2013年01月25日

The Hobbit 思いがけない冒険:思いっきりネタバレ その4

皆さま、こんにちは。
ラダガストの呪文(アレ呪文って言うのかな)が効いたのか、クモ状態からやや復活。ワーグ程度には走れるように…(ってそれは復活しすぎ)。まだふらふらするので、来週あたりになったら、せっかくスクリプトも見られるようになったことだし確認がてら『ホビット』もう1回見とくか〜と思ったら、がーーん!!もうIMAXではやってないじゃないですか。こりゃ急がないともう1回見るのも難しくなるかも…

ということで、スクリプトをボチボチ読んでいくと、なかなか面白いことが分かります。スクリプトはこちら↓
http://www.theonering.net/torwp/2013/01/11/68297-a-fan-transcript-of-the-hobbit-an-unexpected-journey/

ドワーフたちが押しかけてきて、家じゅうひっちゃかめっちゃかになるシーン、ドワーフのキーリが靴の泥を木箱の角でゴシゴシ落としはじめると、ビルボが叫びます。

それは母のglory boxなんだ。お願いだからやめてくれませんか。

は? Glory box?

聞き慣れない単語だなー、字幕では「形見の箱」とかになってたっけか?と思いながら辞書を引くと、「嫁入り時に持参する品を入れた箱」といったような語釈が書いてあります。ビルボのお母さんは代々ホビット庄のセインまあ、ざっくり言っていちばん偉い人)を出す、セレブな家柄なのできっと中味も豪華だったことでしょう。っというのは置いといて、語釈の先を見ると、

「Au/NZ」

になっている。うーん、どうもこれはニュージーランド(とオーストラリア)英語らしい。脚本の人がうっかり使っちゃったのかしら。とりあえず原作には出てこないけど…(それ以外の地域の人が使わないという訳じゃないと思うし、それに、古い言い回しが海外に残るというのはよくある話だから、古いイギリスの単語って可能性は排除できませんが…)

この辺のニュアンスはガイジン(笑)の私にはわかりませんが、ビルボがうっかり「これは亡き母が大事にしていた飴ちゃん…」と言ってしまった程度のニュアンスでしょうか…(そうかな?)

と、妙な発見をしつつ、この近辺はビルボが相手に遠慮してる言い回しがいろいろ出てくるのが面白いです。
ずけずけ言うつもりはないんですけどとか、いちおう礼儀は忘れてないらしい。

ドワーフにしてみれば、いくら大旦那だろうがビルボなんて小僧っ子なので、

laddie(若いの)

とか呼んでる(ドワーフって寿命250年くらい?)。ちなみにバーリンはトーリンにladdieって言ってるけど…。

ガンダルフは合いの手みたいに、my dear fellowってビルボに言ってますね(私の耳にはマイディアフェラって聞こえる)。さすがにフロドと違ってビルボにboy扱いは憚られたんでしょうか…。

ガンダルフはドワーフたちに対して、ちゃんとひとりひとり、名前を呼んで話しかけます。それに対してビルボは、ほとんどドワーフの名前を呼びませんね。だから、観客の私たちもさっぱりドワーフの名前が覚えられないし、ビルボがドワーフと親しくなった印象も受けません。これが2部以降変わるか、ちょっと見ものですが…。

それにしても、「まだ現役だったとは」ってビルボに言われちゃうガンダルフ、青の魔法使いの名前は忘れちゃったけど(同僚の名前を忘れるか?)、ドワーフの名前とか、ホビットの名前とか(メリー、ピピンやサムなんて、叱るときの用意のためか、フルネームで把握されてるもんね)、本当によく覚えてるなといつも感心してしまいます(引率の先生役には必須の特技)。

この時点で6000年(?)生きてたガンダルフにとって、ドワーフやホビットなんて、人間の目の前を横切る蛾ぐらいの命しかないものなのでしょうに…。

このシリーズの中でさえ、子どものビルボが大人になり、いい年したおじさんになり、年老いていくのを見ている。ときどき、ガンダルフの、はかないものを慈しむようなまなざしにはっとすることがあります。一体、どんな思いで彼らを見ているのだろうかと…サー・イアン・マッケランの演技は本当に素晴らしいですね。

と、しんみりしちゃいましたが、ドワーフの数を勘定したガンダルフが言います。

We appear to be one dwalf short.
最初、このセリフを聞いたときはギャグなのか?と思ったけど、違うんですか…?

