2009年02月11日

第35回 芸大定期演奏会

海外の街を歩くといつも羨ましく思うのは、それなり以上のレベルの演奏を、時には無料、時にはコーヒー2、3杯くらいの値段で聞けることです。ロケーションも、街中の教会とか、広場に作られた臨時会場とか、住民センターとか、下駄履き(笑)でふらっと入れるようなところばかり。

ひるがえってわが日本では、気軽に生の音楽を聴きたいなと思っても、数ヶ月も前に高いチケットを予約して、電車を乗り継いでコンサートホールやライブ会場まで出かけて…と考えるだけで、もはや一大イベント。とても気軽にって感じじゃありません。かと思うと、その辺でやってる音楽はほとんど、お稽古の発表会ですか?レベルの演奏とか、人前に出るには練習が足りないんじゃ…?とか、ラップスターになろうなんて百年早いわ、おととい来い!みたいなのばっかりだし…。

と残念に思っておりましたが、最近はカフェや図書館、歴史的な建物など、あれっと思うようなところでミニコンサートをやっていて、しかも結構面白いプログラムだったりするので、街歩きの楽しみが増えました。

先週、たまたま行き当たったのも、ふらっと行ける演奏会です。上野公園に隣接して東京芸術大学がありますが、そこの音楽ホール「奏楽堂」で学生の演奏会があるというので立ち寄ってみました。

実は、上野公園の中にもう一つ、「旧奏楽堂」というのがあり、通るたびに入ってみたいなと思っておりましたのですが、何か催しがあるときについでに…と思ってそれっきりになっておりました(演奏会の他、木曜と日曜はミニコンサートや演奏があります)。

で、最初はその旧の方かと思って行ってしまいましたが、そうではなくて、学内にあるホールの方でした。

お花見の時期に上野公園を通りかかると、こんなところに二度と来るものかと思ってしまいますが、谷中・池之端の方から芸大を通るアプローチはとても落ち着いた雰囲気で、曲がり角には「桃林堂」もあり、こんなステキな場所が東京にもあるのね…と思うような幽静な趣が漂っております。

キャンパスは通りを挟んで美術と音楽に分かれており、音楽学校の方に入るのは初めてでした。校舎の脇に堀を巡らして錦鯉を飼ってたり、ボロボロの建物があるかと思うと妙にモダンな建物があったり、目が点になりがちな風情です。

いやー、でも面白そうですよね、音楽学校。好きなだけ音を出しても怒られず、朝から晩まで練習してて良いなんて、羨ましすぎです。そしてホールはといえば、これがビックリ、とっても素敵なホールなんです。

正面のセンターいっぱいに、がーーーん!!と、月と星のオブジェが飾られた美しいパイプオルガンが据え付けられ、客席はフローリングに生成の革シート。シンプルに見えて、とてもおカネがかかってそうな内装です。(中はこんな感じ)通路に「試験官席」って書いた標識が無造作に並べてあるところも学校らしいです。ロビーは前面ガラス張りの窓の前にキャンパスの木々が茂り、最高のロケーション。室内楽にはちょっと大きすぎるような気がしましたが、音響もとても良いです。

演奏会はお代1500円で室内楽、3時から始まったので、終わったらお茶でもして帰ろう…と思ったら、すべての楽曲を通しで演奏したため3時間以上かかりました。満席ではなかったものの、広いホールが8割方は埋まる盛況です。皆さん後ろの方から座っていましたが、自由席なので前方に陣取って見ました。近くと遠くじゃ音の圧力が違いますからね…。

曲目は以下の通り。

シュトラウス ピアノ4重奏
シュミット サクソフォーン4重奏 シュミット
シューマン 弦楽四重奏曲第1番イ短調
ブルーマー 木管五重奏曲作品52
クルークハルト 葦の歌作品28
シューベルト 弦楽四重奏曲ニ短調「死と乙女」

普通の演奏会だと、メジャー作品、メジャー作曲家が主ですが、発表会だと変わった曲が聴けて面白いですね。演奏は、これで学部生?!と思ったくらい上手かったです。女の子が多くて、なかなか凝った舞台衣装を着ているのも見所の一つ…?

芸大の学生には他にもチェンバーオーケストラという組織があります(演奏会は別立て)。フルオーケストラがお好きな方は、そちらをどうぞ。
posted by 銀の匙 at 18:38| Comment(0) | TrackBack(0) | 舞台/パフォーマンス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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