5月3日、5月4日は各1プログラムずつでした。
3日は最終プログラム、夜の10時から相田みつを美術館で、ネマニャ・ラドゥロヴィチのバイオリンによる
「イザイ:無伴奏バイオリンソナタ第2番、3番、4番」
「ミレティチ:独奏バイオリンのための踊り」
とプログラムには書いてありましたが、なんだか昨日のハイドゥークスから一人抜けて来たみたいな風貌で颯爽と登場したラドゥロヴィチは、「まずはミレティチからね」といってゴシゴシ弾き始めました。
この人、出てくる前に舞台の袖で音合わせ(というか、ほとんど本気で演奏していた)してるときから物凄く良い音で、出てきてみれば全身これ音楽のような演奏スタイル、まったく目が離せません。
オーケストラをやってる友達は、長いこと楽器をやってると、だんだん性格が似てくるというのが持論で、ことにバイオリンの人は性格が悪いと言ってました。ソロが取れるので、非常に傲慢な感じになるんだそうです(ちなみに友達のパートはバイオリン;;)。
でラドゥロヴィチはというと、弾いてるときは鬼気迫る雰囲気なのに、一曲終わるごとにニッコリして「じゃあ次は第4番です。3楽章です」と次の説明をしてくれるので、その落差が面白かったです。何せ、最初から最後まで、一言もしゃべらない演奏家も多いですからね…。
そしてお客さんの熱烈な拍手に応え、
「それではよく眠れるように…バッハのパルティータを」(→すいません、確かこれだったと思うけど、忘れちゃいました←これ、サラバンドだったそうです。ぱおっこりぃさん、ありがとうございました。)
と言って、アンコールを弾いてくれました。
***
5月4日は…あっそうだホールAだった。
チャイコフスキーを聴く日です。
ホールAのプログラムはやめとこうと思ったんですが、ヴァイオリン協奏曲ニ短調とピアノ協奏曲第一番という最強の組み合わせだったため、ま、いっか、と思ってチケットを取ったのでした。というわけであまり期待もしておらず、演奏者も全くノーチェックでした。
席は決まっているのでギリギリに会場に滑り込むと、万雷の拍手と共に、まるでシャンプーのCMみたいに美しい黒髪をなびかせたアジア人ヴァイオリストが威風堂々と登場しました。大オーケストラをバックにどんな演奏を聴かせてくれるのだろう、とちょっと期待が高まります。
いよいよ曲が始まり、まるで滔々と大河のように流れ…てゆくはずなのですが、彼女が弾き始めたとたん、きりもみする木の葉が舞い込んだような神経質な雰囲気となり、チャイコフスキーとは別の曲のようになってしまいました。ところが客席は大うけで、第1楽章が終わったところで拍手が湧き起こっております。
第2楽章の緞帳のような重厚さも、第3楽章の華やかさもどこかにすっとんで、頭の中には追い払っても追い払っても、100円でこすると当たりが出ます!という銀のスクラッチシールの映像が湧き出てきてしまい参りました。主旋律がフルートに移るとほっとする始末です。
曲が終わってやっとシールから解放されたとたん、「ブラボー!」の嵐。ああ〜やっぱりホールAはやめときゃ良かった…。オーケストラはまあ良かったんだけど、こりゃちょっと酷すぎる…。
続くピアノ協奏曲は一切期待するのはやめて、今年もオーケストラは聴きました、というアリバイ程度に考えることにしました。ピアノの前には白クマみたいなおっさんが陣取り、指揮者はほとんど無視して演奏を始めました(しかも指揮者もマイクに激突…ダメだこりゃ)。
なんかもう勢いだけで、あるべき音符はすっ飛ばした雑な演奏ですが、さっきのヴァイオリン協奏曲に比べれば格段にロシアっぽい雰囲気が出ています。
その後、演奏は尻上がりに良くなり、オーケストラも迫力満点で分厚い音を聴かせ始めました。この曲の持ち味であるロマンティックな部分も、豊かに響く豪快な部分も、ロシア的な哀愁も、見事に描き出します。
白クマのカデンツァもバッチリ決まり、終わってみれば大満足の1曲となりました。ピアニストはボリス・ベレゾフスキー、オケはウラル・フィルハーモニー、なるほどロシア的な情感に溢れた演奏でした。
最初の曲とは雲泥の差です。
そして、いよいよ5月5日で私にとっては2007年フォルジュルネの最終日となります。
2007年05月05日
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コメントありがとうございます。それから、アンコールの曲名も教えてくださってありがとうございました(どうしても思い出せなくて…)
ほんと、凄い演奏でしたね。楽器を弾いてるというより、彼自体が鳴ってるようでした。来年も来てくれたらいいのに…。