2010年02月06日

文化庁メディア芸術祭2010

恵比寿でやってたころから楽しみにしていた催しですが、今年も行って参りました、恒例の文化庁メディア芸術祭。審査員の頭をどついてやりたい、じゃない、頭の中をのぞいてみたい、と思ってしまう「○○省お墨付き」系のイベントと思ったら大間違い。絶対運営側に通がいる!と唸らせてくれる催しです。今年はインスタレーション作品が少なく、去年より小粒になった?ものの、相変わらず面白かったです。

入ってすぐのところに椅子がいっぱい並んだコーナーがあり、良くわからないまま席につくと(我ながら、詐欺に遭いやすい人の典型みたいな感じ)、スクリーンにカッコいい映像が流れ、プレゼンテーションが始まりました。

実はこれがなかなかの拾い物で、大変有意義でした。

プレゼンテーターは、オーストリアのリンツにあるアルスエレクトロニカというメディア芸術専門の美術館の展示ディレクター、小川 秀明さんという方でした。

アルスはこの分野では有名なコンペティションを例年行っていて、話によるとあのピクサーはここで獲った賞金を元手に会社を立ち上げたらしいです(一体賞金いくらなんだろう?)

この美術館、ハコ物行政の真逆をいくコンセプトで(ハコ自体も、HPを見て頂ければわかるとおり、とてもカッコ良いのですが)、いかに美術館が、そして展示が社会に還元できるか、周りを触発できるか、ということを常に考えているのが素晴らしいです。

中の展示に人を呼び込むことはもちろん、ラボやワークショップを中心に据えた展開、展示品が勝手に町中へ出ていくなどの仕掛けもあるそうで、知ってる人には有名なジェミノイドの展示も行ったそうです。

ご存じない方のために説明しておくと、ジェミノイドというのは大阪大学の石黒教授が作ったご本人にそっくりのロボットで(っていうか、石黒教授がロボットっぽいように思うのですが、それはまさか機m…)、自分が出張中に代わりに講義してくれたらなーというのが開発の出発点らしいです(むしろ、現段階では代返の方が向いている気がしますが)。

で、この代返ロボ、展示と言っても台の上に飾ってある訳ではなく、美術館のカフェの隅っこに座らせといて、来場者の反応を見るという実験をしたようで、爆笑モノのリアクションも多かったとか。

ジェミノイドについて地元では大々的に報道されたらしく、石黒教授本人が後から現地に到着して町に繰り出すと「あっ…食事してる」「ビール飲んでる…」と町中の注目を浴びたそうです。ははは。

そんな社会の中の技術とアートを追求するアルスエレクトロニカ、ちょっと行ってみたくなりました。毎年9月は大々的にイベントをするそうなので、オーストリアに行かれる方は是非。

さて、芸術祭の方ですが、
アート部門
エンターテインメント部門
アニメーション部門
マンガ部門
に分かれて受賞作の展示があります。
マンガ部門の大賞は「ヴィンランド・サガ」。北欧(アイスランド)が舞台のマンガが日本で受けるとは…。

原作は全く見たことがないんですが、「ナルト」のゲームが優秀作として展示されていて、その場を去りがたいほど惹きつけられてしまいました。実際にゲームを体験でき、ゲーム画面を大きなスクリーンで鑑賞することもできます。また、どういう風に設計しているか説明するビデオが横でずっと流れてるんですが、すっかり見入ってしまいました。

もう一つサプライズだったのは、特別功労賞としてアニメーター・故金田伊功氏の作品が展示されていたことです。脇に流れていた映像は嬉し恥ずかし「キューティー・ハニー」!この作品、関わってらっしゃったとは知りませんでした。このアニメ、今みると改めてその大胆さに驚かされます。今だったら放送されないんじゃ?(こんなだったっけ?)
他に、別作品の絵コンテ数枚も展示されていましたが、素晴らしいの一言でした。

銀河旋風ブライガー』のオープニングで初めてお名前を意識して以来、ずーっと憧れのアニメーターさんでした。独特の動き、光の表現、大胆な構図など、一度見たら忘れられません。こんなに早く亡くなるなんて…。心からご冥福をお祈りいたします。

ということで、これで入場無料は申し訳ない充実ぶり、当然結構混んでます。体験型の作品や、かなり近づかないと見えない作品も多いので、できれば平日に出かけたいですね。

敢えて難を言わせてもらえば、新美術館は外見やロケーションは悪くないんだけど、展示室がタダのコンベンションホールみたいなのがすごく悲しいわ…

2月14日まで。
入場無料!
新国立美術館(六本木)
posted by 銀の匙 at 23:49| Comment(0) | TrackBack(0) | 展覧会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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