2006年09月28日

サムサッカー

thumb.jpg

「サムサッカー」見に行かない?と誘った相手に
「いいよ、サッカーものは…」
と軽くいなされてしまいました。違うよ。「フーリガン」じゃないってば。
カタカナタイトルは、あまり短いと考えものです…。そういう問題じゃないかな。

ま、それはさておきです。

お話は驚くほど単純。
17歳の高校生ジャスティンは、いい年して親指しゃぶり(サムサッキング)がやめられない男の子。自分でもやめたいとは思っているものの、不安になるとどうしてもこの癖が出てしまいます。

周りの大人たちからアレコレ注意されたあげく、お節介な歯科医に催眠術で癖を押さえこまれ、逃げ場がなくなったジャスティンは情緒不安定に陥り、抗うつ薬を処方される羽目に陥ります。ところが効き目は抜群で、彼はたちまち優等生に変身するのですが…。

「アルジャーノンに花束を」をもっと現実的にしたような話だなあと思いつつ見ておりました。演出はよく言えば直球勝負、悪くいえばヒネリがなくてそのまんまです。

主人公のジャスティンを演じたルー・ブッチは、大きな青い目、陶器のように白い肌でちょっと女の子みたいな男の子。もともとイライジャ・ウッドがキャスティングされていたと聞いていましたが、確かに感じが似てます。うーむ、アメリカ人が考える「頼りなさそう」「一人前の男としては如何なものか」というのはこういうタイプの人なんでしょうか。よくわかんないけど…。

良い子のはずなんだけど、周りに流されっぱなしで、ティーンエイジャー特有の「どう機嫌を取っていいかわからない」微妙な雰囲気を上手く出していました。お父さんが彼に対していう「やっとおまえに慣れたのに」というセリフがまさにドンピシャです。

彼はこの演技で賞を受けたそうなんですが、あまりにも掴みどころがなくて−−というか、同じような時期もあったはずなのに、感情移入が難しくなるほど自分が年とったってことなんでしょうが−−むしろ、彼の両親の気持ちの方が、実感として胸に迫りました。

ティルダ・スウィントン演じるお母さんは、映画俳優に熱を上げてます。息子であるジャスティンは、それを不倫ギリギリに受け止めている。でもお母さんは日常生活のちょっとしたアクセント(just a fun!)だと言い、大げさに言い立てられることにちょっと憤っています。こういうの、わかるなあ…。別に本当に憧れの人とお近づきになりたいとかいう訳じゃないのにねえ…。親指しゃぶりほど人目にはつかないけど、本当は俳優に熱を上げるなんていうのも、傍目から見れば、大人がおおっぴらにやることじゃないですよね。でも生きてる実感というのは、意外にそういうところにあったりもするもので。

彼女は実際に俳優に会うことになるんですが、現実と虚像を混同したりはしません。「無い答えを期待されている」17歳の少年の母親であることの大変さを語って聞かせるだけです。若者が自分で道を見いだして(または見いだせなくて)終わり、という単線の青春映画が多いなか、じゃ大人というのはどういうものかという点を複線で、愚かさも含めて描いているあたりが良かったです。

もう一つ面白かったのは主人公のジャスティンが所属するディベートクラブの描写。最近、日本でも学校でディベートを取り入れるべきだという話を聞きます。ある一つの事柄について、反対、賛成の立場で意見を述べてみよう、という活動らしいんですが、この映画で見る限りでは、アメリカの高校のディベートはそんな生やさしいものじゃなさそうです。この訓練を積んでいけば、言葉一つで黒を白に言いくるめることも簡単にできちゃいそう。

実際、裁判なんかではそういう局面もありそうですが、あまりに言葉で相手を巧みに操れるようになると周りが拒否反応を示すあたり、アメリカでもやっぱり行き過ぎはダメなんだなあと変な感心をしたりしました。

マイク・ミルズ監督

シネマライズ(渋谷)
地下のスクリーンで見ました。こちらは
数日前から座席を予約できます。GH列の10番あたりが
見やすいようです。
posted by 銀の匙 at 23:42| Comment(0) | TrackBack(3) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年09月19日

X-men Final Decision Xメン ファイナル ディシジョン

アメコミが原作の「Xメン」シリーズ3作目。

シェークスピア俳優、サー・イアン・マッケランは、「なぜこんなアメコミ映画に出演したのか」と聞かれ、「これは虐げられた者たちの物語だからだ」と答えていたと記憶してます。

アメコミにシェークスピア俳優が出たっていいじゃないですか、別に…という反論はおいといても、今回、このテーマはかなり前面に出ていましたね。

超能力をもつミュータントたちと、彼らを怖れる人類との根深い対立は、「キュア」という薬をめぐって頂点に達します。

「キュア」を使えば突然変異体であるミュータントは人間に戻る…。迫害される生活に疲れ、人間社会で暮らしたいミュータントたちはキュアによる「治療」を望みます。

一方で、これはミュータントの根絶だと怒りを露わにする者たちは、実力で「キュア」の製造を阻止しようとします。その一派のリーダーであるマグニートー(イアン・マッケラン)はもはや手段を選ばず、最強のミュータントを仲間に引き入れようとします。それは…。



「私たちは病気なんかじゃない、治療される必要はないのよ」というストーム(ハル・ベリー)の言葉は、そのまま「同性愛は病気だから、治療すれば治る」といった類の、かつての(今も言う人がいるかもしれないけど)の偏見を強く思い起こさせます。

原作からして、人種差別問題などへの暗喩と言われていますが、娯楽大作でここまで正面切ってテーマを出してくるのも珍しいんじゃないでしょうか。
テーマがしっかりしてれば作品が良くなるとは必ずしも言えないけど、そのせいかどうか、主役のヒュー・ジャックマンはじめ、しっかりした演技の出来る良い役者が揃っているので安心して見られます。

特に、舞台俳優の貫禄たっぷりなイアン・マッケランの演技は最高に素晴らしいです。一番最後の公園でのシーン、数分ですが、ゾクゾクするほど良かったので、ぜひご注目ください。しかし…衣装はダサイですね。前作でパシリのパイロにまで「ダサいヘルメット」と指摘されてましたけど、黒の毛糸のセーター(?)の胸のパッチも、70年代ならともかくX-menの時代ではいかがなものか、と思いますが…リバイバルブームなんでしょうか?

ま、固い(え?)話はさておき、サイキック戦争は1、2作目を超えてどんどんエスカレート、そのうち地球ごと壊しちゃうんじゃないかと思わせる、アメコミらしい大げさかつ大ざっぱな展開が実に爽快でございました。

「鶏鳴狗盗」じゃないですけど、こういう超能力モノって、お互いがちょっとずつ持ってる特殊能力をどう組み合わせて使うかってところが意外な見せ場だったりしますよね。今回はラスボス(?)になぜ主役のウルヴァリンが向かっていくのか一瞬わからなかったんですが(ウルヴァリンの超能力はスストームやマグニートー級の凄さという訳ではないので…)思わず「座布団1枚!」と叫びたくなる、上手い設定の使い方でした。

それにしても…黒目がちの◎ー◎って怖いよー!夢でうなされそう。
スコットは騙され(?)ウルヴァリンが気づいたのはやっぱり野生の勘?とか、ミュータント同士でつぶしあってどうするの?
とかクダラナイことをいろいろ考えつつの鑑賞でございました。

今回、字幕の流れが追いづらくてとても疲れました…と思ったらやっぱり。
うーん、どうもこの方の字幕とは相性が悪いみたい。

たとえば、生徒の一人がチャールズ・エグゼビア(ミュータントを集めた学校の校長先生)について話すシーン。

「エグゼビアが家に来てくれたから学校に入る気になった」

というセリフがありました。彼は別のシーンではチャールズとかプロフェッサーとか呼ばれているため、人名をちゃんと把握していない私のような者は「エグゼビアって…学園が来てくれたってことかな…?何かの組織名だったっけ?」と考え込む羽目になります。

生徒が言ってるんだから、「校長先生」とか「プロフェッサー」じゃダメだったのかしら…等々、細かいことなんですけど。何かの伏線だったっけ?とか余計なこと考えちゃうし。

そうそう、エンドロールの最後にちょっとしたオマケがありますので、お見逃しなく。
posted by 銀の匙 at 23:54| Comment(2) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年09月18日

時をかける少女

tokiwo.jpg

評判が良いからってあまり期待すると、後でガックリすることがあるんですけど、この映画はとても良かった。

原作はおろか実写版も見たことないので(「時を〜かける少女♪」って歌くらいは知ってるけど…今回の映画には無かったです)、タイトルからして超能力ものなの??と思ったけど、いちおうSFなので、時をかける能力について、それなりの説明はあります。ただ、こんなことしたら歴史が変わっちゃうけど、パラドックスが起きたらどうするんでしょう。毎回パラレルワールドに飛ばされるってことかしら?

それはさておき、内容は学園ドラマに「ラン・ローラ・ラン」を足したみたいな感じです。

「ラン…」の方は、エピソード同士が互いに影響を与えませんが、「時を…」の方は、時間をずらしたために、事態がだんだん、ヒロインの真琴が思いもかけない方向へ転がっていってしまう。このあたり、とても面白く出来ています。

明るくて大ざっぱで、男の子っぽい真琴が、わんわん泣いてる…。いやー泣きたくもなるでしょう。私も見ながら泣いちゃったもん。男性の監督さんが女の子の気持ちをここまで的確に描けるなんてスゴイ、と感心したら脚本は(たぶん)女性のようです。そうか、だから他のアニメのように女性が嘘っぽくなかったのね。

それにヒロインの真琴を演じた女優さんも素直な演技で、リアルなヒロイン像に一役買ってました。お相手(?)の千昭役の人も上手かったなあ…。

逆に男性陣の描かれ方はどうだったんでしょうね。私の目には少女漫画に出てくる、女の子の理想の男の子たちに見えてしまいました。
うr
しかしこの異常なまでの爽やかさ、「日本以外全部沈没」と同じ、暗黒筒井卿の原作とは到底思えませんな。いや筒井映画が爽やかでは変、と思ってるこちらが暗黒なのか…。

QAXシネマ(渋谷)
で見ました。2日先までの座席指定制です。
地下1階の劇場はGH列の10.11番あたりが
見やすいと思います。
拡大上映になったおかげか、連休中でも空いていました。

以下はネタバレというほどでもないけど、ストーリーの展開に触れてます。

続きを読む
posted by 銀の匙 at 09:48| Comment(2) | TrackBack(1) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年09月09日

9月〜今秋のリマインダー

9月最終週〜今秋のリマインダー
開催中〜秋にかけてのリマインダー。

なお、タイトルなど青字の部分はリンクが貼ってあり、クリックすると関連ページに参ります。

◆映画◆
【上映中】
キンキー・ブーツ
kinky.jpg
オススメです!感想はこちら

シャンテ・シネ(銀座)

トランス・アメリカ
transamerica.jpg
こちらもオススメ。感想はこちら
アミューズCQN

楽日
rakubi.jpg
この監督さんの「愛情萬歳」って作品を見たことがあるんですが、BGMが全くなくて見てる間はまさに拷問。早く終わってくれ!とそればかり祈ってました(^^;)。でも、不思議なことに、10年以上経つ今でも、主人公の女性の身を切るような孤独、ハイヒールの音など、さまざまなシーンを、効果音とともに鮮明に思い出すことができます。今回も拷問シーンは健在らしい(爆)。挑戦してみます?

ツァイ・ミンリャン監督
ユーロスペース(渋谷)

ディア・ピョンヤンほほー北朝鮮実録ものか!と思ったら舞台は大阪。なにわのおっちゃんとその家族を描いた感動作でございます。
dearp.jpg
ヤン・ヨンヒ監督
渋谷シネ・ラ・セット

パトリス・ルコントのドゴラ
dogora.jpg
東京都写真美術館ホール(恵比寿)


ファントマ映画祭2006
fanto.jpg
見ました!オシャレで楽しい映画です。ヒロインのミレーヌ・ドモンジョがカワイイ。
ライズX(渋谷)ほか

日本以外全部沈没
nihon.jpg
はい、オススメでございます。感想はこちら
シネセゾン渋谷 他

【今秋公開】
●9月●

靴に恋する人魚
kutuni.jpg
ビビアン・スー
ダンカン・チョウ

9月9日〜
ロビン・リー監督
新宿武蔵野館

記憶の棘
kiokuno.jpg
またもミュージックビデオ畑出身の監督さんで、絵は問題なさそうだけど、長編としては未知数。ニコール・キッドマンのボーイッシュな髪型が似合ってます。

9月23日〜
ジョナサン・グレイザー監督
シャンテシネ(銀座)
新宿武蔵野館ほか


第三回スペイン・ラテンアメリカ映画祭
latin.jpg
ペルー映画の注目作「マデイヌサ」はじめ11作品を上映。

9月16日〜9月22日
アミューズCQN(渋谷)

サムサッカー
thumb.jpg
今秋の大本命。
もともと主人公にイライジャ・ウッドがキャスティングされているというニュースで知ったのです。「親指しゃぶり」とはまさに彼のために作られるような作品…と思ったのに、当年とって25歳ではさすがに高校生役は無理で降板に。替わりに登板のルー・ブッチ君ですが、イケてない青年役にピッタリで(褒めてるの?)期待がもてそうです。

9月23日〜
マイク・ミルズ監督
シネマライズ(渋谷)

悪魔とダニエル・ジョンストン
akumato.jpg
これは絶対見ると決めてます。
9月30日〜
ライズX(渋谷)

●10月●
マーダーボール
murder.jpg
予告を見た段階では今秋一押しの作品。
車いすでやるバスケットボールを描いた長編ドキュメンタリーなんですが、心温まる人間賛歌ものかと思ったらとんでもない。その車いすっていうのがほとんど凶器。機械が介在する分、衝突のパワーもすさまじくって、まるでサイボーグ戦士の戦いのようなんですよ。予告を見ただけで首が痛くなるほどです。大丈夫か、本編見て?

10月7日〜

渋谷アミューズCQN

百年恋歌
hyakunen.jpg
予告の映像がとても綺麗で、期待している作品。
スー・チーとチャン・チェンの共演も見どころ。
10月〜
ホウ・シャオシェン監督
シネスイッチ銀座

クリムト
klimt.jpg
ラウル・ルイス監督
ル・シネマ(渋谷)ほか全国

メキシコ・ドキュメンタリー映画祭
メキシカンロックを歌って35年、人気バンドtriに取材した「アレックス・ローラ」はじめ、
6本上映。

2006年10月14日〜10月20日
ユーロスペース(渋谷)

Block Party
blockparty.jpg
監督さんのミュージックビデオは好きなんだけど、一作目の「エターナル・サンシャイン」はどうもイマイチでした。この人ならもっとスゴイものが撮れるはず!今作に期待してます。

ミシェル・ゴンドリー監督
渋谷アミューズCQN

トリスタンとイゾルデ
10月21日〜
みゆき座(銀座)他

●11月●

ナチョ・リブレ 覆面の神様11月3日〜
ジャレッド・ヘス監督
テアトルタイムズスクエア(新宿)他

ラピュタ・アニメーションフェスティバル2006
raputaa.jpg
ユーリー・ノルテンシュタイン作品が再上映されるほか、日本の人形アニメーター真賀里文子さんの特集も。

11月12日〜12月9日まで
阿佐ヶ谷ラピュタ

●公開時期未定●
スキャナー・ダークリー
キアヌ・リーブス主演で、何とアニメーション。一体公開はいつ…?
リチャード・リンクレーター監督

◆展覧会◆

ポスト・デジグラフィ
デジタルによる多彩な作品。ブックデザインもあるそうです。

2006年8月12日(土)→2006年10月15日(日)
9月19日(火)は臨時開館

東京都写真美術館(恵比寿)

◆パフォーマンス◆
スタンレーの魔女
stan.jpg
あの名作戦場マンガをスペースノイドが舞台化。どうやって…?
というのに興味があります。

2006年9月22日(金)〜10月1日(日)まで
池袋シアターグリーン

僕の青空
bokuno.jpg
パパ・タラフマラの新作
ザ・スズナリ(下北沢)

HELD
held.jpg
オーストラリアン・ダンス・シアターによる公演。
ヒップポップにのせたアクロバティックなダンスと、
そのスチル映像によるコラボレーション。

2006年9月30日(土)・10月1日(日)
彩の国さいたま芸術劇場


sonar sound tokyo 2006
2006年10月7日(土)・8日(日)
恵比寿 ザ・ガーデンホール

SonarSound Complex
2006年10月9日(月・祝) 
恵比寿 ザ・ガーデンホール

バルセロナで開かれるデジタル音楽の祭典が日本にも。
出演アーティストは以下の通り。

Afra & Incredible Beatbox band
ALTERN8
Ametsub
Andreas Tilliander
Angel Molina
aus
Bajune Tobeta
BOOM BOOM SATELLITES (EXCLUSIVE SET)
DE LA SOUL
Del Palo presenta: GRIFFI + DJ2D2
DIPLO
DJ BAKU
DJ HELL
DJ KENTARO
DJ KRUSH
DoraVideo
eater
Eliot Lipp
Folie
Go Home Productions
Golden ρink λrrow♂
[Aco + Taeji Sawai(a.k.a.portable[k]ommunity) + Tanaka-Kun(Dr)]
Guillamino
Hans Appelqvist
HOME CUT
Maxcence Cyrin
Mental Groove presents Crowdpleaser & St. Plomb
midaircondo (Lisa Nordstrom solo set)
Nobukazu Takemura
Oil Works (Oil Works aka Solal-One & Popy Oil)
Optrum
rei harakami + shiro takatani (dumb type)
Riow Arai + DJ DUCT feat.Nongenetic (Shadow Huntaz)
Romantica
Saikoss (Saiko Tsukamoto & Koss aka Kuniyuki)
SENOR COCONUT and His Orchestra
Shiro The Goodman + MC Jube (Think Tank)
Softpad
Sora + Tomonaga Tokuyama
Takashi Wada
Takeo Toyama (Monophonic Ensemble)
The Firefly Clan (Monophonic Ensemble)
Toshio Iwai
Toshiyuki Yasuda (Monophonic Ensemble)
Tucker
YANN TOMITA + DOOPEES & NAIVES
(ヤン富田、大野由美子、モクレン、スージー・キム、いとうせいこう、高木完、他 PA/ダブ・マスター X)
YUKIHIRO TAKAHASHI with Many Friends
…スゴイッスね。

ダンス・トリエンナーレ〜Border
dancetr.jpg
もっとも旬なダンサーが集まるスゴイ催し。
どのプログラムをみるか、選ぶのに悩む悩む。
どれも1回きりなのでお見逃しなく。

Bプログラム トンミ・キッティ(フィンランド)
Iプログラム 近藤良平 
あたりを見たいものですが…。

青山円形劇場、青山劇場ほか
posted by 銀の匙 at 11:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 催し物 リマインダー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年09月08日

日本以外全部沈没

igai.jpg

小松左京先生渾身の力作、小説「日本沈没」をおちょくるかのように、たった数時間(←1週間と書いてある記事も)で書き上げた上に、本家と同じ年に同じ星雲賞を受賞するという、お茶目な小説が原作で、しかも本家「日本沈没」と同じ年に映画化されてしまうという、どこまでもパロディの王道を行く作品であります。

そのお茶目さが嬉しかったあまり、前売りまで買ってしまいました(↑劇場窓口で購入したので、日本以外全部沈没してるスーパーボールをおまけに貰いました♪)

どうせシャレで作った映画だろうと甘く見ていましたが、夜9時過ぎからのレイトショーだというのに立ち見も出るほどの大入り満員でした。しかも、どうやら通な(オタクとも言う)お客さんが参集したらしく、ウケるところにはウケ、驚くところには驚くと、ノリが半端じゃありません。終わったのが11時なのに、エンドロールが出ても立つ人がいない!これは初めての経験かも…。

さて、お話はというと、説明するまでもなく、日本以外が全部沈没いたします。狭い日本へ、世界中の難民が殺到し、世界イコール日本になってしまう。いつもは卑屈(か、卑屈の裏返しで尊大な)日本人が成り上がる成り上がる。なんて恥ずかしい…と思いつつも、アメリカ大統領をアゴで使ってる様子にちょっと溜飲が下がったりする自分がいたりして、人の心のダークサイドをイヤ〜な感じに突いてくる、毒々筒井ワールドが炸裂します。