ともかく、ドワーフの数が13というのは思わせぶりな数字で、何か理由があるんだろう(そして、その説明を見たことあるような気がする)けど、秘密主義のドワーフが仲間にホビットを一人加えたのは、とりあえず13という不吉な数字を避けるためだったみたいですね。(追記:原作を読み返してみたら、ビルボのバーグラ―としての能力を疑うドワーフたちにガンダルフが怒って、脅し文句として言ってました。そんなら不吉な13人で出かける羽目になるぞ的な…)

ドワーフの名前が『巫女の予言』から取られているというのは、あちこちに出ている話ですが、原作者のトールキン教授は、ただ単に古い神話から名前や設定を借りてきたという訳じゃなくて、そこには英語の古層に寄せる思いがあったのでしょう。
http://en.wikipedia.org/wiki/Norse_Dwarves
ということで、そのあたりの考察は(映画には出てこないので)研究者の皆様にお任せするとして、先へ行きましょう。

いきなり袋小路屋敷の入口に現れる、オーラばりばりのドワーフ王子、トーリン。原作では見るからにVIPそうなドワーフということで、あいさつもしない嫌な奴らしい(嫌な奴とは書いてませんが、どうもそういうニュアンスを感じる)。

映画だと、エレボール陥落のあと、人間世界で鍛冶屋をやったりして糊口をしのいだらしい。そんな尊大な人物が人間に使われる身とは、どれほどの屈辱でしょうか。

王子と鍛冶屋。どっかで聞いた組み合わせだけど―あ、バリアンは騎士だけど王子じゃないか。『キングダム・オブ・ヘブン』はとてもいい映画だった(特にディレクターズ・カット版は)と思ったのに、何であまり評価されてないんでしょうか。戦闘シーンやなんかが『指輪』を思い出させたせいかしら。ま、次行きましょう、次。

で、そんなエラそうな人が出てきても、位負けしてないのがビルボの偉いところなんですが、特技はあるかって聞かれて、「コンカーズ」って言ってましたね。

字幕ではわかりやすくするためか、「トチノ実割り」になっていたと思いますが、イギリスの子どもの遊びでconkersというのがあるらしい。
こんな遊びです。(HP)

ホタル狩りにコンカーズ。セレブな割に遊びは庶民派なのね、ビルボ。そんな彼をついイジリたくなってしまうドワーフの心境はよくわかる…。

ここで、またスマウグの話が出てきますが、

Smaug the terrible
「恐怖のスマウグ」と呼ばれてましたね。ザ・ジャイアントと、いえばアンドレ(古いな私も)、ザ・テリブルといえば当然、

イワン雷帝(Ivan the terrible)

が連想されるんですが、他のものにも使うんですねー。ちなみに、なんとかザ・○○というのは、日本語でさくっと○○王××と訳されてることが多いですが、結構面白いのがありますよね。リチャード獅子心王とか、ウィリアム征服王とか。

名訳だと思うのは、
エゼルレッド無策王(Ethelred the Unready)
無策かよ…(ま、無思慮王よりはマシ)

『ホビット』の中では、「穢れの王・アゾグ」もカッコいい訳だなぁと思いました。ただ、pale oakが鉛色っていうのがよくわからなかったんだけど…あの人、鉛色っていうより水色でしたよね?(水色のオーク、じゃBGMにポール・モーリアが流れちゃうからダメか)

と、口々にみんなが騒いでると(いえ、ポール・モーリアの是非についての話題じゃありません)。いきなりトーリンに日本語で「だぁらっしゃいっっっ!」
と怒鳴られる…と、スクリプトを見ると、
Shazara!
となってますな。あービックリした。(人(⊂ドワーフ)を黙らせるときの表現って万国共通なのかも…)。

でも一緒に怒られたガンダルフも黙ってませんでした。恐怖のゴゴゴ技で返します。
「ワシが忍びと言ったら忍びじゃーーー!」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

雷合戦よりこの2人の方がよっぽど怖いんですけど。

そうそう、ガンダルフといえば、「旅の仲間」では気が付かなかったけど、今回、銀色のマフラーしてますよね。(馬に乗ってるシーンで初めて気づいたけど、スチルを見ると袋小路屋敷を訪ねてきたシーンでもちゃんとマフラーをしている)。模様が、旅の仲間でエルフにもらったマントの模様に似てます。

でもちょっと待ってくださいよ。原作だと、ガンダルフは青の先のとがった帽子をかぶって、黒のブーツを履いて、首には銀のスカーフを巻いてるんじゃなかったでしたっけ?

だって帽子灰色じゃん…と思ってよく見ると、たしかに汚いけど(ゴメン)地色は水色っぽく見えますね…!ブーツは服に隠れててよく見えない…。で、本を読んだときのイメージは、三角にスカーフを結んでるように勝手に連想してたんですが(エルメスなんかしちゃって、オシャレさん、てへっ)、念のため、辞書を引いてみようかな…?

scarf 1.(防寒のための)マフラー
    2.テーブル掛け;ピアノカバー
          ・
          ・ 
          ・
がーーーーーーーーん!スカーフってカタカナ英語だったんだ、マジでショック…

じゃ、あの娘が振っていた、真っ赤なスカーフは、ピアノカバーだったかもしれないんだ?!

♪ピアノカバーでも、いいじゃないか♪と歌いつつ、まだお屋敷が出発できない…
posted by 銀の匙 at 23:07| Comment(2) | TrackBack(0) | ロード・オブ・ザ・リング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年01月23日

The Hobbit 思いがけない冒険:思いっきりネタバレ 番外編

「思いがけない風邪」で倒れてしまってすみません。思いがけないパーティーの方だったら良かったんですが…

取り合えず、スクリプト(脚本)を聞き取ってくれた奇特な方々により、英語版のセリフが解析できるようになりました。

こちらです↓

http://www.theonering.net/torwp/2013/01/11/68297-a-fan-transcript-of-the-hobbit-an-unexpected-journey/
本当にありがとうござえますだ、旦那様…これで伏せってる間の楽しみができましただよ。ああ。。。頭いたい。仕事をしないと…明日はウンゴリアントのクモとなって這ってでも会議に出ねば。でもこりゃ起きるのは無理そうですだ旦那。すいません…
posted by 銀の匙 at 23:31| Comment(0) | TrackBack(0) | 催し物 リマインダー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年01月17日

The Hobbit 思いがけない冒険:思いっきりネタバレ編 その3

感想をこんなにちんたらちんたら書いてたら、エンドロールまで行き着かないので、ターボをかけて参ります。

今回、尺にゆとりがあるせいか、「ロード・オブ・ザ・リング」では追加バージョンにしか出てこなかったような、歌のシーンがあるのは嬉しいですね。♪霧のぉ〜山なみ越えてぇ〜の方は、あまりにもキャッチーなメロディのせいか、メインテーマとしてドワーフが出てくるシーンで何度も出てくるせいか、つい歌ってしまう人続出の模様で、大学の先生までもが、こんなツイートを…。

Saw "The Hobbit" this afternoon. Enjoyed it. Thank you Howard Shore - Can't...stop...humming...this:
午後、「ホビット」を観た。面白かった。ありがとう、ハワード・ショア。止まらなくなったよ、この曲のハミングが…

ホビットのパイプ草にドワーフのハミング。中毒には気を付けましょう(あ、ラダガストの幻覚キノコもね!)。

字幕版ではスペースが限られているので、モブのセリフはあまり訳されてませんが、吹き替え版ではドワーフがワイワイしゃべるシーンの音声がすごく面白いので、ぜひ注目(注耳)くださいね。

ドワーフ雑技団の皿回し芸をかいくぐり、クロシェとかドイリーとか、手芸関係の用語が出てきますが、クロシェとはかぎ針編みのレースのこと(用語集)、ドイリーとは(映画ではレース編みの)小さな敷物のこと(用語集)です。

セリフではビルボが「すまないがそれはフキンじゃない!ドイリーなの!」
ドワーフ(まだ名前が覚えられないむかっ(怒り))「だって穴だらけじゃん」
ビルボ「だーかーらーそういうものなんだって!かぎ針のレース編み(クロシェ)なんだよ!」
ドワーフ「それにいい遊び道具だよな」
他のドワーフ「これに合うボールがあればな」(訳はてきとー。間違ってたらすいません)
字幕ではレースに引っ掛けて、「俺も競争は好きだ」かなんか言ってましたっけ?

本当にドワーフ13人は多いって!!上に名前書いた吹き出しつけといてくれれば良かったのに。
というのは置いといて、ここで注目すべきは袋小路屋敷。HFRで見てよかったシーンはハッキリ言ってここだけです!(断言)どんなディテールもくっきりはっきり。いやあ眼福眼福。

お屋敷内に貼ってある配置図によると、内部はこうなってるらしいですが、(クリックをするごとにサイズが拡大します)
bagend.jpg
「旅の仲間」のときの設定資料と若干違いますね。

入口から入ると玄関ホールがあり、
bagend玄関.jpg
↑玄関

奥へ向かうと樫の間、左へ向かうと応接間につながっています。

bagendパーラーからキッチン.jpg




パーラーキッチン2.jpg


応接間からキッチン

樫の間を右に進むと予備室、奥に進むとスモーキング・ルームがあります。このスモーキングルームって何だろ?喫煙室?にしては換気悪そうだけど、ま、おいといて、
樫の間を左に進むと東廊下に接続し、ここから外側へ向かうと応接間、応接間の左はキッチンです。


bagend玄関パーラー2.jpg

玄関から応接間

キッチンとダイニングはつながっており、ダイニングの奥がアトリウム(天井の高い、広い空間)になっていて、奥にパントリー、その先にワインセラーとコールドセラーが続いています。

アトリウムの外側は書斎、書斎に隣接して主寝室があります。

これで見ると、ひどいありさまになってるはずの「バスルーム」が見当たらないんだけど、さらに奥にあるのか、独立してないのか…
bagendbedroom.jpg
これは旅の仲間のスチル(クローゼットの形状から見てたぶんフロドの部屋)ですが、ベッドの下に桶が置いてある。
ビルボのベッドの手前には茶色の水差しが置いてありましたよね(どこかに写真があったはずだけど見つからない…)

ちなみに、上ではいちおう「樫の間」って書きましたけど、oakって樫(カシ)じゃなくて、「楢」(ナラ)のことだそうですね、wikiによると。するってえと、トーリン・オーケンシールドは「楢の盾」を持ってた、と…なんかあんまりカッコ良くない気がするのは、私だけ?

と考えてたらまた長くなったので続きます。
終わるのかな、このエントリー。
posted by 銀の匙 at 23:24| Comment(4) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年01月16日

The Hobbit 思いがけない冒険:思いっきりネタバレ編 その2

だいぶ間が空いてしまいました。すみません。
さて、何の話でしたっけ。ビルボの魚の話?

メイキングビデオを見ていたら、ホビット村の池のほとりで魚釣りをしている人がいたので、てっきり大旦那様の趣味も釣りなのかと思っていたら、スチルを見ると、どうやら魚は買ってきたらしいですね。メイキングでは、ビルボが人混み(ホビット混み?)にいるシーンが見受けられますが、これって第3部用なのでしょうか(頼むから、あまり妙なエピソードを足すのはやめてね…)
*後日談:延長版のDVD(SEE)を観ると、このシーンが本編中に追加で収録されてました。ビルボはガンダルフの再訪を恐れつつ、市場でお買いものをするんですが、そこに使われたようです。

マーティン・フリーマン演じるビルボは、映画版LotRのホビット4人の中では、ビリー・ボイド演じるピピンをちょっと髣髴とさせるものを感じますが、動くと動作がときどきイアン・ホルム・ビルボっぽいときがあるのが、良いですね。(たとえば、困ったときに手を握ったり広げたりする動作とか)。あと、アップになると、まつげがとっても可愛いのに気づきました。

彼が『銀河ヒッチハイクガイド』でアーサー・デントの役を演じたのを見てからというもの、いかにも平均的イギリス人って感じとか、勇気はあるんだけど発揮するのになかなか時間がかかるとか、宇宙規模の大事件への半端ない巻き込まれ方を具現化したりとか、というその演技に、ビルボは彼しかいない!と思ったもんでした(あまりに毎度、役と一体化しているので、いまだに時々マーティン・フリーマンっていう名前が思い出せなくて、ついアーサーとかジョンとか呼んでしまうんだけど)

と、マーティン・ビルボ愛を語っていくと第2部公開時まで書き続けても終わんないかも知れないので、ここらでやめておきますが、最後に一つ、彼の声の演技の素晴らしさも褒め称えたいと思います。

彼がビルボをやってるときの声は、ジョン・ワトソンの時より、ちょっとだけ高いんですよ。これはたぶん、一行の中でのビルボの役回りとか、ホビットが声が高い、ということも勘案して、演技しているんだと思います。

実は、今回「ホビット」を見て、一番がーーーん!とショックを受けたのは、ハリネズミの名前がセバスチャンだったことでも、鷲に山に置き去りにされたことでもなく、フロドが声変わりしてたことでした(号泣)。

「旅の仲間」のときより、明らかに声が低いです。最初、風邪ひいたときにアテレコしたのかな、と思ってしまったくらい…。「旅の仲間」のときのインタビュー映像を見ると分かりますが、アテレコの声と地声はだいぶ違うので、ちゃんと演技してたんだと思います。タバコの吸いすぎで声がつぶれちゃったのか、役柄の声を忘れた? まさか忘れたの…?ついでにメイクするときチークも忘れたでしょ…?

ちなみに、ハリネズミの名前、「セバスチャン」は、注意深く英語風の名前を避けている原作からすると(ピピンやメリーは英語でよくある名前ですが、ペリグリンやメリアドクの愛称ってことになっている)、英語チックでちょっと邪道な感じを受けます。どこからこの名前を出してきたのか?まさか、針がいっぱい刺さってる→矢がいっぱい刺さってる→聖セバスチャン って連想じゃーないでしょうねーと思ったら、それもあっさりメイキングで判明。飼ってる犬の名前なんですって? 勘弁してよ....

ついでに、トロルの名前はトムとかバートとか思いっきり英語の名前なんですが、これは英国土着の生き物、って設定なのかしら。「指輪」のときに、ホビット4人が黒の乗り手(ナズグル)に追われ、フロドがアモン・スールで刺された後、トロルの像の近くでサムが「ビルボの旦那のお話にあったトロルですよ」って声を掛けているシーンがありましたね。そのあと、ストライダー(アラゴルン)が、フロドを裂け谷に連れて行く、と言ったときに、「裂け谷までは三日かかる」(だったかな?)と言うセリフがあります。

当時、なんでホビット庄から出たこともないサムがそんなこと知ってるわけ?と疑問に思ったものだけど、きっとビルボが話の中で、トロルのいた場所から裂け谷まで何日かかる、みたいなことを言ったのでしょう。これで「指輪」からの疑問がもう一つ解決しました。

(「ホビット」の映画の中で、アモン・スールはアゾグたちの溜まり場となってるようですね。そこで殺されちゃう可哀想なオークが片岡鶴太郎に似てるな、と思ったとか、彼のセリフが空耳で、
ハイスクールな〜黒ハート」と聞こえてしまうっていうのはナイショ)

さて、話は戻って、BBCで昔作った「指輪物語」のドラマ版というのがありまして、主人公はもちろんフロドなんですが、なんとそれをイアン・ホルムが演じたんですね。確かに、原作ではそのくらいの年齢設定だし、もちろん演技は素晴らしかったんですが、私は映画を先に観て、後からドラマのCDを聞いたので、CDではフロドが何をしようと全部イアン=ビルボのビジュアルに変換されてしまい、非常に混乱しました。

その点、マーティン・ビルボはキャラクター的には一部すごくジョン・ワトソンに似てるけど、動きが全く違うので安心です。

動作だけでなく、着こなしなんかも、旅に出た最初のころは、シャツからチラリと覗くタイがとてもオシャレに結ばれてるのに、途中からだらんと足らしたままになってたり、細かいところがいいですね(これは演技というより、衣装係の工夫かもしれませんが)

で、ナプキンもきちんと掛けて、いざ食事ってところに、扉にガンダルフが刻んだ「G」の文字を目印にドワーフが現れて、言うことには、
Dwalin at your service!
吹き替え版の訳は「お見知りおきを」ですが、いかついドワーフのこの芝居がかった動作、まさに文字通り、「あなた様にご奉仕」「なんなりとお申し付けを」のポーズ!(結果は逆だが…)

原作だとこの後、何人ものドワーフが同じあいさつをして、我に返ったビルボが礼儀を思い出し、
yours and your family's
「あなた様とあなた様の家族にお仕えします」
などと口走ってしまうのがまた良い人醸し出しているんですが、さすがに映画でそれはない。

