上は、旧居の名が示すとおり、昔は入り江が見えたほど、見晴らしの良い高台だったようです。このあたりは元々、丸の内へ通うお役人や、教育関係者に分譲された宅地だったようで、今や有名になった団子坂下の千駄木とはまた異なり、往事を忍ばせる邸宅が並ぶ高級住宅地です。

その一角に近代和風建築の傑作「安田楠雄邸」があります。前から行ってみたかったのですが、夜桜に合わせてライトアップと琵琶の演奏があると知り、一石三鳥とばかりに出かけてみました。

元々この建物の事を知ったのは不思議な御縁で、日本ナショナルトラストが管理する京都の「駒井家住宅」をたずねた折、住宅と共にトラストの活動に感動していたところ、「東京にも同様に保存している建物があるんですよ」と教えて頂いた訳なのです。

こちらは水・土の日中しか公開していませんので、夜間参観は貴重な機会でした。二階から真正面に眺められる満開のしだれ桜の妖艶さはもとより、陽が落ちて浮かび上がる日本庭園の陰影や、室内の幻想的な雰囲気は、主が客を招いて宴を張った当時はかくもありなん、という空想をかき立ててくれます。

庭では川嶋信子さんによる薩摩琵琶が披露されました。演目は「嵐が丘」「西行」「花かげ」「祇園精舎」です。

実は薩摩琵琶を聞くのは初めてだったので、大きな楽器でもあるし、どんな音色か楽しみにしていたのですが、華麗な独奏楽器である中国琵琶の演奏を聞き慣れているため、日本の琵琶はいかにも頼りなく、しかも使われ方が三味線と大差ないように感じられました。

しかし、歌が付くと印象は一変します。平氏の悲運を説くくだりは切々として、かそけき弦の音が、諸行無常の念をいっそう強くかき立てるようです。…としみじみしていると、トラジマのネコが視界を横切っていくあたりもこの辺ならではのハプニング(お客さん思わず笑ってるし…)

去年に引き続きの催しでしたので、来年もきっと開催されることでしょう。ぜひお出かけになってみてください。

HPはこちら

なお、歴史的建造物と琵琶演奏の試みとしては、2009年4月28,29日に本郷の求道会館で谷中琵琶styleのユニットが演奏を行うそうです。ここも行ってみたいかも…。

谷中琵琶style
posted by 銀の匙 at 23:08| Comment(2) | TrackBack(0) | 舞台/パフォーマンス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年02月11日

第35回 芸大定期演奏会

海外の街を歩くといつも羨ましく思うのは、それなり以上のレベルの演奏を、時には無料、時にはコーヒー2、3杯くらいの値段で聞けることです。ロケーションも、街中の教会とか、広場に作られた臨時会場とか、住民センターとか、下駄履き(笑)でふらっと入れるようなところばかり。

ひるがえってわが日本では、気軽に生の音楽を聴きたいなと思っても、数ヶ月も前に高いチケットを予約して、電車を乗り継いでコンサートホールやライブ会場まで出かけて…と考えるだけで、もはや一大イベント。とても気軽にって感じじゃありません。かと思うと、その辺でやってる音楽はほとんど、お稽古の発表会ですか?レベルの演奏とか、人前に出るには練習が足りないんじゃ…?とか、ラップスターになろうなんて百年早いわ、おととい来い!みたいなのばっかりだし…。

と残念に思っておりましたが、最近はカフェや図書館、歴史的な建物など、あれっと思うようなところでミニコンサートをやっていて、しかも結構面白いプログラムだったりするので、街歩きの楽しみが増えました。

先週、たまたま行き当たったのも、ふらっと行ける演奏会です。上野公園に隣接して東京芸術大学がありますが、そこの音楽ホール「奏楽堂」で学生の演奏会があるというので立ち寄ってみました。

実は、上野公園の中にもう一つ、「旧奏楽堂」というのがあり、通るたびに入ってみたいなと思っておりましたのですが、何か催しがあるときについでに…と思ってそれっきりになっておりました(演奏会の他、木曜と日曜はミニコンサートや演奏があります)。

で、最初はその旧の方かと思って行ってしまいましたが、そうではなくて、学内にあるホールの方でした。

お花見の時期に上野公園を通りかかると、こんなところに二度と来るものかと思ってしまいますが、谷中・池之端の方から芸大を通るアプローチはとても落ち着いた雰囲気で、曲がり角には「桃林堂」もあり、こんなステキな場所が東京にもあるのね…と思うような幽静な趣が漂っております。

キャンパスは通りを挟んで美術と音楽に分かれており、音楽学校の方に入るのは初めてでした。校舎の脇に堀を巡らして錦鯉を飼ってたり、ボロボロの建物があるかと思うと妙にモダンな建物があったり、目が点になりがちな風情です。

いやー、でも面白そうですよね、音楽学校。好きなだけ音を出しても怒られず、朝から晩まで練習してて良いなんて、羨ましすぎです。そしてホールはといえば、これがビックリ、とっても素敵なホールなんです。

正面のセンターいっぱいに、がーーーん!!と、月と星のオブジェが飾られた美しいパイプオルガンが据え付けられ、客席はフローリングに生成の革シート。シンプルに見えて、とてもおカネがかかってそうな内装です。(中はこんな感じ)通路に「試験官席」って書いた標識が無造作に並べてあるところも学校らしいです。ロビーは前面ガラス張りの窓の前にキャンパスの木々が茂り、最高のロケーション。室内楽にはちょっと大きすぎるような気がしましたが、音響もとても良いです。

演奏会はお代1500円で室内楽、3時から始まったので、終わったらお茶でもして帰ろう…と思ったら、すべての楽曲を通しで演奏したため3時間以上かかりました。満席ではなかったものの、広いホールが8割方は埋まる盛況です。皆さん後ろの方から座っていましたが、自由席なので前方に陣取って見ました。近くと遠くじゃ音の圧力が違いますからね…。

曲目は以下の通り。

シュトラウス ピアノ4重奏
シュミット サクソフォーン4重奏 シュミット
シューマン 弦楽四重奏曲第1番イ短調
ブルーマー 木管五重奏曲作品52
クルークハルト 葦の歌作品28
シューベルト 弦楽四重奏曲ニ短調「死と乙女」

普通の演奏会だと、メジャー作品、メジャー作曲家が主ですが、発表会だと変わった曲が聴けて面白いですね。演奏は、これで学部生?!と思ったくらい上手かったです。女の子が多くて、なかなか凝った舞台衣装を着ているのも見所の一つ…?

芸大の学生には他にもチェンバーオーケストラという組織があります(演奏会は別立て)。フルオーケストラがお好きな方は、そちらをどうぞ。
posted by 銀の匙 at 18:38| Comment(0) | TrackBack(0) | 舞台/パフォーマンス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年01月01日

WALLE ウォーリー

明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願い致します。

さて、1月1日は映画の日。毎年恒例で映画を観るようになりました。今年は、予告を観て以来ずっと気になっていたピクサーの「ウォーリー」を観ることに。

劇場は日比谷宝塚の隣にある、日比谷スカラ座です。

元旦ということもあり、大きな劇場にお客さんはまばらでしたが、豪華な映画館でゆったり映画に浸れて、なかなか良いお正月になりました。

昔懐かしい「ショートサーキット」を彷彿とさせる、ちょっとアナログなゴミ処理ロボット「ウォーリー」(再起動の音声がMacの起動音なのでドキっとするんですけど…)。誰もいないゴミだらけの地球で今日もけなげにお掃除に励んでいると、突然、宇宙船からiMacっぽいつるるんとした未来形ロボットが現れます。

好奇心旺盛なウォーリーは早速近づいてみるものの、新型ロボットがカラミティ・ジェーンかよ?な抜き撃ちの早さであちこち破壊しまくり、ビビるビビる。それでも、持ち前のけなげさをここでも発揮して、この猟奇的な彼女とお近づきになるのですが…。

観るべきものは、まず背景。
ゴミの舞い散る地上の様子から、ゴージャスな宇宙船での描写まで、汚しもバッチリ入って圧倒されます。もはやセットなのか絵なのかわからない域に達しており(というか、映画撮影でセットなんて、もう使わないのでしょうか)、現実味にあふれています。

それでも、キャラクターや画面全体の動かし方にはアニメーションらしい部分が残っており、そのあたりの匙加減が絶妙です。

宇宙船内での描写などにほんの少し、ブラックなテイストを滲ませてみたり、誰もいない地球に(「感染列島」の予告を観た後では特に)ちょっと怖い感じを匂わせたりはするのですが、そこはアメリカ映画なので、ストーリーはあくまで楽天的な方向へ進んでいくのであります。

制作陣が意識してるかどうかはわかりませんけど、相手が名乗ったら自分の名前も必ず言うとか、相手が通ろうとするときは道を空けるとか、アメリカの良き伝統が未来社会にも受け継がれてるのはなかなか嬉しいですね。

ただ、お話の赴くところもいかにもアメリカ風で、こんな具合に円満解決になるのが本当に良いのか、ちょっと疑問に思ってしまいました。子ども向けだしフィクションだとはいえ、ひょっとしたらアメリカの人って環境問題とその解決法をこんな風にとらえてるのでしょうか。だとしたら、それはちょっと怖い…。

日比谷スカラ座は、かなり広い劇場で音響もなかなかです。ただ、真ん中の通路前後の席は、ぴあのリザーブシートとプレミアシートで占められており、それ以外で見やすい席というと、プレミア席の真後ろの2、3列しかないので、通常はあまり嬉しくない劇場かも知れません。

しかし、本日は映画の日!プレミアシートは一般客にも開放され、見やすい席でゆったり鑑賞でき、本当におトクでした。
posted by 銀の匙 at 22:24| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年12月01日

トロピック・サンダー 史上最低の作戦

ハ〜イ!皆様ご無沙汰でございます。
やっぱり見に行きました「トロピック・サンダー」。

ベン・スティラー、ジャック・ブラック、ロバート・ダウニー・Jr.を主役に揃え、映画(と映画スター)をコケにしまくるこの映画、せっかく戦争映画がネタなのに、そこを茶化さずに「映画産業」を茶化す止まりなところに限界も感じますが、そんな内輪受けがかなり笑えてしまうあたり、果たしていいのか悪いのか…。

役者が役者に扮してるため、公式サイトには「主演俳優」たちの公式サイトまで用意されてるというバカっぷり徹底ぶり。

撮影開始たった5日で泥沼状態の超大作戦争映画「トロピック・サンダー」。ワガママばかりの俳優たち、英国人の映画監督(←という時点ですでにダメの烙印が押されているのが笑える…どうせお偉い舞台監督サマなんだろ、みたいなこと言われててお腹よじれそう)、サイテーな脚本と、もう映画の完成は風前の灯火に。

しかし、そこで起ち上がった独りの漢(おとこ)@ウソつきによって、ついにクルーは本物の戦場に投げ込まれることになってしまうのであります。

全編やりすぎな曲者出演者オンパレードの中でも、特にスゴイのがトム・クルーズ。完全に他を圧倒している。誰か彼に座布団3枚、いやオスカーを上げてください。

ぜひ効果音ばっちりの劇場で見てください。ただ、一緒に見に行く人を選ぶ映画かも知れません。コメディだと思ってナメてると、ロケット砲でぶっとばされちゃいますよん。時事ネタっぽいのも入っていましたが、その辺は相当ブラックでしたしね…。
            +     +
あ、そうそう、ファミリー映画じゃないですよ。グロ攻撃に耐えられる方のみご覧ください。

グロ攻撃って何よ?と思われた方、まずは、このページのウェブ用プロモを見て、大丈夫そうだったら行ってみて下さい…あ、これを見てイヤになった方、ここまでひどくはありません!お友達に誘われたら行ってあげてください!
posted by 銀の匙 at 22:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年08月13日

8〜9月のリマインダー

何とかタブ閉じの悪夢から立ち直りました、
今月のリマインダー。夏休みが長い皆さんが羨ましい。

【舞台・パフォーマンス】
サンバスンダ
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インドネシア発、伝統音楽とサンバのコラボ。

8月21日、22日
渋谷O-EAST

すべての恋に花束を TOUR 2008夏
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コンドルズの新作。8月24日札幌を皮切りに、静岡、仙台、名古屋、大阪、東京で公演。

スアール・アグン ジェゴグ
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コラボ王者、ガムランのスアール・アグンとバリトンサックスの共演。

8月25日
すみだトリフォニーホール

排気口
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コンテンポラリーダンスの雄、イデビアン・クルーの新作公演。

8月22−24日
世田谷パブリックシアター

9月〜
Here to Here
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勅使川原三郎によるソロダンス。

