2005年05月09日

ドッジボール

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かなり疲れていたので、息抜きに良いかな♪と思って観た映画。退屈せず、絶対に笑えて、必ず盛り上がる映画を作る、なんだかんだ言って、ハリウッドとはたいしたところだと思います。映画自体は頭を空っぽにして楽しめるたぐいのものなんですけど、製作した人には思うところもあったみたいですね。それは置いておくとして…。

お話はいたって単純。
ピーター・ラ・フルールは、支払いが滞ったために電気(だったかな?)も止められちゃうようなだらしない男。向上心もへったくれもなく、絵に描いたような負け犬人生を送っています。そんな彼でも一応はおんぼろジム「アベレージ・ジョー」のオーナーなのですが、オーナーの人生を反映してか、やってくるのはクズみたいな利用客ばかり。ジムは当然経営難で、いまやお隣のクロボ・ジムに乗っ取られかねない状況です。

しかし、クズみたいな利用客にとっては、このおんぼろジムが唯一のオアシス。なんとかここを守ろうと、ジムの存続に必要な資金をドッジボール大会に出て稼ぐという妙案を思いつきます。相変わらずやる気のないピーターをよそに、皆はやる気十分。それを知ったクロボ・ジムのオーナー、ホワイトは、大会で彼らをつぶしてやろうと乗り出してくるのですが…。

ルールも知らない彼らが体験する地獄のシゴキが可笑しいのなんのって。敵役、ホワイトを演じるベン・スティラーの怪演に負けず劣らず、「アベレージ・ジョー」チームのダメっぷりも愉快です。美男美女でも奇人変人でもなく、本当にその辺にいそうなごく普通の(ダメな)人たちが主役の、ちょっとほっとするドラマです。

ダメ人間たちが一致団結、頑張って勝利を得るという王道路線にいやというほど忠実に作ってある一方、ステレオタイプをわざと強調したり崩したりというヒネリも加えてあります。お話のテンポも軽快で、文句なく楽しめる一作。私は六本木のヴァージンシネマで観ましたが、ここはお客さんのノリがアメリカ〜ンなため、爆笑シーンではちゃんと爆笑してました。やはり、コメディはこうやって観ないと…。

さて、本編は開き直っていかにもアメリカ映画らしく作ってありますが、エンドロール後のオマケシーンでは自虐的な本音がポロリ。いいじゃないですか、ハリウッド映画なんだもの!いつも思うんだけど、誰が観ても楽しめる映画を作るってことは、そうそう簡単なことじゃないはず。額にシワを寄せながら観るような映画は素人にだって撮れるんだから、胸を張って娯楽作品を作って頂きたいものです。

付け足し。劇中、メガネをかけた気弱そうな(ってダメキャラ全員そうだけど)おじさんが愛読してた「マイナー・スポーツ」の雑誌、面白そうでした。ドッジボールの他にはどんなのが載ってるんだろ?そして、そんなマイナースポーツばかり放映してるケーブルテレビも出てくるんですが、本当にありそうですよね。イギリス行ってテレビつけたら、妙な動作のアヤシイスポーツが延々放送されてて笑ってしまったんですけど、あれがクリケットだったとは…。ちょっとみたいぞ、マイナースポーツチャンネル!
posted by 銀の匙 at 22:20| Comment(2) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年05月05日

コーラス

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あらゆる楽器の中でも、いちばん優れたものは人間の声−映画を見たあとに改めてそう感じました。

舞台は大戦後、大人も子供も生きていくのに精一杯だったころのフランス。「池の底」と呼ばれる寄宿学校には、身よりのない子や、親が手を焼いて預けられた問題児が集まっていました。そこへ「失敗続きの音楽家くずれ」と自らを語るクレモン・マチュー先生が舎監として赴任してきます。体罰と規則で縛られ心を開かない子供たちと、歌を通して交流しようとするのですが…。

この映画の面白いところは、あくまでも主人公のマチュー先生=大人の立場から視点がブレないところです。生徒たちの心の動きは事細かに描写せず、さらりと流しています。そのため、果たしてこの子たちが本気で先生のことを信じているのかどうか、観客の側もずっと確信がもてないままで、それだけにいっそう、ラスト付近の描写が胸に迫ります。

この映画のもう一つの大切な主役は「歌」です。知っている歌をうたえといわれて、生徒たちが一人ひとり調子っぱずれにうたう歌は、フランスのごく普通の歌を知らない者にとってはとても新鮮です。「3キロ歩いてもうクタクタ」の歌とか「元帥殿」の歌とか「ブルターニュ人」の歌とか…。

そして、コーラスを覚えた彼らの歌声ももちろん素晴らしいものです。ことに、ラモーの「夜」は、歌詞も歌も信じられないほどの美しさでした。

明らかにフィクションの語り口調でありながら、奇妙にリアリティがあるのも、フランス映画らしいと感じました。たとえば、人生の転機となった先生の名前をすぐには思い出せないというあたりとか…。

シネスイッチ銀座
休日に行ったせいか、とにかく混んでました。
posted by 銀の匙 at 00:20| Comment(4) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする