
アイスランドは日本から考えると、西の果てです。ここに留学されていたエルフ語講座の先生の影響で興味を持つようになったものの、火山と氷の国という他はほとんど何も知りません。
ただ、この映画のチラシにあった、アイスランド出身のビヨークの言葉はとても魅力的で、しかも映画の背景を知るにもぴったりでした。
「私たちはこの地球上で最も反抗的な存在としてずっと生きてきた。私たちの国に軍隊がないのは、誰も足をそろえて行進することができないからだって聞いたことがある。みんなそれぞれ違う歩き方しかできないからだって」
どう見たって高校生には見えない(ジョン・マルコビッチかと思っちゃった…年齢も含めて)ノイは、何に対しても全然やる気がありません。頭が良すぎるせいなのか、凡庸な周囲から完全に浮いています。彼のことは、結局映画が終わるまでよくわかりませんでしたけど、彼の置かれた状況のやりきれなさを理解出来る人は多いでしょう。誰もが顔見知りの退屈な土地。面白くもなんともない学校。興味の持ちようがないクラスメート。
ま、後は青春の蹉跌というか、こうなるかな〜という予想をあまり裏切らずに映画は進みます。全体的に青っぽくて寒そうな画面といい、ここ笑ってもいいのかな…?とおそるおそる辺りをうかがってしまうユーモア(のはずだけど、シチュエーションは笑えない…)といい、いかにもヨーロッパのマイナー地域のマイナー映画っぽい雰囲気で話は淡々と進行し…と思っていると、この結末。見ていたこちらは唖然としました。さすが、「エッダ」の国のお話は、一筋縄では行きません。
絵に描いたようなダメ親父(俳優と漁師さん、二足のワラジだそうです。ヘンでしょ)とか、味のある本屋のオジサンとか、主人公以外のキャラクターが気にいったこの映画、カラーボールビンゴとかビューマスターとか、しょぼくれた小道具も良く似合っています。
常に画面の大半を占めている白い物体、あれ氷の固まりじゃなくて、山だよね?とか、景色も文化もまるで見慣れないもので、しかし、同じ島国の日本人には理解しやすい面もあるように思います。この手の映画に慣れない人には退屈でしょうし地味ですが、なかなか思い出し甲斐のある映画です。
あとでパンフレットを買ってストーリー紹介を見たら、その結末の紹介にも仰天しました。なるほど、こういう見方もあるのね!私なんか悲しいお話かと思って泣いちゃったけど、ここに希望を見いだすという見方のほうが、当たってるのかもしれません。皆さんはどう御覧になるでしょう?
※補足
先日、北欧神話についての講座に出ていたら、講師の先生が「エッダ」に絡めてこの映画のことに触れておられました。主人公の名前「ノイ」はアイスランド語でノア(洪水伝説の)のことだそうで(主格はiが付くのでノイになる)、主人公がノアである物語、としてみるとまた別の見方が出来るのでは、と指摘されていました。



ラストはちょっと衝撃でしたね。
主役の子、高校生ってホントか?!という疑問に絶えず苦しめられる1時間でした。Atsushiさんも同じご感想で。ちょっとホッとしました(周りは可愛かったという意見が多かったもので…。)
話は変わりますが、「水曜どうでしょう」はいいですよね。北海道の人と、ローカルで見られる千葉の人が心底羨ましいです。ビデオで数回分しか見られなかったのでションボリしてます。