2006年05月23日

DIG!

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皆様大変ご無沙汰致しました。

最近、膝かっくんと申しましょうか、凹み脱力系な事柄が続き、たいていのことには慣れている私も、これは神が与えたもうた試練であろうか…と弱気モードに入っております。

そんな沈滞気分が呼びよせたのでございましょうか、近年希なる超ダウナーなドキュメンタリーがこちら、「DIG!」でございます。最終日に見に行ったため、もう上映が終了してしまいました(泣)。そんなところが更にダメダメなレポートでございますが、DVD化と、主演バンド再来日を祈念しましてご紹介致します。

本作品はアメリカのインディー・バンド、ブライアン・ジョーンズタウン・マサカー(BJM)の中心人物アントン・ニューコムを巡って展開します。黙っていれば端正で、ビジュアル系としても十分行けそうなアントンですが、その自己チューたるや凄まじく、ライブ中、客を客とも思わず殴りかかってみたり、バンドメンバーを罵倒したり暴力をふるったりと、まさにやりたい放題。ライブでまともに曲が聴けることは滅多になく、彼らのライブに来るということはすなわち、アントンと誰かの殴り合いを見るということらしいのです。そんな、プロレスの興行じゃないんだから…。

せっかくメジャー・デビューのチャンスが回ってくるのに、毎度自らそれを叩きつぶすアントンに呆れ果て、メンバーは一人、また一人と去って行きます。

そんな彼らと好対照をなすのが、着実に成功への道を歩んでいるバンド、ダンディ・ウォーホルズ。メジャーデビューで自らを見失いかけながらも、なんとか踏ん張って良い立ち位置を見つけた彼らは、元はBMJとも良き友人同士でした。そのリーダー、コートニー・テイラーはアントンに畏敬の念を抱きつつも、次第に距離を置くようになってゆきます。

ほんの数小節聴いただけでも魅了されずにはいられないBJMの音楽は、やはりアントンあってのもの。溢れんばかりの才能がありながら、というか、その才能の故にというべきか、強気の裏の壊れやすい心を隠して振る舞う彼の姿をみつめるコートニーの複雑な視線が、映画をより印象深いものにしています。

二つのインディーバンドにまつわるエピソードには、巧まずしてメジャーレコードへの批判も盛り込まれているのですが、正直、こんな面倒な人たちの言うなりにしてたら稼ぐのは到底無理ですね。本当に好きにさせちゃったレコード会社「ファクトリー」の実話が映画「24アワー・パーティーピープル」なのですが、会社は最後にやっぱりつぶれました…。

メジャーはリリース数も多い代わりに、たくさんの人に聴かせる音楽に仕立てるのが仕事なわけです。つまり、どんな音楽が売れるかは、やっぱり聴き手次第。聴く側にも大いに問題がありそうです。

さて、私は全然知らなかったのですが、BJMは来日もしていたそうで、ビデオにはそのときの様子も収められていました。このときは乱闘なしだったようですね…。

オンディ・ティモナー監督
公式HPはこちら
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2006年05月10日

本城直季「small planet」展

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AGHOMEさんの記事で見て、急いで駆けつけました。
リトルモア刊の同名写真集の展覧会です。

白い壁に掛けられた大小さまざまのジオラマの写真。実在の景色を特殊な方法で撮影したものだという説明を読んでさえ、良くできたミニチュアにしか見えません。

精巧なミニチュアを使ってホンモノらしく撮る、特撮のトリックには慣れているのに、まさか逆があろうとは…。とても刺激的な展覧会でした。ギャラリーの建物も面白かったし。

残念ながら展示は金曜まで。上記の本でも十分雰囲気は味わうことができます。

ギャラリー(g) (代官山)
2006年5月12日(金)まで
12:00〜19:00
HPはこちら
posted by 銀の匙 at 00:34| Comment(2) | TrackBack(0) | 展覧会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年05月07日

ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン 熱狂の日2006 最終日

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本日5月6日土曜日は2006年フォルジュルネの最終日でした。
最初のプログラムはホールB5にて、ピアノソナタ第18番ニ長調とヴァイオリンソナタ25番ト長調,41番変ホ長調です。

モーツァルトは短調の曲が好きなんですが(長調でも好きなのはありますけど)、堀米ゆず子さんのヴァイオリンが聴いてみたかったので、曲の好みは度外視して選びました。とは言っても、41番は交響曲の同じく41番(ジュピター)と同じテーマがちらっと現れる面白い曲です。

ヴァイオリンは期待通りの伸びやかな演奏で、高音が艶やかなのはもちろん低音にも迫力があり、オーケストラとの共演も聴いてみたい感じでした。

さて、午後は禁を犯して(?)曲目でプログラムを選びました。せっかくモーツァルト年なので41番「ジュピター」「ピアノ協奏曲20番」は生演奏で聴きたかったんですよ…交響曲25,29、40番はじめ幾つかの聴きたい曲目は、ラッキーなことに先行して行われた東京シティフィルの演奏会で良い演奏が聴けたので今回は見送りました。

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で、どうだったかというと、去年に引き続き今年も惨敗でした。

一番大きかったのはホールの問題です。会場がホールAの場合、1〜5列目あたりの席が取れない限り、クラシックだと音響が悪すぎてお金のムダだからやめておいた方がいいです(良かったという感想をお持ちの方がいらしたらごめんなさい)。その点、ホールCなら15列目でも聴きやすいように思いました。

あとは、好きな曲だとCDなんかで聞き慣れているだけに、よほど気に入った演奏でないと受け入れがたい面もあるのではないでしょうか。テンポが思ってたより速い/遅い、盛り上がりをつけすぎる/欠けすぎるとか、変なところが気になって落ち着いて楽しめません。うう、失敗した…。

今年は来場者50万人だったそうで、これほどの人が集められる作曲家というと、あとはバッハ(地味?)、ショパン、シューベルト、ワーグナーとかかなあと思ったら、来年はチャイコフスキーやドボルザークなどが予定されているようです。やったー!!これで来年のGWの予定は決定です。ロシアかチェコからオケ呼んでくれないかな〜。

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↑展示ホールでの無料コンサートの様子です。
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2006年05月06日

ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン2006感想その2

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ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン2006の続きでございます。
まずはモーツァルトのレクイエムニ短調を聴きました。指揮者ミシェル・コルボの率いるローザンヌ声楽アンサンブルは非常にまとまりがよく、女声が美しい合唱団です。曲目が鎮魂曲だけに、ノリノリで楽しそうに歌ってるのはちょいと気になりましたけど…。

ソロではソプラノのカティア・ヴェレタズが良かったです。

この曲はモーツァルトの遺作で、途中の「ラクリモサ(涙の日)」が絶筆となり未完成のまま終わりました。そういうわけで、「サンクトゥス」が歌われたあと、客席は続きがあるのではと、し〜んとしてました。で、コルボがくるっと振り向いたので皆が拍手する、という珍事になりました(どこで終わりにするつもりかわからなかったんですね、ハイ)。熱演だったのに拍手のタイミングがずれちゃって申し訳なかったです。

今日はもう一つ、ピアノソロを聴きました。国際フォーラム内にある相田みつを美術館の展示室を使うという趣向で、収容人数は約100名。今回も最前列のど真ん中で聴きました。

ピアノまでの距離は恐らく1メートルなかったのではないでしょうか。コンサートというより、おうちにお邪魔してサロンで弾いてもらっているような感じで、とても良かったです。

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(↑写真は相田みつを美術館でのコンサート開始前の様子です。暗いのでブレちゃってすみません。ピアノと客席の距離が本当にちかいのがおわかり頂けますでしょうか)

弾き手のジャン=フレデリック・ヌーブルジェは弱冠20歳の若手ですが、良い演奏を聴かせてくれました。フォルテの表現が素晴らしいです。ハイドンのピアノソナタロ短調というのは初めて聴きましたが、ちょっと変わった感じの曲ですね。彼はショパンやドビュッシーなんかも上手そうです。巻き毛も可愛らしかったし…あ、これは演奏とは関係ありませんね。失礼しました。

明日はいよいよ最終日。オーケストラを聴くつもりです。
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2006年05月05日

ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン2006感想その1

皆様こんばんは。

ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン2006、もう御覧になっていらっしゃるでしょうか。

モーツァルトの音楽を中心にたくさんのコンサートが行われますが、それ以外にも注目なのがこちらの関連イベント。当日券、または半券を持っていれば入れて、講演会、無料コンサートなど盛りだくさんです。私が楽しみにしているのは「マスタークラス」というイベントで、出演者が若手演奏家にレッスンする様子を見学できるというもの。ほとんどのコンサートは完売になってしまいましたが、ホールAには空きがあります。チケットの購入方法はこちら。窓口は大混雑しますので、それ以外のところで買っておいた方がよいでしょう。ホールAは大きすぎてクラシックのコンサートには不向きではないかと思いますが、3000円の入場料と考えて、無料イベントを楽しんでみるのもオススメです。

さて、私は本日5月4日が初日でございました。前売り発売と同時に押さえた最も行きたかったプログラムで、なんと22時45分スタート!

曲目はピアノ三重奏曲第4番変ロ長調、第5番ホ長調です。ボリス・ベレゾフスキーのピアノ、ドミトリ・マフチンのヴァイオリン、アレクサンドル・クニャーゼフのチェロという顔ぶれ。曲目よりは奏者重視で選びました。

このB7という会場は700人も収容するわりには仮設のようで、音が左右に逃げる、あまり嬉しくないホールでしたが、ラッキーにも一番前の真ん中の席が取れ、3人の表情、弓のこすれる音、ブレス(息継ぎ)の音まで、よーく聞こえました。室内楽なので、本当をいうと100人くらいのホールの方が良いんでしょうけど…

3人は期待にたがわず息の合った演奏を聴かせてくれて楽しいひとときでした。会場の大声援に応えて第5番のフィナーレをアンコール演奏してくれました。終電の関係でしょうか、帰らなくちゃいけないお客さんたちは恨めしそうでしたよ…。

今日は夜中からでしたので、他の会場は閉まっていて様子がよくわかりませんでした。昼間の様子は明日(と言ってもまた夜まで聴くので日付をまたいでしまうと思いますが)またレポート致します。
posted by 銀の匙 at 01:54| Comment(2) | TrackBack(0) | 舞台/パフォーマンス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年05月04日

かもめ食堂

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アニメ以外の邦画を見るのは久しぶりでした。近年まれに見る爽やかな作品。舞台はフィンランドなんですが、淡い水彩画のような随筆のようなお話で、とても日本らしいと感じました。

ヘルシンキに開店した和食のお店「かもめ食堂」。オーナーシェフのサチエさんは誰一人来ないお客さんを待つ日々です。お客さんは来ないのに、妙なアニメおたくの地元青年だの、世界地図を指さして行き先を決め、フィンランドにやってきたミドリさんだの、ロストバゲッジで途方にくれたマサコさんだの、おかしな人ばかりが店に現れます。

お店はさっぱり流行りませんが、サチエさんは、誠実に仕事をすればお客さんは来る、と悠然たるもの。テキパキして何でも出来るのに、頑張らず、優しく、どこまでも自然体なサチエさんは素敵な女性で憧れてしまいます…演じている小林聡美さんが凛としていて、現代女性には珍しく、姿勢が良くて所作が美しいせいもあると思いますが。フィンランド語もとても上手に聞こえました。

さまざまな人が出会う中で、お互いが少しずつ穏やかに変わってゆき、なんでもない日常がかけがえのないものになっていく過程を温かく見守っているような気分にさせてくれる映画でした。

舞台になっている「かもめ食堂」(実在のお店がロケ地になっているそうです)はじめ、衣装や内装など随所に見られる北欧デザインと、美しい街並みも見どころの一つ。劇中、かもめ食堂を評して「あなた(サチエさん)にとても似合っている」というセリフがありましたが、ヘルシンキの町も街並み、人、意匠がよく調和しているところで素敵でした。

写真↑はパンフレット。可愛いでしょ?中も写真中心で綺麗な作りです。かもめ食堂のロケ地「カフェ・スオミ」の紹介文になごんでしまいました。

荻上直子監督
恵比寿ガーデンプレイスで見ました。
見やすい席は真ん中より2,3列後ろの列です。
posted by 銀の匙 at 01:43| Comment(2) | TrackBack(1) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする