
今回も書き終わるまで時間がかかってしまいました。最近、パソコンばっかりやってて…と怒られておりまして、しかも書くのが遅いのでなかなかキビシうございます。何度か覗きに来て下さった方、すみません…。
さて、開催からちょっと時間が経ってしまいましたが、「アート・オブ・トイピアノ」(記事はこちら)のマーガレット・レン・タンさんが来日し、ライブをするというので出かけて参りました。
まずは上映館のアップリンクXでのイベント。
狭い会場に立ち見でぎゅうぎゅうになるほど詰めかけた観客の前に、レン・タンさんが登場しました。
かわいいチャイニーズガール風の衣装を着て、小さいシンバルを鳴らしながらの登場です(後でプログラムを見てわかりましたが、これもトイシンバル用のちゃんとした楽曲で、ジョン・ケネディ作の「Fanfare」でした。
容姿もしゃべり方も映画そのまま…ってドキュメンタリーだから当たり前か(^^ゞ。
ご本人によるちょっとした説明のあと、さっそく演奏が始まります。
長身の彼女が膝を折って、小さなトイピアノに向かうところは何か辛そう。
と思うと、いきなり可愛らしい「ミラベラ」という曲から演奏が始まりました。
映画でも使われていた曲で、タランチュラの毒を消すために踊られた舞踊の曲だとか(こ、怖いよー!)。
使われているトイピアノはショーエンハット社製のもの。この曲は茶色のアップライト型を使っていました。楽譜も切り貼りしたちっちゃなもので、とても可愛いです。
他にもビートルズの「Eleanor Rigby」などが演奏されました。
その後、「アート・オブ…」の上映に引き続き、映画中で「リタニア」の作曲家として登場した佐藤聡明さんとのトークショー。マーガレットさんが舞踏家のEiko&Komaさんと北米で行った「Mourning」という舞台の話とか、興味深い内容でした。こちらは巡回公演があるようです。
面白かったのは、マーガレットさんが日本ではなぜそんなにジョン・ケージが尊敬されてるのか?と質問したのに対し、佐藤さんが日本人はジョン・ケージなんか聞かない、と答えていたことです(マーガレットさんは、えっ、京都賞も取ってるのに?と驚いてたけど)。
確かに「4分33秒」は有名だけど、他の曲って聴く機会あまりないし、稀に機会があっても、要するにコンセプトだけの音楽で全然面白くないと思ってました(このドキュメンタリーで良い演奏を聴くまでは…)。アメリカでも状況は似たようなもので、彼女の演奏を聴いてジョン・ケージが好きになったと、観客から言われたことがあるそうです。
マーガレットさんに、どんどん質問してくださいね、と言われたにもかかわらず、最初は一つも出なかった質問ですが、ショーが終わる頃には皆の緊張も解けたのか、時間が過ぎても次々質問が出ていました。
作曲はしないの?という質問には、いつかはするかもと答えていましたが、ピアニストを作曲者と観客の橋渡し、通訳のようなものと捉えているところが興味深く思いました。時には共同制作、また編曲にも携わっておられるようですが、そういった表現者としての役割には触れていらっしゃらなかったようです。
その後はサイン会。しっかり並んでサインしてもらいました。後ろの人に悪いなーと思いつつも、ちょっとお話させてもらいっちゃいました♪
さて、次の日はタワーレコード渋谷店でインストアイベントがありました。
こっちにも出かけて見たところ、無料だというのに曲数もアップリンクの時より多かったです。この日居合わせた人は大ラッキー☆でしたね。
こちらも「Fanfare」から始まり、
Mirabella
Eleanor Rigby
Chooks(エリック・グリズウォルド作曲)
Bicycle Lee Hooker(同上)
Dinky Toys(アントニオ・ピンホー・ヴァルガス作曲)
Modern Love Waltz(フィリップ・グラス作曲)
Satie Blues(トビー・トワイニング作曲)
Chooksは、ウッドブロックを叩きながらトイピアノを弾くという、高度にして愉快な作品。Bicycle…になると、自転車のベルを鳴らしながら脇の下に挟んだ自転車のホーンを鳴らし、トイピアノを弾くという、軽業みたいなパフォーマンスです。
グラスの曲はトイピアノ2台を使うもので、この楽器の魅力が良く出ていると思います。
トビー・トワイニングの作品は、グランドピアノとトイピアノを使ったサティー風のメランコリックな曲。映画では印象的な演劇のシーンで使われていた曲だと思います。トイピアノは、要は金属棒をハンマーで叩いた音なので(…)正直、グランドピアノの深い音色を聴いたときは、ちょっとホッとしました。
とはいえ。トイピアノは言うなればベルリラ(ってご存じですか?)とか鉄琴の親戚のようなもので、仕組みもとっても簡単です。しかし、トイピアノと鉄琴には、素人でもわかる、はっきりした違いがあります。
それは鍵盤を押したときの音。
ピアニストであれば、かなりの力で弾きますから、木製の鍵盤なら大きな音がカタカタ鳴ります。それがとてもいいんですね…。
今、YMOの「ライディーン」の新バージョンが流れていますが、あれってトイピアノ使ってません?だのに鍵盤の音がしないのは(私に聞こえないだけかも)、ちょっと寂しいです。
今回のイベント、通訳の方がきちんと訳されててとても良かったです。いつもこういう風だといいのにね。
2007年3月16日(アップリンクX)
2007年3月17日(タワーレコード渋谷店)


