2006年12月31日

Jump

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本年最後のエントリーは、少し前になりますが、プレビュー公演で見せて頂いた舞台「Jump」をば。

こちらは2007年5月18日から行われる予定の、韓国から来たパフォーマンス。見てすぐ連想するのは、ジャッキー・チェンの一連のコミカルな映画です。

武術の達人のおじいちゃん、お母ちゃん、お父ちゃん、お兄ちゃん、お姉ちゃん…の併せて無慮数十段の武術ファミリーに巻き起こるドタバタ騒動を演武を交えて見せてくれるもので、最初のうちはちょっとギャグが滑ってるかな?と思ったけど、10分もすると完全に演出のペースにはまってしまいます。とにかく笑える!

セリフはあんまりないんですけど、肝心なところが日本語になってて、それがまた笑えるんですよね。こりゃ、世界中どこでやってもウケそうです。

笑えるだけじゃなく、このチームで新体操やったら金メダルとれるのでは?と思うくらい出演者全員の身体能力も高いので、その面でも十分楽しめます。

大声で笑ったり、舞台に上がったり、賑やかに過ごせそうなので、ご家族全員で楽しめそうなところもいいですね。オススメです!

新宿シアターアプルで見ました。
こちらの紹介が詳しいです。

それでは、来年も楽しく笑える良い年になりますように!
posted by 銀の匙 at 20:51| Comment(2) | TrackBack(0) | 舞台/パフォーマンス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年12月29日

スキャナー・ダークリー

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フィリップ・K・ディックがアメリカ現代小説最高の作家だというのは、SFびいきの世迷い言じゃないし、ましてや物質Dのせいでもない…と、本編を見終わったあと強く主張するものであります。

この映画は私がこれまでに見た怖い映画の中でも(といっても、ホラー映画はほとんど見ないんですが)ダントツに怖い映画でした。怖い化け物が出てくるとか、殺人事件が起こるとか、そういう話じゃないにも関わらず、じわじわと怖いのです。どんなホラーよりも怖いのです。自分の気がついていなかった自分の病気が、他人の症状を見たとたんに末期だとわかる、というたぐいの怖さなんですよ…。

この映画が面白かったのは、原作のおかげが7割、主演のキアヌ・リーブスのおかげが1割、トム・ヨークの音楽が1割、その他1割、という配分かと思われます。

麻薬のおとり捜査官が、自分で自分を監視する羽目になる話、とかいつまんでしまうと、だから何だといなされてしまいそうですが、そこはそれ、ディックの作品ですから、深読み浅読み何でもOKなのであります。

これまでに映画化された作品に比べると、今回はSF的な要素は少なく、しかも自身の経験が元になっているそうなので、まずはベタに麻薬の怖さを描いた作品とも受け取れます。自分が誰だか自分にすらわからない、というのはディックお得意のパターンですが、麻薬が原因というシチュエーションにはそれなりのリアリティがあります。

しかし、キアヌ・リーブス演じるアークター捜査官がどんどん自分を見失っていくにつれ、麻薬中毒とは特に縁のない人でもじわじわと身につまされる気持ちになってくるので、あまりダウナーな時に見るのは良くないかもしれません。

セリフに「addicted」(中毒する・常用する)っていうのがしょっちゅう出てくるんですけど、ヤク中じゃないにしろ、普通に生活していてこの映画と似た羽目に陥る人って多いのではないでしょうか。そしていよいよになると、上司からあんなセリフを吐かれてみたりね。

悲劇にもいろいろありますけど、あまりにも身近で、しかも降りかかってきているのになぜか見透かすことができない悲劇。過労死寸前のご家族、お友達にぜひ見せてあげてください。

彼の行為は、最後に何か実を結びそうな予感を遺し、それが救いのような気がするものの、実際にはまるで当然のチェスの駒みたいに軽くあしらわれている。そのあたりも、実によくあるイヤなパターンで、だからこそ、ディックは現実にない世界を書きながら、この上もなく現代社会を描いている作家だと思うのです。

さて、肝心の映像の方はというと、実写から絵に起こす手の込んだアニメーションで作られているんですが、絵がバラバラで「自分を見失ってる」というより、観客が同じキャラと認識できない(笑)シーンがあるのはストーリーの進行上問題じゃないでしょうか。同様に、それを着ると次々違う人物が表面に投影されて本人を特定できなくするという、捜査官が必ず着用しなければならない「スクランブル・スーツ」というのが重要な小道具なのに、着てない人も着てるように見えちゃうのはどうなんでしょうか…(爆

映画には関係ありませんが、邦題の「暗闇のスキャナー」、以前からナゾでした。原タイトルの「darkly」は副詞で、「ひそかに」(clearly 明確に、の対)の意味で、特に暗黒とか、暗闇とかには関係ない気がするんですが、
なんかそんな描写があるんでしたっけ?確かに麻薬社会は暗いけどね…。

公式サイトはこちら、ですが、見せたくないんじゃないかと思うほどサイトが開くまで時間がかかり、文字も読みづらくってイライラしました。最近の映画公式サイトはこの手のが多いですが、上映館情報を見たいときなど鬱陶しいので、なんとかして頂きたいです。え、おまえんちが光ファイバーにしろって?うーん…。

リチャード・リンクレーター監督
シネセゾン(渋谷)で見ました。
真ん中よりも、やや後ろ目の列の方が見やすいと思います。ネタバレOKな方はクリック
posted by 銀の匙 at 23:49| Comment(0) | TrackBack(2) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年12月28日

新春のリマインダー

皆様本年のエンターテインメント運はいかがでしたか?
来る年も素晴らしい作品に出会えますように…

前回アップした作品はこちら
青字の部分は、公式サイトなどにリンクしています。

ゲゲゲの鬼太郎gegege.jpg

いきなり濃いので失礼します。
鬼太郎がウエンツ瑛士かよ、をい!というのは置いとくとしても
大泉洋=ねずみ男というキャスティングはいかがなものか!!
(↑まだ人間になれないのね…泣)
前売りのおまけ、目玉おやじストラップにはちょっとよろめきそうな今日この頃です。

本木克英監督
2007年ゴールデンウィーク
全国ロードショー

市川崑物語
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岩井俊二監督
上映中
新宿ガーデンシネマ

墨攻
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アンディ・ラウ
アン・ソンギ
ジェイコブ・チャン監督
2007年新春第二弾
丸の内ピカデリーほか

フィレーネのキライなこと
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予告を見た限りでは、「アリーmy love」の三番煎じくらいなイメージでしたが、なにせマックス役のミヒル・ハウスマンの巻き毛がステキで…。という個人的理由により見るかもしれません。
ロバート・ヤン・ウェストダイク監督
2007年1月27日〜
シネセゾン渋谷

東南アジアの風
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2月3日、4日、10日、11日の4日間、
計八本が上映されます。私の注目は
10日のリーノ・ブロッカ監督「インシアン」かな。
会場はちょっと行きづらいですが…。

川崎市市民ミュージアム

ピンチクリフ・グランプリ
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1975年のノルウェー版チキチキマシン・猛レースといった案配の
人形アニメ。
日本語吹き替え版がまた凄い!
八奈見乗児、野沢雅子、滝口順平…ほーら見たくなってきたでしょ?

2月3日〜
シアターN渋谷
順次、全国で公開。

Czech Art Animation World
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チェコの2Dアニメ ベストセレクション
なんでわざわざ2Dとうたってるのかと思えば、チェコは人形アニメが盛んだからということみたい。パレチェック、チャペックほかアートアニメ満載。

2月24日〜アップリンクX(渋谷)

サン・ジャックへの道
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サンティアゴ・コンポステーラへ巡礼に向かう、仲悪三兄弟+いろいろのロードムービー。
コリーヌ・セロー監督
2007年春
シネスイッチ銀座

蟲師(むしし)
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予告を見ましたが………びみょー。

大友克洋監督
2007年3月〜
全国ロードショー

素粒子
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オスカ・レーラー監督
2007年3月〜
ユーロスペース(渋谷)

ルネッサンス
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予告の映像のあまりの素晴らしさに眼が釘付け。しかし、予告が一番いいシーンという危険もありそうな作品。これは賭です。
2007年夏休み
シネセゾン渋谷
吉祥寺バウスシアター

マリー・アントワネット
ソフィア・コッポラ監督
posted by 銀の匙 at 23:53| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年12月24日

鉄コン筋クリート

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昭和30年代に九龍城とインドが引っ越してきたような町・宝町。ここに突然、再開発プロジェクトが湧いてきます。利権に群がる怪しげな連中は、実質的に町を仕切っている二人の少年、シロとクロを始末しようとしますが…。

「鉄筋コンクリートにはいろんな匂いがある」という純粋無垢なシロと、シロを守ろうとするクロ。純真さゆえに二人の暴力には容赦がなく、そしてその暴力によって二人はとことん追いつめられていきます。ついにはシロまで取り上げられて、果てしない絶望の淵に追いやられるクロの魂の描写のすさまじいこと。

終わったあと立ち上がれないほど感動していたので、そんなにいい話だった?と聞かれたんだけど、ストーリーにというよりは、感情をそのまま絵にすることを可能にした、アニメーション表現の凄さに魂を抜かれたようになってしまいました。

よく「言葉に出来ない」っていうけど、「絵にできない」ものもありますよね。この映画はそれを絵にして観客に見せてくれたんだと思います。技術や小手先の演出ではできない、志の高さを堪能しました。

声の出演者も素晴らしかったです。特にシロ訳の蒼井優さん、どんな方かは存じませんが、この声あってのシロでした。

公式ページはこちら

マイケル・アリアス監督

渋谷東急で見ました。
1週間前から座席が指定できます。
スクリーンが少し低い位置にあるので、ど真ん中のG・H列よりもE・F列くらいがいいかもしれません。
posted by 銀の匙 at 23:19| Comment(2) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年12月16日

12月後半〜新春のリマインダー

仕事が忙しくてさっぱり更新できませんでした。
専修大学で上映された中国のドキュメンタリーとか、面白そうだったんですが…お知らせはこちら

再上映してくださると、嬉しいな…。

さて、気を取り直して参りましょう。12月後半から新春のリマインダー。
青字の部分は公式サイトなど関連サイトにリンクしています。
前回のアップ分はこちら

【映画】
市川崑物語
市川監督といえば「銀河鉄道999」の世代なので懐かしく…。

上映中
新宿ガーデンシネマ

スロッピング・グリッスルの過去と現在−インダストリアルミュージック再考
アップリンク・ファクトリー(渋谷)

リトル・ミス・サンシャイン
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12月23日〜
シネ・クイント(渋谷)

合唱ができるまで
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12月23日〜
ユーロスペース(渋谷)

シネマ カーテンコール2006
12月24,25日はブロークバック・マウンテンとブロークン・フラワーズの上映があります。2大ブローク(?)をお見逃しなく。

そのほかにも「亀も空を飛ぶ」「トリスタンとイゾルデ」「王と鳥」「プルートで朝食を」などの必見プログラムも。オススメです!
池袋文芸座

シルバー假面
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実相寺昭雄監督
ユーロスペース(渋谷)

《今後公開》
炬燵猫
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小川王子監督
渋谷シネ・ラ・セット

秒速5センチメートル
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新海誠監督の静かなアニメション。
シネマライズ(渋谷)

キャプテントキオ
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渡辺一志監督
シネマGAGA(渋谷)
シネ・リーブル池袋
posted by 銀の匙 at 21:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年12月14日

タムくんアニメ

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どんな催しかも全く知らないまま(そして、この作品のことも全く知らないまま)、ユーロスペースに置いてあったチラシ↑を見て、面白そうだったのでチケットを買いました。

ライブということだったので、ゲストが来るのかな〜?と思ったら、なんと作者本人が自作のアニメに合わせてキーボードを演奏するというものでした。

このちばてつやみたいなほのぼのした線画がほのぼの動くアニメーション。しかし会場を和ませたのはどっちかというとアニメより御本人様のキャラ。いまはタイに帰国したそうですが、以前は日本にも滞在していたそうで、流暢すぎるナゾの日本語トークで会場を沸かせました。しかもニッコリ笑うととっても可愛い…あーいやいや、そんな話をしてたんじゃないですね。

彼の作るアニメにはセリフがなくて、キーボードによる伴奏が感情を伝えます。どうも彼は大変面倒くさがりな人らしく(というか、自分で何でもできる人らしく)、周りの人にアレコレ頼んでいるうちに面倒になって、「あー自分でできるじゃん」(←本人談)と、音楽からパソコンからアテレコから、何でも自分でやり始めたのだそうです。絵をパソコンに取り込むところまでは良かったものの、音楽の取り込み方が分からず、ライブ演奏を始めるようになったのだとか。ちょっとフランス6人組っぽい(?)ピアノの音で超好み。

今回は、彼のDVDのプロモーション(←リンク先で音楽つきの動画も見られます)を兼ねていたようで、DVD収録作品を作者自らの生演奏で通しで見せてくれました。なかでも、

運転中に見えるいろいろな景色が、人の表情に見えてくる、という「車」

暑い部屋に帰ってクーラーをつけ、やれやれとほっとしていると、テレビに謎の女が現れ、スイッチを切っていくというちょっと恐い作品「電気」

そして、ある部屋で育った男の一生をシンプルな表現に凝縮し、見る者の心を掴む第一作「部屋」

が面白かったです。

一見した感じは無国籍風というか、むしろ日本の作品なのかと錯覚しそうですが、「生病老死」を扱ったストーリーやかなりグロテスクな描写もあり、そんなところに仏教とムエタイが併存してるタイっぽさがあるのかと思ったりしました。

ついでに特典映像まで見せてくれちゃったのですが、これが傑作。「トイレライブ」という作品で、アニメの脇に本人による日本語アテレコの光景が小さく映っており、それがおかしくておかしくて、オナカ痛くなるほど笑いました。

100人以上入れる劇場なのに整理番号100番以降は立ち見というアナウンスがあり不思議に思っていたところ、後方の席には関係者がわんさと陣取っていて、終了後のロビーはギョーカイの新年賀詞交換会みたいなありさまでした。負けるなタムくん。自作の「歌手」みたいなことにならないように、にわかファンはそっと応援しています。
posted by 銀の匙 at 22:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年12月03日

パプリカ

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「日本以外全部沈没」「時をかける少女」ときて、本作で今年の筒井康隆原作作品をコンプリートしてしまいました。別にスタンプラリーしていた訳じゃないんですが…。

他人の夢に入り込める機械・DCミニでサイコセラピーを行っている謎の女・パプリカ。そのDCミニが盗まれて、夢と夢が混線し、夢と現実の世界の境界が崩壊を始めます。いったい誰の仕業なのか、何が目的なのか。

と、いうナゾは実はどうでも良く、ストーリーにはどうも食い足りないところが残ります。パプリカのセラピーを受けている刑事の夢のフラッシュバックはありきたりだし、DCミニを巡る話もすぐに先が読めちゃうし。

ですから、パプリカの中から実体が出てくるシーンとか、足が樹木に変わっていくメタモルフォーゼのシーンとか、アニメーションならではの表現を楽しむ作品といったところでしょうか。悪夢の怖さが伝わってこないのは残念ですが(実写「悪夢探偵」の予告の方がよっぽど恐かった…)タイトル部分のアニメは秀逸ですし、音楽も面白いです。

目覚める直前に見てた夢って時間がたつとすぐ忘れちゃうのが惜しくて、録画出来たらいいのにと思っていたので、あのワラビみたいなDCミニにとても惹かれました。

結末は、ある意味、男の見果てぬ夢なのかなあと、思わず苦笑しちゃったのでありました。

主人公のパプリカの声の演技はどうも私には今ひとつでした。
ちなみに、本作品でいちばんのいお気に入りは二人のバーテンダー。と思ったら、声の出演は原作者と監督さんだったんですね。この二人を見るだけで和みます!

作品公式サイトはこちら。サイトを開くと流れる主題曲が中毒になるんですよね〜。

今敏 監督

池袋テアトルダイヤで見ました。
日曜の夕方でしたが、それほど混んでいませんでした。
あまり見づらい席がなさそうな席の配置なのは良いのですが、
音があんまり良くないです。耳に蓋をされてるような感じがします。
気のせい…?
posted by 銀の匙 at 23:03| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする