すみません、すぐ書くつもりが何だかんだと遅くなりまして。
今度の日曜までやってるので、ご都合のつく方はぜひ御覧になってください。
「銀河鉄道999」に女学生が乗ってるようなポスターの図柄はインパクト大ですが、幻想的な作風なのかというと、ちょっと違います。
彼の絵から受ける印象は、一貫して「不安」で「不吉」。
地方都市を描いたごく初期の版画作品からして、人を不安に陥れるような、特徴ある構図のものが多いです。そこには、ほっとするふるさとの町とか、人情といったポジティブな「田舎」のイメージはまるでなく、排他的で寂れている、ネガティブなイメージががっちり掴み取られて提示されています。
「ルポルタージュ絵画」と呼ばれる50年代の作品は、90年代中国の現代アートを連想させます。
当時の中国絵画は社会主義リアリズムから一歩抜け出したばかりでした。改革開放に乗り、それまで描かされていた具象の技術を使って別のことを表現しようとしていて最初は面白かったのですが、そのうちどれも似てきて、いささか食傷気味になってしまいました。
中村宏の50年代の絵画には、その辺に通じるものがあるようなのですが、片一方に、何々風や○○イズムにまとまらない、画家の強烈な個性が見て取れます。機械や器官、車窓への異常なまでのこだわりぶり、大きなキャンバスに素晴らしい質感を持って描かれる、奇怪な風景…。
さらに、70年代にしてすでに、一つ目女学生のキャラクターを使った、スーパーフラット的な作品を多く世に出しています。
そして、どこか黙示録的な近作も見ものです。今年73歳になられるそうですが、枯れるどころかますます怪調なのには驚かされます。実際の作品については、こちらのHPで何点か御覧になれます。
もう一つ、見逃せないのは装丁・装画の数々です。私はむしろこちらに興味があり、かなりの数の展示が見られて大満足でした。
特に「総銅製機甲本イカルス」を拝めるとは!(←この書名だけでカッコいいでしょ?本については別ブログでもエントリしてみました)
「携帯風景」といった鉄道ファンの心をわしづかみにするオブジェもあり、機械やら車窓やらが好きな方にもオススメの展覧会です。
2007年4月1日まで
東京都現代美術館(清澄白河/菊川)
公式HPはこちら。