9月20日、21日
彩の国さいたま芸術劇場 大ホール

偶然の音楽
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ポール・オースターの小説を仲村トオル主演で舞台に。

9月14日−28日
世田谷パブリックシアター

【映画】
上映中
スカイ・クロラ
全国ロードショー

旅するジーンズと19歳の旅立ち
渋谷TOEI2ほか

鳥の巣 北京のヘルツォーク&ド・ムーロン
ユーロスペース(渋谷)

フェアリーテール・シアター
ユーロスペース(渋谷)レイトショー

881 歌え!パパイヤ
ユーロスペース(渋谷)

77BOADRUM
シアターN渋谷

赤い風船/白い馬
シネスイッチ銀座

俺たちダンクシューター
GAGA他

劇場版 空の境界

上映館はリンク先↑から御覧ください。

近日上映
デトロイト・メタル・シティ
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新宿ジョイシネマほか

中国インディペンデント映画祭
8月23日〜9月5日 ポレポレ東中野
9月13日〜26日 大阪プラネットプラスワン

9月以降
アイアンマン
全国ロードショー

WALL・E
12月以降
全国ロードショー

【展覧会】
ジョン・エヴァレット・ミレイ
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すみません、写真は九州でのチラシです。このときは見そびれました。
東京巡回に賭けます!

8月30日〜10月26日
Bunkamuraザ・ミュージアム
posted by 銀の匙 at 23:37| Comment(2) | TrackBack(0) | 催し物 リマインダー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年08月12日

久石譲 in 武道館 宮崎アニメと共に歩んだ25年間

リマインダーを投稿しようという予定はどこへやら、まだ引きずっております武道館コンサート(コーラスで参加したときのレポートは前の記事に)。

テレビでやるらしいからゆっくり見よう…と思っておりましたところ、放送時間が45分と判明。元は2時間のコンサートでしたので、だいぶ編集されてしまうものと思います。後からDVDなどが出るのかもしれませんが、忘れないうちに全体像を記録しておきます。

ということで、以下、コンサート内容の羅列ですがよろしければこちらから↓

続きを読む
posted by 銀の匙 at 02:19| Comment(2) | TrackBack(0) | 舞台/パフォーマンス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年08月06日

久石譲 in 武道館 2008 コーラス参加してきました!!

budoukan.jpg

久石譲さんが担当した、宮崎駿監督9作品の音楽のコンサートが2008年8月4日、5日、日本武道館で行われました。

新日本フィル、東京少年少女合唱団、栗友会合唱団に公募コーラス300名を加えた、マーラーを超える規模の大陣容による迫力のステージでした。

幸運にも、公募コーラスに応募したところ、出演させて頂くことが出来ました。そこで今回は練習から本番までのレポートをお届けしたいと思います。コンサートの内容そのものについての記事はこちら

*              *            *

合唱の指導をしてくださいました副指揮の先生によりますと、公募コーラスというのは久石譲さんの思いつきだったそうで、聞いたスタッフはそんなムチャな…と思ったそうです(笑)。

しかし、練習に参加してみると、自信なさげな男性陣はともかく女性は恐らくほとんどが合唱経験者で、初回からいきなり各パートを併せての練習となりました。曲は天空の城 ラピュタの「君をのせて」と「大樹」(サントラではインスト曲)、となりのトトロの「さんぽ」と「となりのトトロ」の4つです。

と言っても、他にもコーラスがいますから、歌う箇所は飛び飛びで、楽譜は3小節休止だの4小節休止だの穴だらけです。そこへ数々の変更が加わり、一同不安げな面持ちに…。

2回目の練習は幕張メッセ。公募コーラスの練習が済んだあと、新日本フィルのリハーサルが入ります。特別な計らいで見学させて頂きましたがこんなに音響の条件の悪い会場にもかかわらず大変素晴らしい演奏で、練習だというのに涙がちょちょ切れてしまいました。本番に泣いちゃったらどうしよう〜と心配になったほどです。この日は皆元気いっぱいで、ボーカルの皆さんも最終公演を除くと、この回が一番上手かったんじゃないかと思います(爆)

リハーサルの指揮は作曲者の久石譲さん自らが執りました。これだけ広い場所で左右に分かれて歌ったことがなかったので、最初はかなりとまどいました。何せ、反対側から届く音が遅れて聞こえるのです。初回のとき、絶対に音に合わせるな、指揮に合わせろと注意された訳が良くわかりました。それを除けば、特に大きなダメ出しもなく、リハーサルは順調に進みます。

しかし、少年少女合唱団の方が全然ウマイので(そりゃキャリアも違うし当然なのですが)、公募コーラス隊はボロ負けでガックリな心境です。あちらはいきなりアカペラで歌うなんて朝飯前ですからねー。良い子の合唱団にありがちな変に取り澄ましたところもなく、素直で綺麗な歌声でした。大ヒットの「ポニョ」にはカワイイ振り付けもついて、思わず一緒に歌い出しちゃいそうです(出番じゃないからダメダメ)

そうやって練習してるうちにもガンガン変更が出るので、こりゃついてくのが大変だなーと思いつつ、届いた台本が本番とまるで違ってたという某映画の撮影現場等の苦労を思い起こしたりしておりました。

後で気づきましたが、久石さんに直接指揮してもらうのは、これが最初で最後でした。武道館はもっと広いので、合唱の指揮は少しタイミングをずらして、副指揮が執ります。そちらに合わせないと、オーケストラとは同時に聞こえないらしいんです。武道館…巨大すぎ。

そしていよいよ本番当日。普段着のままゲネプロが行われます。立つタイミングや座るタイミングがよくわからなくて皆オタオタ。それでも、武道館の音響がいいのは感じました(やっぱり合唱席からはズレて聞こえはするんですけど)。

ゲネプロが終わると、武道館には全員を収容できる楽屋がないので、全員離れた建物に移動です。中は寒く、外は暑く、温度差がかなり応えました。

夕方から1日目の本番開始です。2階にある合唱席からは、アリーナに入ってくるお客さん一人一人の顔までよーく見えます。客席で見ていたときはステージがとても遠いように思ってましたが、ステージからは良く見えるものなんですね。会場を見渡せるので、実物大トトロが登場して取り囲まれてるとことか、慌てて駆け込んでくるお客さんなんかについ注目してしまいます。思い切ってオシャレしてくるお客さんを見かけると、かなり嬉しいものですね…。次に観客として来るときは気をつけよっと。ほぼ満席のお客さんです。

オーケストラの後方には巨大なスクリーンがしつらえられ、そこに作品が次々上映されます(席からはほとんど見えなかった)。
ナウシカで幕を開け、それぞれ3〜5曲くらいづつ、コンサート用のアレンジで演奏されます。もののけ姫、魔女の宅急便、ポニョときて、ラピュタでようやく出番。ここに中・高生によるマーチングバンドが客席から登場する演出があり、一番盛り上がりました。

私はといえば、相当我慢したのですがどうしてもポニョの中の「ひまわりの家の輪舞曲」というのに弱くて、ちょっと泣いてしまいました。いかに隅っことはいえ、出演者側に座ってるのにそれではマズイのですが、とてもけなげな歌詞なんですよ…(ちなみに、翌日のマチネでは何とか持った…と思ったらリフレインでつい泣いてしまった)

平原綾香がゲスト出演したり、アンコールが2曲もあったりと盛りだくさんの2時間でしたが、ゲネプロに続いてだったので、どうも皆疲れてたらしく、練習であれほど正確なピアノ演奏をしていた久石さんも、ちょっと手が追いつかなかったような箇所がありました。こちらも長袖のブラウスにロングスカートと、重い衣装のせいもあって終わったらかなりヘトヘトに…。

翌日は午前中何事もなかったかのように出社し、午後から2回の公演に臨みます。

この日は正午になったとたん、会場付近は鉄砲水の大惨事も起こったほどの激しい雷雨となり、昼前から集合していた出演者の皆さんはずぶ濡れで大変な目にあったようです。一部で電車も止まってしまい、来場できないコーラス隊メンバーもいました。

しかし、こんな悪天候の中、マチネということもあって、たくさんのお子さん連れのお客さんが見に来てくれ、またほぼ満席です。今回はお客さんのノリが大変良く、久石さんが嬉しそうなのが遠目にもわかります。基本的に交響楽のコンサートなので、ファミリーコンサートのような演出上の配慮はほとんど無かったのですが、夏休みで昼間だったから、会場の人たちに歌ってもらったり等、多少アレンジしても良かったのかもしれません。「ポニョ」や「さんぽ」では手拍子も出て、かなり良い雰囲気でした。そして、ついに、最後にはスタンディングオベーションが!

昼にいきなりの公演だったので、オーケストラはさほど本調子ではなかったようなんですが、お客さんの反応はダイレクトに演奏に反映しますねー。その意味ではとても面白かったです。力強い拍手を貰うと、かなり、よっしゃ!という雰囲気がみなぎります。

そしてついに夜の部の最終公演。昼とはうって代わって、客席はほとんど大人で占められているなか、出だしのティンパニーが大変力強く入りました。これで一気にテンションが上がったらしく、全ての音が物凄く良く鳴り出しました。

指揮にも自然、力が入り、栗友会のコーラスも前回比150%増しくらいのボリュームに聞こえます。全公演中この回が一番出来が良かったんですが、お客さんの反応がいま一つなのが何とも歯がゆい感じです。

そうして、異様に盛り上がってるステージと、大人に観賞してるお客さんの組み合わせで公演は進みます。公募コーラス隊も上昇気流にのって、かなり力を出せた感じでした。ラピュタの所では残響が武道館を揺るがす大コーラスとなり、ついに熱烈な拍手を頂きました。

ハウルの動く城では、金管楽器がコーラスの位置から登場し、会場の左右でこだまのように呼応するという演出がありました(映画でも大変印象的な、ソフィーがハウルを探しに行く場面の音楽です)。前2公演ではどうも音がしっくり決まらなかったように思うのですが、この回は素晴らしいパフォーマンスでした。

そしてついにエンディング。コーラスも力を出し切って、満足のいく演奏が出来ました。と、思ってたところに突然のサプライズが!

なーーんと!アリーナ席の最後方から宮崎駿監督が花束を持って登場したのです。この演出に最初にどよめいたのは、会場全てを見渡せる、コーラス席に座ってた私たち(コラコラ)。

観客席も総立ちです!

ずっとあの席で、今回の演奏を聴いていてくださったのかと思うと(自分は大したことはしてませんが)感激もひとしおです。

アンコール二曲目の「アシタカとサン」では、感動しているお客さんが多く見受けられ(歌詞も良いんですよね、これが…)今回参加させて頂いて本当に良かったと思いました。

無事終了し、控え室に集まったコーラス隊はお互いに写真を撮ったり、裏方で支えてくださったスタッフに御礼を言ったりして解散しました。皆、さあこれから現実世界に戻らなくちゃ、と笑っていたけど、まだまだ余韻に浸ってる私でございます。

追記:8月31日にNHKでコンサートの模様が放送されるそうです。9月にはBSで再放送あり。

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posted by 銀の匙 at 23:43| Comment(10) | TrackBack(0) | 舞台/パフォーマンス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年07月28日

崖の上のポニョ

コンビニの入り口で「これ見たい!これ絶対面白いよ!」と連れが騒ぎ出すので(アンタ一体いくつ?)指さす先を見ると、そこには「鉢かづき姫」みたいなポスターが…。最近世間のことに疎かったのでうっかりしてましたが、そういや「ポニョ」ってもう上映されてたんですねー。ポニョポニョというよりコリコリとおいしそうな絵に釣られて、そのまま映画館に直行しました。

何だかんだいって、宮崎駿作品はすべて劇場で見てる私。今回は子ども向けと聞いていたのでやめとこうかと思ったのに、結局見る羽目になるとは…。

今回まずびっくりしたのは、背景が色鉛筆みたいなもので書かれていることです。動くものはセルに描かれているため、最初はちぐはぐな感じがして慣れませんでした。崖の上に立っている家なんて、嘘っぽすぎると思ったものです。でも怖ろしいことに、だんだん気にならなくなってくるんです。

次にびっくりしたのはポニョの名前ですかね。え、ポニョじゃないの?って、それ、あだ名(?)ですから。本名は違いますよ。奈良美智の描く憎らしい子どもみたいな顔してるくせに、本名
ブリュンヒルデって、どこが?

まあその三白眼の憎らカワイイところが何とも言えませんで、おさかなのポニョにはすっかり参ってしまいました。バケツの中でぐるぐる泳いでるところなんか、宗介くんじゃなくたってノックアウトです。
しかし、いくらアニメだからってあんなに形状が変わっちゃって、同じポニョだって子どもはわかるのかなー?

