2014年01月11日

ホビット 竜に奪われた王国 台湾観覧記 1                                (記事後半ネタバレあり、表記以降ご注意!)

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改めまして、今年もどうぞよろしくお願いいたします。

さて、「ホビット」3部作の第2作目の日本公開が2月末になるということで、ネタバレを避けたい場合は公開まで海外情報も見られず、リアルタイムで盛り上がれないのでつまらないなーと思っていたところ、台湾では年末から公開されるので見に行きませんか、と思いがけないお誘い。

そこでいそいそと、「荒谷」(台北ともいう)にやって参りました訳です。
ということで、台湾での映画鑑賞記を兼ねつつ、ネタバレ注意表示以降は映画の内容にも触れてみたいと思います。ちなみに、ネタバレなしの第一印象をご覧になりたい方は、別ブログですがこちらでご覧ください!

さて、1月3日から台北のみ4日間の旅程だったのですが、松山空港・昼到着便を選んだため、昼過ぎには台北市内で行動開始でき、初日から気合いが入ります。

台北の大きな映画館は日本同様ネットから席の予約ができるのですが、鑑賞を予定していた美麗華(ミラマー)影城は2日前からしか取れず時間が合わなかったのと、フライト状況が分からなかったこと、そして何日か閲覧してみたところ、席がガラガラだった(汗)こともあり、予約はせずに、当日、直接劇場に向かいました。

ミラマーのあるMRT剣南路駅は、MRT松山空港から2駅、5、6分で到着します。駅の前には、屋上にどーんと観覧車を載せて、無印良品やユニクロが入ったショッピングセンターがあり、その5階が映画館になっています。(私たちは直接5階の劇場窓口へ行きましたが、1階にもチケット売り場があったようです。)

IMAX HFRと2Dの、2つの上映形態があり、取りあえずIMAXを選択してみました。チケット売り場は電光掲示板に上映形態と時間が出ている、日本のシネコンと似たようなつくりです。土曜日が初回13:40分なのを除き、上映回は一律10:30 13:40 16:50 20:00 23:10 でした。

20:00からの回は1人440台湾ドル(約1800円)でした。追加料金でポップコーンセットもあったのですが、こちらはお断りしました。

ちなみに、英語も問題なく通じると思いますが、ご参考のため、中国語でのやりとりを書いておきますね。

二十点的≪哈比人≫ ,还有位置吗?
(夜8時からのホビット、席まだありますか)
有。几位?(ありますよ、何名さまですか)
两个。  (2人です)
一共九百块。十块是加爆米花和饮料组合的价钱。要吗?(併せて900ドルです。10ドルのポップコーンセットどうしますか)
不用了,谢谢。可以刷卡吗?(すみませんけどいいです。カード使えます?)
没问题。请按密码。呐,这是你的票和收据。(もちろんです。暗証番号をどうぞ。はい、チケットとレシートです)
谢谢。(お世話さま)

中国語…短っ!

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さて、チケットもゲットしたので、あとはお茶料理が食べられることで有名な台北の郊外・猫空をちょっと観光したりして、夜に備えます。

時間ちょっと前に劇場に滑り込むと、3Dメガネを渡され、その場でチェックします。破損したりなくしたりすると、900台湾ドル(約3600円)の罰金!

部屋に入ると、真ん中から後ろの席にお客さんが集中しています。IMAXがあまりに巨大なスクリーンのため、真ん中くらいでもまだ近すぎるようです。確かに、後半の動きの多いシーンでは臨場感たっぷりでした。ただ、HFR(ハイフレームレート)による画面の、特に背景の部分は非常にCGっぽく見え、せっかく作り込んだであろう自慢のセットも、CGでお手軽に投影したみたいに見えちゃうので何だかもったいない感じです。3Dも落ち着かないし、私の目には2Dで観た方が重厚で本物らしく見えるんですが、皆さまはいかがでしょうか。

2回目は台北駅の隣、MRT中山駅そばにある欣欣秀泰影城で鑑賞しました。こちらはシネコンとしてはそれなりに大きいものの、割り当てられた部屋はこじんまりしていましたが、椅子のクオリティが高く、前後の座席との高低差も十分に取ってあって大変見やすい劇場でした。できれば真ん中の見やすい席がいいんですが、と言って頼んだのに、「3列目」というチケットをもらったときはあれっと思いましたが、奥行のある部屋なのでこれより後ろだとスクリーンから離れすぎてしまうため、むしろちょうど良かったです。

こちらは2Dで昼料金だった(台湾では夜間やある長さ以上の3D作品は料金が上がります)ので、270台湾ドル(約1000円)と格安でした。

ということで、以下、ネタバレ感想に行ってみたいと思います!
まだちょっとネタバレは待って…という方は、別ブログのネタバレなし感想をどうぞ。








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さて、第1作目のSEEでPJ監督のコメンタリーを観た時点では、今作に入ると割合ストーリーも分岐して複雑になるのかな、という印象でしたが、やはり残念ながら、基本は原作のストーリーラインに沿っているため、お話はドワーフのエレボール奪還、という本線からはあまりはみ出しません。

そこに何とか色をつけようとしたのか、いきなり付け足された冒頭の「ブリ―村」のシーンには意表は衝かれたけど、また「指輪」と同じ場所をグルグル回っている…(まさか「二つの塔」の冒頭と揃えたかったわけでは…)という印象を強める以外、何のねらいがあるのか今一つ分かりづらく、かなり面喰らいます。(ただ単にPJ監督がカメオで出たかっただけかもしれないけど…、あ、ちなみにHFRで見ると、ハッキリ見えすぎちゃって、監督が素でうっかりカメラの前を横切ったみたいでした)

このくだりは恐らく、「指輪物語」追補編から取られているとみられます。会った場所が旅籠(映画では「踊る仔馬亭」)だからです。Unfinished Tales(UT,『終わらざりし物語』)のTHE QUEST OF EREBORの話はちょっとだけ違っていて、2人が会うのは道の上です。手元に日本語訳がないので、とりあえず原文からみると、「指輪物語」の中の、ガンダルフが裂け谷でフロド、ピピン、メリー、ギムリを前に語った回想の別バージョンであるらしく、

スロールはスラインに指輪(ドワーフに贈られた7つの指輪の最後の1つ)を与えたあと、モリアでアゾグに殺された...そのあと、スラインとトーリンはエレド・ルインにとどまったが、2841年にスラインははなれ山に帰ろうとした。アンドゥインの東をさまよっているとき、彼はドル・グルドゥアで捕えられ、指輪を取り上げられてしまう。2850年になって、ガンダルフはドル・グルドゥアに入り、そこの主がサウロンであることを知り、また、亡くなる前のスラインに会うことになる。

ガンダルフはサウロンが力を盛り返したとき、裂け谷とロスロリアンを攻撃するのではと恐れ、何とかサウロンを攪乱したいと画策します。そしてしばしの安らぎを求め、ホビット庄を訪れたとき、ブリ―村近くの路上でトーリンに助言を求められ、驚くことになります。

そのときは見込みなしとトーリンの元を離れてホビット村へ向かったガンダルフは、かつてから知っていた好奇心旺盛な少年ビルボが変わり者の青年となり、ドワーフとまで話をするのだという噂を耳にします。。(もう一つ別のバージョンでガンダルフはビルボが独身だという話を聞いて、実は彼が無意識のうちに、係累のないままでいることを、チャンスさえあれば自由に出かけることを、望んでいたのではないか、と推測しています)。そこで突然、トーリンとビルボが、彼の中で結びつくことになったのです

91年前に潜入したドル・グルドゥアの穴倉で、死にかけた不幸なドワーフを見つけた。それが誰なのか自分には見当もつかなかった。彼はモリアのドゥリンの民の持ち物である地図と、それに付随するであろう鍵を持っていた。そして彼はかつて偉大なる指輪を持っていたと語った。…

彼は地図と鍵を「息子に渡して欲しい」と自分に託して息絶えた。…しかし、ドル・グルドゥルでは他にしなければならないことがあり、それはエレボールのすべての宝物よりも危険で重要なことだった。


そのあと、ガンダルフはこの鍵と地図の持ち主を思い出し、またこれらの使い道を考えつきます。後は映画と似た展開ですが、ビルボを同行させようと20年ぶりに(ガンダルフが最後にビルボに会ったのはビルボが31歳、成人(33歳)するちょっと前のことでした)袋小路屋敷に出向いた後、ビルボが眠りにつくと、ガンダルフはトーリンとビルボを連れて行くことの是非、ガンダルフの真の狙いについて、激しく口論することになります。
(ここのところのトーリンの口ぶりが笑っちゃうんですが…
But if you insist on burdening me with him, you must come too and look after your darling.(だが、あんたがどうしてもあの厄介者をしょい込めというのなら、一緒に来て、あんたのお気に入りの面倒を見てもらわないと困る)だって。はは、「あんたのダーリン」!)

まんまとガンダルフを一行に加えることに成功したトーリン。なかなかやるな。

この回想はガンダルフの言葉で結ばれています。

ペレンノールの戦いを思い起こすとき、デールの戦いを忘れるでないぞ…さもなくばどのような事態に陥ったことか。…ゴンドールには妃なく、我らは破壊と灰へと進むしかなかったであろう。しかしその事態は避けられた―それはわしがトーリン・オーケンシールドと出会ったからじゃ。春まだ浅く、ブリー村からそう遠くない場所で、「僥倖」と、中つ国で言う通りにな。

…うっかりUTを読みだしちゃいました。止まらなくなるとこだった…すみません。

で、なかなか本題に入らなくてすみませんでしたが、要はここの箇所が何だかモヤモヤする形で映画に取り込まれています。

「踊る仔馬亭」でトーリンが一息つこうとすると、周りに座っている怪しい連中が近づいてこようとする。そこへ割って入るかのように、向かいに座るガンダルフ…は良いとして、初対面らしいのにいきなりトーリンに話しかける&父同様、エレボールを奪還してみないか? なんて持ちかけるって展開、いくらトーリンが坊ちゃんだからって、そんなオレオレ詐欺みたいなのに乗るわけないでしょうに!

と思ったら、父が放浪の末、この近くにやってきたという噂を聞いた、と思いっきり個人情報を提供しているトーリン。そりゃ、追っ手に狙われますわな。ガンダルフもあとあと袋小路屋敷でトーリンを、いったい誰に計画をしゃべった!とか責めてるけど、自分じゃん。

まあガンダルフの健忘症は今に始まったことじゃないから置いとくとして、そこで懐から「黒の言葉が書かれた手配書」を取り出すあたり、すでに怪しさMAX。ところがそれをすんなり信じちゃうトーリン。もしもーし!ドワーフのキーリがルーン文字のお守り持ってるくらいはいいけど、黒の言葉が読めるドワーフもちょっと怖いかも。親子2代で魔法使いの毒牙にかかる哀れドワーフ王子の運命はいかに!

で、せっかくブリー村だしここで歌でも歌えば面白かったんだけど、話はシリアスなまんま、いきなり1年後、つまり第一話の続きに切り替わります。

アゾグに追われて(この人に至っては、ドワーフ3代にわたって嫌がらせ、なんかストーカーを呼びよせる家系なんでしょうか)一行が逃げ込む先は、中国語で「換皮人」(わかりやすい)と異名をとる熊男のビヨルンの馬小屋。馬アレルギーをすっかり克服したのか、ビルボは爆睡しております(アレルギーってそんな生易しいものなのでしょうか)。

彼の種族はすべてオークに殺されてしまったと語るビヨルン。にしては、アゾグは彼にビビッて攻撃すら仕掛けてこないのですが、一族の中でとびぬけて凶暴なので生き残れたのでしょうか。似たキャラ、トム・ボンバディルも「指輪」映画では抹殺されてしまったのに、彼の方は映画に出られたってことは、やはり飛びぬけたサバイバーだったのか…。

それはともかく、ほとんどカメオ出演と変わらない、アリバイ程度の尺で彼の出番は終了。ボンバディル抹殺で非難されたから今度は出してみたのでしょうか(ま、3部への布石だと思っておこう。違ったらホント意味不明…)

「指輪」映画関連でいうと、このあとドワーフとビルボはガンダルフと別れて闇の森に入り、クモに襲われる羽目になるのですが、そこでビルボが指輪の魔力に魅入られているような行動をとるシーンがいくつかあります。

でも「指輪」では、彼は自分の意志で指輪を手放した空前絶後の所持者な訳だし、教授も「ホビット」書いてる時点ではそんな魔力を設定してなかったはずなのに…。相変わらず過剰演出のくせは抜けてないらしい。

そして、ビヨルン並みにカメオ出演クラスだったラダガスト。30秒でも2部に出ないと観客が忘れちゃうと思われたんでしょうか。しかもまた一人(と数羽)でドル・グルドゥアに行くって、何のため?肝試し??

そこへ、正直誰が声をやっていてもわかんないほどエコーかかってるサウロンが登場する訳ですが、ハッキリ言って、アゾグの三下の方が黒の言葉が上手く聞こえるのは如何なものかと思います。

ガンダルフはまたつかまってしまい(懲りない人ですね、ってサルマンにつかまる方が後だった)、なんでいつも高い場所に留め置かれているのか謎です。なぜここで殺されてしまわないのか、鑑賞後に議論してみましたが、殺すとやっぱりヴァラールにバレるからダメなんじゃな〜い?(そんなのもうバレバレだと思う)、殺したら何色に復活してくるか分からなくて面倒くさい(白はまだ塞がってますからね...ま、まさか青って…)、お前の友達をまずバラしてからだ(って、モリアティ教授とキャラ入れ替わってますけど)等々、ついに結論は出ませんでした。

そうこうしているうちに、ドワーフとビルボはクモより怖いエルフに捕まることになります。颯爽と登場したレゴラス…はドワーフ相手なので当然垂直上から目線になっております。

「指輪」のときより若干邪悪風味がまぶされた衣装に身を包み、「指輪」にもまして性格悪いレゴラスを演じるオーランド・ブルームは、とても嬉しそう。グローインの所持品を改めたときに、ロケットの中のギムリ母とギムリの肖像画を発見し、眉を「へ」の字にして言い放った言葉をギムリが聞いていたら、頭を斧でかち割られるくらいでは済まなかったでしょう…。ま、このシーンだけでも「ホビット」にレゴラスを出した意味は十二分にあったというものです。

ネタバレは次回エントリー(→ こちら)に続く!

(「ロード・オブ・ザ・リング」「ホビット」関連の記事を最初からご覧になりたい方は、右のカテゴリー欄から「ロード・オブ・ザ・リング」を選んでいただくか、→こちらのリンクから最初に戻ってご覧ください)
posted by 銀の匙 at 13:24| Comment(0) | TrackBack(1) | ロード・オブ・ザ・リング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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