

最近、ロハスが注目を集めるにつれ、また盛り上がってきております雑誌「暮らしの手帖」。その編集長だった花森安治氏による装丁、装画等を中心にした展覧会です。
確か2002年にも銀座で展覧会があったんですが、そのときは1時間たりとも休めないほど忙しい時期だったので、結局行かれませんでした。今回、ゆっくり見ることが出来て本当に嬉しかったです。
花森氏といえば、おかっぱ頭のワンマン編集長というイメージが強くて、デザインワークもしていたということは、実はあまり知りませんでした。今回、氏が指定したレイアウト等の実物を見て、その卓越したセンスに改めて驚きました。
まずは表紙のための装画の展示があり、レタリングした新聞広告の原稿などもありました。壁の上部に展示された「暮らしの手帖」バックナンバーの表紙は、そういえば昔見たなあと懐かしく、子供の頃だったのにどれも覚えているところを見ると、かなりインパクトが強かったのでしょう。書き文字などの手仕事と、大胆なデザインの組み合わせに味があります。
雑誌全体を通してのレイアウトのリズムもよくて、今みても斬新でモダンです。
レイアウト原稿を入稿するときは、アタリといって、どんな位置にどんな写真を配置するかというスケッチを描くんですが、花森氏が鉛筆で輪郭を取ったその線がすでに素晴らしくて、素描として額装したいくらいの感じでした。
「暮らしの手帖」で話題になった商品や記事なども置かれており、なかでも商品テストで使われた昭和の電化製品たちも、キッチュなプラスチックのつまみや、鉄製のボディに微妙な色合いの塗装がしてあるのが、今見るととても可愛らしく感じます(記事では批判されてたりしますが…)
花森氏は戦時中、大政翼賛会に属していたそうです。これがドイツなら二度とマスコミの仕事なんて出来なかったに違いありませんが、幸か不幸か日本では戦後も言論関係の仕事を続けることができました。本当にこの仕事が好きでしょうがなかったのでしょう。
雑誌記事も含めて、彼の作品は素晴らしいし、言ってることはとても真っ当だと思います。言葉によって実際に人を動かすことのできる、稀有な才能の持ち主だったのでしょう。個人的には、追いつくどころか真似することさえ無理であっても、花森氏が職業人としての目標であり、尊敬もしています。
でも、主婦の目線で雑誌を作ってたにもかかわらず、その記事にはどうしても煽動者的なものを感じてしまうんです。時代がそうだったのだといえば、そうなんでしょうし、マスコミとはそういうもので、それ以外にどんな主張の仕方があるのかと言われれば、それまでですが…。
(↑上の2枚の写真はこの展覧会のお知らせなんですが、デザインが面白いです。おわかりでしょうか?
広げるとポスターに、下を折り返した後じゃばらに畳むとパンフレットになるように出来ています。)
2006年4月9日(日)まで
世田谷文学館
もよりは京王線・芦花公園駅
世田谷文学館の展示はこれだけではありません。
東宝の砧撮影所のご近所ということもあり、ゴジラに関する資料がいろいろあったのも驚き。
さらに、世田谷文学館ってどこかで聞いたなあ…と思ってたら思い出しました。
crannさんの
「Sextans 好奇心のコンパス」に関連の御紹介があったんでした。
人形作家・石塚公昭氏が作った
永井荷風、江戸川乱歩、中井英夫、寺山修司の人形と、
人形による世田谷ロケ(?)の写真が展示されてるんですよね。
ホントにすごいです。これです、これ
こちらは2006年3月31日まで。お見逃しなく!


