2006年08月13日

ハイテック・ソウル High Tech Soul

hightech.jpg

アメリカはデトロイトにて誕生した電子音楽「テクノ」についてのドキュメンタリー。

YMOがやってたような、メロディに特徴のあるテクノポップとは違って、デトロイト・テクノはダンス・ミュージックなので、一聴まず印象に残るのはそのリズムです。映画本編でミュージシャンが説明しているように、基本は「四つ打ち」と言われる、1小節に「ドン、ドン、ドン、ドン」と同じ強さの4拍のリズムが入るもの。

そこにリズム上の複雑さが加わっていくと「ジャングル」とか「ブレイクビーツ」とかジャンルが細分化されていくそうなんですが、えっと。説明してる本人も「何のことだかわかんないだろ」と言ってます(笑)。このリズムの差をヴォーカルパーカッション(ドラムの音を口まねでやる)で説明していて、それ自体すでに立派な楽曲。

デトロイト・テクノの担い手は地元の黒人DJたちで、先入観と言われようがどうしようが、彼らのリズム感の凄さこそがこのシーンを支えているのだと計らずも悟らされるシークエンスでした。

プログラミングによって自動的に音楽が生成されていくのではなく、ターンテーブルを使ったDJの技術をミックスすることで、楽曲は常に人の手が入った状態になっています。テクノにありがちな無機質さも、こうして彼らの手にかかればソウルフルな音楽へと変貌します。まさにハイテク「ソウル」というタイトル通りです。

そしてこの「ソウル」の部分の大切な構成要素として映画に登場するのがデトロイトという街です。よそ者の目には、荒廃した、特徴のない、醜い街…。そこに限りない愛着と神秘性、美を見いだすミュージシャンたちの矜持が、映画全体を引き締めています。

ただ、この手の映画が陥りやすい欠点(と私は強く思うんですが)がこの映画にもあります。インタビューやコメントを聞かせるのに終始してしまって、楽曲自体があまり流れないことです。誰それの音楽は素晴らしい…というコメント100連発よりも、もう一小節長く音楽を聴かせてくれれば観客は十分わかりますってば!演奏している様子なんかも地元じゃない限り滅多に見られないのですから、もうちょい時間を取ってくれればいいのに…。

なお、本編はDVDとしてリリースされるそうですが、劇場では本編の後に、デトロイト・テクノの華、デリック・メイのインタビューがあります。むしろ本編での彼より彼らしいのでは?とも思える8分ほどの貴重な映像、どうぞお楽しみに。

シアターN(渋谷)8月25日までの限定レイトショーです。
監督:ゲイリー・ブレドウ
posted by 銀の匙 at 16:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/22297439
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。

この記事へのトラックバック