それに、大人と致しましては、ポニョが口を利くようになるとそこまでカワイイとは思えなくなるんですよね。ずっとしゃべらないままの方が良かったんだけど、子ども向けならしゃべらないとダメかな…。感情移入できないもんね。あ、トトロはしゃべらなかったですが。

結構派手でスペクタクルな場面も多いのに、全体としてはそれほどエキサイティングな印象ではないのは、どこがヤマ場かあまりハッキリしないせいでしょう。リサを捜す宗介とポニョの場面がストーリー的にはヤマ場のはずなんですが、絵的なヤマ場は嵐の中をリサが家に戻ろうとするシーンと、ポニョが宗介に会いに来るシーンなので。

それにしても、周りで見ている子どもたちの反応は熱烈なもので、エンディングの歌はすぐに覚えて一緒に歌っていました。大人が見て面白いかどうかは人によると思います。お話が単純でも動きの面白さに反応する人なら、相当楽しめることでしょう。

それから、大人的な見どころとしては、宗介とポニョを取り巻く大人たちの反応でしょうね。旦那さんが帰って来なくてふて腐れても、いきなり妙な女の子が現れても、すぐにさらっとして子どもの思いを受け止めてあげられるのは素敵ですけど、なかなか現実には難しいだろうなあ…。

新宿ピカデリーで見ました。
今月新装なったばかりのピカピカの映画館です。
バルト9につづくシネコンで、一番大きなスクリーンの部屋でした。
ただ、大きな劇場にありがちの欠点で、スクリーンに近い席は非常に見づらいです。見やすいのはNOPあたりでかなり後ろの方。前の席との段差は大きく取ってあるので、前の人の頭は気になりません。
posted by 銀の匙 at 23:47| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年07月12日

HOTFUZZ ホットファズ 俺たちスーパーポリスメン

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面白いだろうとは思ってましたが、こっち方向に面白いとは思ってなかったので、かなり意表を突かれました。

この夏観る映画が決まってない方は、コレです!イチオシ!
でも見終わったあと汗かいちゃったので、涼しくなりたい方にはあまりお勧めしません(タイトルからして、そんな人はいないか…)

どういう訳だか、私は勝手にこれをおバカ映画だと思って見に行ってしまいましたが、ニコラスの言葉を借りれば、「ちょっと違う」ですね。おバカ映画の方でも、こりゃちょっと違うんじゃないの?と言いそうです。

何でおバカ映画じゃないか説明しろって言われても困るんですが、第一、おバカ映画といえば、主役がまずおバカなことが必要条件だと思うんです。けれども、この映画の主役、ニコラス・エンジェル巡査はスーパーエリート警官で、彼自身は至ってマジメでマトモな人なんですよ。変にマトモ過ぎてすべってる訳でもなし、なかなかナイスなキャラなんです。

彼がきちんとしてるので、スプラッタになろうがランボーになろうが、映画全体に品があるんですね。宣伝ではコメディになってましたけど、セリフ回しやなんかが多少笑えるというくらいです(私が一番笑ったのはエンドロールの「スペシャル・サンクス ギレルモ・デル・トロ」だったくらいなんで)。

そこがちょっと食い足りない人には「テネイシャスD」でも見て頂くとして、この映画では始めちょろちょろ中ぱっぱの意外な展開をお楽しみください。ぼけっと見ててもいくつか気づきましたが、相当いろんな映画のパロディが入ってます。それもこの映画の中なりの必然性がある(…ないのもあったけど)ので、イヤミがなくて良いです。

第二に、映像が非常にスタイリッシュであることが挙げられます。わざとカッコつけて笑わせようとしているのかと最初は疑っておりましたが(謎)、いちおう本格的なクライムストーリーなんですねー。最初のゆるさ加減が信じられないほど、後半は盛り上がります。この映画、先に内容を知っていると面白さ半減なので、ここではストーリーについては触れません。公式サイトの予告編は見ないことをお勧め致します。

こういう話を見ると、ああー日本でもありそうだこれー(優秀な人をよってたかって左遷してみたり、どこが公共だかわからない公共の福祉を優先してみたり、あらゆる意味で)と思ってしまうんですが、ムチャクチャなようでディテールにかなりの真実味があるのが怖いです。

そういえば、邦題の「俺たちスーパーポリスメン!」ですが、これはいけません。アングル巡査に…もとい、エンジェル巡査に「ポリスオフィサーだ!」って直されてしまいますよ。すかさず「ポリスメンオフィサー」って言い直しておいて頂きたいものです。

新宿ジョイシネマ3で見ました。こちらはヒューマックス系の劇場のようです。客席は比較的新しく、十分な段差があって前の人が気になりません。たぶん、どの席でもそれなりに見やすいのではないでしょうか。臨場感を重視する方は、席とスクリーンの高さが同じくらいのF〜Iあたりがお勧めです。

今日の感じでは、渋谷よりは空いていると思います。まず窓口で回を指定します。回数の指定だけで、座席自体の事前指定はありません。
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2008年06月29日

アルティメット・エージェント−タイ式シネマ☆パラダイス

なんとか滑り込みでタイの映画祭に間に合いました。せっかくだから「キング・ナレスワン」とか見ればいいものを、バカ映画とお墨付きの作品を見てしまうあたり、いかがなもんでしょうか…。(あんなに「マッハ!」の予告編に魅せられておきながら、疲れてて見られなかったことをいつまでも根に持ってるらしい)

で、なんかどっかで聞いたようなタイトルのこの映画、なんと好評につきシリーズ第2作目らしく、開始しばらくは2作目だからわかるよね的な雰囲気。こっちは何が何だか全然わかんないんですけど、(たぶん)お約束なギャグが炸裂してるのね…?と推測しつつ観賞。スゴいアクション映画という噂だったのに、ユルユルな感じ。

主役のカムラオは動作がどっかモタモタしてるくせに異様にカッコ付けてて笑うに笑えず、飛び越さなくても良い車をよっこらしょ!っという感じでバイクで越えたりして、ああ、お疲れさん!南国でアクションは疲れるよね、と観客(私)の同情を買う始末、香港映画のタチの悪いパロディみたいだと油断しておりましたところ!

そのユルいカーチェースがどんどんメチャクチャなことになっていくのであります。前の車を突き飛ばしたり自分がヨコになったりは当たり前、プロパンガスのボンベは飛んでくるわ、ミサイルは飛んでくるわ、作品説明にある通り、マジで撮影中に死人が出てないかこっちが心配になってきます。

ストーリーとアクション場面のインフレっぷりたるや「少年ジャンプ」も真っ青、かと思うと、主役が歌い踊るシーンもバッチリ用意されているのが如何にも東南アジア映画。こんなメチャクチャのくせに、歌い踊らなきゃいけない合理的(?)な理由があるのが、いきなりミュージカルシーンになっちゃう香港映画とはひと味違うところであります(そんなこと褒めてどうする)。

私はタイの事情に詳しくないので良くわからないんですけど、俳優さんが大体平均的に同じ民族の人って感じじゃなくて、いかにも土着の人っぽい感じの人からインド系っぽい人、チベット系っぽい人、中国系っぽい人などバラエティに富んでるのが興味深かったです。

おススメですか?と聞かれればそこはかなり微妙ではありますが、タイに詳しいお友達と見たらいろいろ楽しめそうだとは申しておきましょう。そして、この映画で一番笑えたのは、実は公式HPのこの宣伝文でだったりするのでした。まさに、この通り…。

メタボな身体ながらトニー・ジャーの向こうを張るアクションを見せたマムことペットターイ・ウォンカムラオ。そんな彼が微妙に冴えない身体の動きでアクション映画を初監督・主演したのが、前作『ダブルマックス』(04)(英題「The Bodyguard」)だ。ムリ、ムダ、ムラの多い動きとあくまでアクションを真面目に演じる三枚目のヒーローに、観客は大爆笑。四角い顔のシークレット・エージェントは、一躍タイで有名なキャラとなった。あれから3年。満を持して、そのパート2が登場。ぎこちないマムのアクションはそのままに、よりハチャメチャで痛快な内容に仕上がったのが本作だ。やたらと火薬の多い爆破シーンや死人が出ていないかこちらが心配になるカー・アクション、唐辛子のようにピリッと効いたトニー・ジャー(特別出演)のアクションもお見逃しなく!

シネマート六本木
7月11日まで。
全席入れ替え制で、入り口で座席を指定する方式です。
チケットぴあでは当日でも買える1回券が発売されててオトク。
posted by 銀の匙 at 17:14| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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