このあと、次から次へとドワーフが現れて狼藉三昧、あ、あそこに置いてあった箱は、元はお母さんのベラドンナ・トゥックの衣装箱だったのかぁとか(靴の泥落としに使われてましたけど…)、「旅の仲間」でも何気なく出てるお皿もこの時点で骨董品だったのね…とか、袋小路屋敷の調度品に気を取られる私。さりげなく、ビルボが良い家のぼんぼんである事が描写されておりますな。

この時点で、すでにお荷物に認定されているビルボですが、ホビット一人でも足手まといとあんなにはっきりトーリンに言われているのに、「旅の仲間」でぞろぞろ4人も引率してったガンダルフは、60年の間にかなりスキルを磨いたと申せましょう。(最初っから4人の面倒を見たアラゴルンはシッターとして…いや、王として資格十分です)

60年といえば、エレボールが陥落して、袋小路屋敷に集合するまでに60年、エレボール陥落時にも生きてたわけだから、トーリンて一体この時点で幾つ?

などと考えているうちに、画面ではビルボ・バギンズ Hates!の歌とか(教授作詞)、おさびし山よ〜じゃなくて、霧降山脈越えの歌(一部、教授作詞)などが着々と披露されております。吹き替え版ではちゃんと日本語になってるところが(そしてちゃんとハモリもあるところが)すごいですよね。

♪霧のぉー山なみ越えて〜♪と日本語ならカラオケでも歌えそう。

そういえば、おさびし山も英語ではきっと

The lonely mountain

なのではないでしょうか?

トロルだけではなかった「ムーミン」との共通点を発見しつつ、次回へ続く!
(ってなんか、永遠に続きそうだこと)
posted by 銀の匙 at 00:40| Comment(2) | TrackBack(0) | ロード・オブ・ザ・リング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年01月02日

The Hobbit 思いがけない冒険:思いっきりネタバレ編 その1

みなさま、こんばんは。

さて、『ホビット 思いがけない冒険』
12月14日の公開から3週間、かなりの方はご覧になったはずと思いますので、この辺でネタバレ感想を述べてみたいと思います。(初見の方に聞いた「ホビット」5大不思議のエントリーはこちら

あ、その前に。私の『愛蔵版 ホビットの冒険』(岩波書店刊)を持ってる方、
さすがに原作のセリフとか、すぐには思い出せないので、映画と比較ができません!
気に入ってくださったのは嬉しいんですが、ちょっとでいいから返してください…
もう10年近く帰ってきてないんだけど、一体どこを回っているんだか。
(表紙の太陽が「赤」で塗られた、いちおうコレクタブルな本なんですが…)
あまり帰って来ないんで、サックビル=バギンズさんの競売にかけられたのではないかと心配です。
「炭化」とか「内臓飛び出し」とかになってないと良いんだけど…

そういう訳でガッチリ原作と比較できないのは痛いけど、ま、気軽な初見の感想ということで書いてみたいと思います。

この映画で良かったと思ったところ
・字幕
・エレボール
・スロール王のヒゲ飾り
・デールの凧上げ(竜型はわかるがウミガメ型はなぜ?)
↑ ガメラとキングギドラへのオマージュという説が…・レゴラス父のヘラジカ
・冒頭の老ビルボとフロドのシーン(「旅の仲間」で謎だった点が一つ解決)
・ジョン=マーティン・アーサー・ビルボ
・袋小路屋敷の中
・ドワーフの歌
・ドワーフの皿回し(いつもより多めに回しております)
・青の魔法使いの名前を忘れるガンダルフ
・今日が自分の誕生日パーティーだということを忘れるビルボ
・ビルボのアスコットタイ風ネクタイとパッチワークガウン
・黒の言葉(パンフレットによると、言語監修のサロさんがトールキンの記述を膨らませてかなり作文したそうですが、それにしても素晴らしい)
・バーリン
・ラダガスト(家はちょっとファンタジー映画っぽくて引いたけど)
・オークに追われて逃げるシーンの音楽
・60歳若く見えるエルロンド
・60歳若く見えるサルマン
・60歳若く見えるガラドリエル
・アゾグにメッセージを伝えるゴブリン(字が書けるのね!)
・ガンダルフの投げる松ぼっくり(「旅の仲間」では袋小路屋敷の暖炉の上に置かれていましたが、今回の映画ではなかったような…このときの思い出としてビルボが飾ったのかしら)
・各国での原作翻訳を紹介したエンドロール。日本は瀬田訳、岩波書店のホビットの冒険になっていました。

良くなかったところ
・長い。あと30分は確実に切れたと思う。
・ドワーフ個人の活躍シーンが少なく、誰が誰やらわからない。初見でわかったのはトーリンだけでした。
・どうでもいいけど第一部は(ほぼ)男しか出てこない。

まず、今回、字幕が安心なのは非常にポイントが高いです(何せ、超強力な監修者が3人もついてますからね)。「旅の仲間」は敬語の訳がいい加減だったので、上下関係がむちゃくちゃになってましたが、今回も予告のときに、いきなり走り出したビルボに向かってホビット庄の村人が問いかけるシーンは、Mr.Bilboが「ビルボ、どこに行くんだい」となってて、すわ、またか!と思ったら、映画ではちゃんと「ビルボさん、どちらへ」に直っててほっとしました。

他にも、訳本が手元にないので、原作に沿った訳なのかどうかはわかりませんが、アーケン石の説明などは、「山の精髄」といった粋な訳になってました。吹き替えを見た方の話では「山のおおみたま」と訳されてたとか(聞いてわかるんかい)。(ちなみに英語のセリフはあっさりthe heart of the Mountainだったと思う)

英語で面白いと思ったのは、冒頭のビルボとフロドのやり取り、
かじったリンゴを触った手で書き物のページをめくろうとするフロドにビルボが言うKeep your sticky paws off! paw=前足 が、とっても可愛い言い回しですね。訳は「汚い手で触るな!」だったかな?

そのあと、サックビル=バギンズは招待しに来ないならパーティには出ないと言ってた、とフロドが報告したあとにビルボが言うのは
-over my dead body!
-They probably find it(that?) quite agreeable.
ビルボのセリフの訳は見逃しましたが、意味は「俺の屍を超えていけ(私の生きている限り、そんなことしないぞ)」、続くフロドのセリフの訳でつい笑っちゃったけど  「死んだら喜ぶよ」  (ってあなた)

追記:このシーン、吹き替え版で見たらビックリ!フロドがビルボに敬語で話してるよ!字幕じゃ思いっっっ切りタメ口なのに。あと、ビルボがロドって最初にアクセントを置くのも気になるなぁ…フドに慣れてるので…ガメラ。モスラ。ゴジラ。フロド…。仲間じゃん(泣)

他にも、英語のセリフでは、ドワーフ一行にビルボが追いついた後のガンダルフのセリフにhome is behind the world is aheadが使われていましたね。「王の帰還」でピピンの歌に使われていましたが、もともとビルボの散歩の歌だったので、今度の映画で歌ってくれないかなとちょっと期待していました。

また、ゴブリンの洞窟を出てすぐワーグに襲われたときのOut of the frying Pan into the fire(字幕では「一難去って」と訳してました)は原作の章タイトルですね。

また、どのセリフが2作目、3作目への伏線になっているか現時点では分からないので、固有名詞なども通常の字幕に比べると、あまり端折ったり言い換えたりしていないようです。(字幕では観客の読み取りのスピードを考慮して、たとえば、音声では「ミスランディア」と言っていても、全編で1か所しか出てこないなら、
他のすべてのセリフで使われている「ガンダルフ」と訳す、といった処理をします)

で、初見のときはロスゴベルのウサギでスタックしてしまいました。

ロスゴベルのウサギ。
ロスゴベルのウサギ?

って、なんだっけ?

考えているうちにいつの間にかビルボがゴラムとなぞなぞ問答を始めてて、もう1回見るしかなくなってしまいました(^^)ちなみに、ロスゴベルはラダガストが住んでた場所の名前だそうです。(知るか、そんなこと…)

いや、こういうディテールが命の物語では、小さなところを端折らないというのは大事だと思うんですけど、さすがに2時間40分は長尺だったので、この情報量の多さには結構疲れました。

さてさて。
最初が老ビルボのナレーションで始まったのは、予告でもやってたので予想通りでしたが、いきなりエレボールがどーーんと登場したのには驚きました。このシーンでの私の興味関心はドワーフ女に集中してたのですが(アラゴルンのヒゲゼスチャーを思いだしてくださいまし)、ついにヒゲのドワーフ女を目撃することはできませんでした。

また、ちゃんとドアから入ってくるあたり、スマウグも礼儀正しいですね。

そこへ登場する宴会王・スランドゥイルは原作とは印象が違っててなかなか賢そうなんですが、息子さんのレゴラスと並ぶと画面がハレーション起こしそうだという王子ファンの感想には笑わせていただきました。乗り物は公開時の季節柄か、ヘラジカでしたね。プレゼントを持って家族サービスに帰るところだったのでしょうか…つうか、あの凛々しい眉毛、王というよりマロといった雰囲気が若干(す、すみませんすみませんエルフファンの皆様お許しを!!)

そして、袋小路屋敷のシーン。ビルボが、今日は自分の誕生日だと忘れてるっていう設定にちょっと驚きますが、そのあと「旅の仲間」を見ると、フロドがガンダルフを迎えに行ったってことも忘れてるらしい(あの子はどこに行ったんだ、と、こぼしてますから)。私はもう昔の私じゃないって言ってるけど、ビルボ大丈夫なの…?(泣)

そうそう、「旅の仲間」を見たとき、フロドが最初に出てくるこのシーンがずっと謎でした。いったい何でこんな森の中で読書してるんだろう(しかも、家からかなり距離がありそう)とか、途中でガンダルフの馬車を降りてどこへ行くんだろう、とか。

今回、最初の謎はいちおう解けたんですが、東四が一庄はどのくらい遠いんでしょうね(そして、この話の中ではメリーとピピンはどこに住んでるんでしょうか。パーティーの後もずっとホビトンにいるように見えるんだけど)。そして、途中で馬車を降りたフロドは、何をしにどこへ行ったんでしょうか。本を取りにいった?パーティーの支度を手伝いに行った? 遊びに出かけちゃった? 

今回の「ホビット」三部作にお父さんのドロゴ・バギンズがキャスティングされているのは、何か関係があるのでしょうか。私はずっと、この日はフロドの成人の日なので、両親のお墓にでも行ったのではないかと思っていたんですが、そういや映画ではビルボの111歳の誕生日だとしか言ってませんでしたね。ははは。(そういえばビルボからは Be a good lad(いい子だから)とかthat boy(あの子ときたら)とか、ガンダルフからはdear boyとかまるっきり子ども扱いだった)

さて、『ホビットの冒険』と同じ書き出しでビルボが冒険譚を書き綴り始めます。誕生日当日、何から書こうか迷ってる段階だったのに、裂け谷でフロドに会うまでに書き終わってるって凄い筆が速いんですけど?原作では20年近く間があいてるから、そりゃ書けるでしょうけど、映画でこの間って何か月もないのでは?…

と、くだらないこと考えているうちに、時代は60年前へ。この時点でビルボは50歳。まだ若かったのでお屋敷の中もきちんと整頓してる、って監督がメイキングビデオでおっしゃっていましたが、ホント、お掃除行き届いております。(60年後のあの汚屋敷ぶりが嘘のよう)

そして、ビルボのおいしそうな夕ご飯に誰もが釘付けだったかと思います。家に塩壺があるのは裕福なしるし、と教えてくださった方がいましたが、それ以外にもパントリーにあんなにごちそうがいっぱい、いったい何日分の蓄えなんでしょうか(ビルボって独身ですよね…)

ああ、ここまで書いたら12時に…続きはまた後日!
posted by 銀の匙 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | ロード・オブ・ザ・リング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年01月01日

あけまして、おめでとうございます!正月1日は映画の日

皆様、あけましておめでとうございます。
今年も皆様にとって良い年でありますように。

ということで、本日もホビットを見てまいりました(懲りもせず)。

今日は1日なので映画の日。でもIMAXは特別料金になってしまうので、2Dで見てみましたが…


なんだ、これでいいじゃん。


アトラクションっぽくなってしまう3Dよりも落ち着いてみられるし、目も疲れづらいです。
2Dだからワクワク度が下がるということも、まったくありませんでした。と、いうことで、ゆったりした気持ちで鑑賞できたところで、今回はネタバレありで感想をまとめてみたいと思います。
(すみません、アップロードはまた明日に…)
アップしました。→こちらです
posted by 銀の匙 at 23:50| Comment(0) | TrackBack(0) | ロード・オブ・ザ・リング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする