2007年02月11日

合唱ができるまで

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大人から子供まで、バラエティに富んだ団員を抱えるパリのアマチュア合唱団が本番のコンサートに臨むまでを描くドキュメンタリー。合唱に限らず、何かを学ぶときの楽しさを教えてくれる映画です。

面白いことに、本作は指導者クレール・マルシャン先生はもとより、団員にも全く寄り添っていきません。合唱団の練習風景を淡々と描く、それこそ「合唱ができるまで」を記録した映画なのです。

音楽ドキュメンタリーによくある、演奏者個々人を追ってインタビューするような場面はなく、団員の名前も、団の規模も映画を観ている限りでは良くわかりません。彼らがなぜ合唱団に参加したのかとか、選曲についてどう思ってるのかとか、そんな背景にはまるで無頓着です。

しかし、そんなことを掘り返さなくても、みんながなぜ合唱を続けているかはよくわかります。だって楽しそうなんだもの!先生方の指導はとてもテンポが良くて、こちらも一緒に練習に参加してるような気分になってきます。

背筋をまっすぐ伸ばして、まるでお鍋からチーズ・フォンデュを取るように、身体全体を使って声を出していきます。唱ってる内容のこと、唱うときに大切な想像力のこと、ほかのパートにつられないように唱う練習のこと…大切なことを、ちょっとずつ教えてくれます。観てたら絶対、もっとレッスンが受けたくなるはずです。

映画の中で先生も言ってました。
ここまで唱えるようになったご褒美は何だと思う−?
次を教えてもらえることよ。

唱われる歌はすべて、グレゴリオ聖歌、ハイドン、シャルパンティエなどの宗教音楽。コンサートホールでしか発表の場がない日本の合唱と違い、教会でお披露目されるフランスの合唱は、ぐっと日常生活に近いところにあるなあと感じます。

****
さて。
自分も小中高と音楽系の部活をやっていたのですが、いずれもふつうの学校の課外活動で、鼓笛隊、合唱等々、分野は違えど、なぜかいつも顧問の先生から指揮を割り当てられていました。演奏の方がやりたかったので、当時は内心とても不満でした。

先生方は専門ではないので指揮の仕方は教えてくれませんでしたが、決まって、指揮者の心得について指導してくださいました。
いわく、できあがりの音楽のイメージを持って、練習に臨むこと。全体の仕上がりに責任を持つのが指揮者の役目。
いわく、イメージに合わなければ演奏をとめて、どこが悪いか、どう直すべきか、はっきりと指示すること。

音楽からは遠ざかって久しいですが、このときの経験は今になって、あらゆる場面でとても役に立ってます。

とは言っても、やっぱり、合唱そのものの指導を受けてみたかったので、この映画を観ることができてとても嬉しかったです。

ユーロスペース(渋谷)
東急本店の近くにある映画館。音響が自然で気に入ってます。開演前に整理番号を配ります。あまり対応が親切とは言えないので、映画館に着いたら、取りあえず係の人にどうしたらいいか聞いてください。

こちらは2007年2月16日まで。お急ぎください!以降、全国で公開されます。
東京での再上映希望!!
posted by 銀の匙 at 23:43| Comment(1) | TrackBack(1) | 映画
この記事へのコメント
3月29日、名古屋シネマテークで見ました。小学校の児童合唱、中学の吹奏楽、高校のレコード鑑賞、社会人になってから第9の合唱から入って宗教曲を中心に歌ってきました。今まで、合唱をしてきてよかったというのが、見終わった最初の印象でした。練習が単なる積み重ねではなく、新しい次元にワープするように、曲全体、合唱団全体が出来上がっていくのは、まさに「メタモルフォーゼ」だと思いました。練習が大好きな私としては、うれしい映画でした。
Posted by mori at 2007年03月30日 13:54
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【映画】合唱ができるまで
Excerpt:  今日、KBCシネマでの最終日〜。  観てきた。観てきたよ、ママン。やっと観れたっっっ!  …長い道のりだった(誇張でなく  ダメ押しにまた公式サイト↓  http://www.longride.jp...
Weblog: ほえほえ―お道楽さま的日常雑感―
Tracked: 2007-04-06 21:00