きっと予算もそれほど使えなかったんじゃないかと思いますが、本編に劇中劇(?)や劇中音頭(?)などを組み込んで、チープながらも単調にならずに話は進みます。そして途中の驚くべき展開(そうでもない?まさかあの人が×××だったなんて!と私は椅子から落ちそうになるほどビックリしました。何て良いお客さんなんでしょう、自分♪)、最後の、諸行無常+曾根崎心中な展開には、やまと心が十二分に表現されているのではございますまいか。

最近流行のオラが国バンザイが如何にみっともないものか、百万言を費やすよりこの映画を観せた方が早いですね。その意味では、

全日本国民必見

の映画と申せましょう。本家の方は観てないけど、ひょっとしたらこちらの方が面白かったりして…。

シネセゾン(渋谷)で観ました。
ちょうど真ん中あたりの列が見やすいです。
朝から全ての回の整理番号を切符に押しますので、
早めに行ける方は番号を確保しておきましょう。
posted by 銀の匙 at 23:48| Comment(6) | TrackBack(10) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年09月07日

キンキーブーツ

続きましてはイギリス映画。とっても良かったです。

平日の昼だというのに観客に中高年の男性が多くて驚きました。「プロジェクトX」か何かと勘違いして見にいらしたのでしょうか??それとも銀座だから?男性に是非御覧頂きたい映画なので良い傾向だと思いますが…。連日大入り満員で入れず、私も2度目の挑戦でございました。

ま、あらすじ的には傾きかけた工場を、跡取り息子がアイデア勝負で再生する話なので、そちらのニーズもあるかとは思いますけど、要は21世紀に男はどう生きるのか、という話なんでしょうかね(えらい強引なまとめだ)。

すでに婚約者の尻に敷かれてるらしい、ヘタレな英国青年チャーリー。演じたジョエル・エドガートンはホントに英国の田舎に行ったらその辺にいそうな感じの人なんですが、「キング・アーサー」で浮浪者みたいなガウェイン役をやった人とはまるで気づきませなんだ。しかもオーストラリアの方だそうで、さすが役者さんはスゴイ。

彼が朝ご飯をトレーに載せて持ってくるシーンには目が釘付けでした。あの薄いトーストがおいしそう〜!毎食朝ご飯でもいい、と言わせるイングリッシュ・ブレックファーストの面目躍如のシーンでございました。

さて、それはさておき、父の急死で田舎の靴工場を継ぐことになり、慣れない社長役に収まるものの、売れない在庫を抱え、工場はすでに廃業の危機。

バレエダンサーを目指す少年の物語「リトル・ダンサー」にもちょっと出てきましたけど、男の子ならこうあるべき、という父親からのプレッシャーって、男性にとっては結構辛いものなのでしょうか。しかも子供への愛ゆえに、というのがわかるだけに、なおさら大変そう。同じ仕事をしようものなら、父を超えるのは容易ではなさそうです。

しかしチャーリーの場合、人助けが幸いして、工場再生のチャンスをつかみます。それは腕利きの職人を抱える彼の工場だからこそ出来ること、つまり、男性でも履ける、セクシーなブーツを作ることでした。

…ってあらすじはどこまでも「プロジェクトX」風なんですが、そこはイギリス映画。靴のデザインを担当する、女装の麗人・ローラのパワフルな歌と存在感が全編を彩り、楽しいミュージカル仕立てになってます。はじけた衣装やショーのシーンと、いかにもイギリスが舞台らしい、少し暗めの色調の美しい風景とのコントラストも印象に残ります。

控えめな存在ではありましたが、工場の従業員ローレンを演じたサラ=ジェーン・ボッツは自然体で、同じく田舎のあか抜けない女性の感じがものすごーく良く出ていました。

最後は成功して終わるとわかっていながら、やっぱりハラハラさせられる演出も上手かったです。

終わった後で、「これが面白かったら「フル・モンティ」も見たらいいよ」という会話があちこちで交わされてました。いいや別にハートフルな映画なんて…と公開当時ヒネクレていた私は見に行きませんでしたが、この際、見てみようかな。

シャンテ・シネ(銀座)で見ました。
この劇場は、水曜のレディース・デーの他、木曜には会員割引があります。そのせいか、土・日・水に加え木も混んでいます(TT)。
席は3日前から予約可能。つまり、土・日・水・木の当日行っても希望の回に入れないことも。事前に混雑状況をご確認ください。

席はH、I列の真ん中あたりが良さそうです。
posted by 銀の匙 at 22:18| Comment(0) | TrackBack(2) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年09月06日

トランスアメリカ

transamerica.jpg

性同一性障害のブリーは、性転換手術を間近に控えて喜びいっぱい。そんな彼女の元へ、存在さえ知らなかった息子が収監されているとの連絡が…。

まだ見ぬ父を心の支えにしているトビーの前で、実の父親とは名乗りだせないブリー。まあ大抵、こういうことって長くは隠して置けないんですよね。良かれと思って黙っていたのに、結局、ひどく傷つける結果になってしまいます。さあ、ふたりはどうなる…?

ニューヨークからロサンジェルスまでアメリカを横断するロードムービーなんですが、途中のエピソードがちょっと弱いのが難点でしょうか。しかし、特別なことが起こらない分、道路沿いのダイナーや普通の人の家の中、若者にマナーをきちんと教える大人たちの存在などなどを通して、ごく普通のアメリカ人やアメリカの生活の雰囲気が伝わってきます。金持ちのユダヤ人より先住民がルーツな方がカッコイイように思っているらしいのも、今のアメリカっぽいなあという感じがします。

ごくごく普通の日本…と一般化するのが難しいように、あるいはそれ以上に、ごくごく普通のアメリカっていうのはとらえどころがないけれど、例えば、気取ったレストランでハンバーガーが出てきちゃたりするとか、というのは如何にも外国人が想像するアメリカっぽいですが、その一方で、未成年にはお酒を出さないとか、ポテトを手でつまんで食べたりしないでフォークで食べるように注意したりとか、言葉遣いを直させたりする大人がちゃんといるのも、アメリカらしいと感じます。

TVドラマなんかを見てると、よく“Language!(汚い言葉は使わないの!)”って注意されてる人いますよね。この映画でもこのセリフが出てきます。なんでも“〜like”(字幕では「つーか」って訳していた)って言っちゃうのを注意されたりね。そういや昔は何でも“basicly(基本的には)”って言う人がいて注意されてたなー。今でもこの言葉はよく使うのかしら?

言葉遣い一つとってもそうですけど、まだまだアメリカの「清教徒」な部分は健在だなと感じました。それだけ締め付けが厳しいので、反動も大きいのでしょうか。「自由の国」といえども、既存の価値観からはみ出すことは、日本で想像する以上に難しいようです。

さて、映画のいちばんの見どころはブリー役の女優、フェリシティ・ハフマンの名演でしょう。心は女性ながら身体は男性という難役をとても見事にこなしています。一人の人間として、とても素敵で魅力的です(何となく青池保子のマンガに出てくる人に顔が似てる…つーか、顔が長いだけか)。

途中、いきなり「指輪物語」の話が出てくるんでビックリしちゃいましたよ(ちょっとトビー君、その解釈はどうなの???)。もちろんPJ映画の話なんでしょうけど、70年代から若者に連綿と支持されてきたというアメリカでの「指輪物語」の伝統につながってる感じがしました。あ、そうそうトビー君、ついでに言っときますけど、髪を金髪に染めるなら、眉も染めた方がいいんじゃない?私は元の黒髪の方が好きだけど♪

公式HPはこちら

アミューズCQN(渋谷)で見ました。
今のところ、一番小さいスクリーン。
水曜日は立ち見が出ています。
一番見やすい席は、席に段差ができるDEFGの3、4番あたり。
スクリーンが向かって左側にちょっと偏っているので、
真ん真ん中より少し左側の席の方が見やすいです。
全席指定。当日窓口で受け付けます。
posted by 銀の匙 at 23:53| Comment(0) | TrackBack(1) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする