2015年02月01日

蘭陵王(テレビドラマ15/走馬看花編 第9話の1)

皆さま、こんにちは。

新年早々、ご無沙汰しておりました。
もはや新年という言葉も今は昔の感がある今日この頃、皆さまいかがお過ごしでしょうか。
中国のお正月は今年は2月中旬だそうなので、すでに三日坊主になってる方は態勢を立て直すチャンスですよ!(ってそれは私か。)

お正月といえば、その昔、東京都下の某神社で年末から年明けにかけてバイトしたことがあったんです。っていうと、たいてい、スゴイな、巫女のバイト?!って反応が返ってくるんですが、残念ながら違います。第9話を見てたら、何だか懐かしく思い出しちゃいました。

冒頭ですが、ここで3択です。いったい年末年始の神社で、私は何のバイトをしていたのでしょうか!?

1)お神酒を配るはずが罰当たりにも自分で飲んでしまい、起きてみたら周の国にいた

2)ひと月間違えてマメを撒いていた

3)その他

答えは、スクロールした後で!

なんて、のんびりクイズ出してる場合かなのですが、実は1月前半が割合ヒマだったので、うっかり《宮鎖心玉》(『宮〜時をかける宮女』)を見てしまい、蘭陵王の時代から一気に1000年飛んでしまったので、なかなか南北朝に戻れなくて...。

《宮》《蘭陵王》に比べると、お話の展開する場所も狭いし(タイムスリップものなので時代幅は広いですが・笑)、脚本も割合シンプルで、キャラクターで見せる作品なので、気軽に楽しめるのが良いですね。

刺繍がふんだんに使われた衣装は色遣いも美しく、辮髪さえ見なかったことにすればなかなかステキ…。

清朝のことはほとんど知らないので、ふ〜ん、こんな習慣があったんだ〜、とか、こんな制度があったんだ〜、とか、いろいろ新鮮でしたが、時代が現代に近いだけに、きっとそれなりに考証はしてあって、それほどトンデモでもないのでしょう(と信じたい)。

ウィリアム・フォンが演じてる道明寺 司 “八阿哥”は生き生きしてるというか、ホントに“八旗子弟”(満洲人貴族の子弟=現代では、特権階級に生まれついただけで、何の能もないボンボンという意味で使われてます)の生まれ変わりじゃないかと思うほど役柄が板についてて、…あ、いえ、卵型の輪郭に通った鼻筋、涼しい目元、肖像画に描かれる満洲族そのもののビジュアルで(笑)、正直驚きました。

キャラクターにブレがないので、《蘭陵王》のように、この人ホントに同じ高長恭?みたいなことがなくて安心して見ていられますし、この人ホントに絶世の美男子?みたいなことをつい考えちゃうシーンも、他の作品よりは少ない…ような気がする...。

主演の二人(ウィリアムとヤン・ミー)が中盤以降最後まで、ずっと仲が良いのも癒されますよね…。
劇中でヤン・ミーがウィリアムに言う、このセリフ。

“你就像是一本書,要慢慢讀,慢慢讀,才能了解其中的奧妙
可是現在你這本書呢,我只讀了一半 我想用一輩子的時間 來了解你的好”

(あなたは一冊の本みたい。 
ゆっくり時間をかけて読まないと、その深さがわからない。
私が読んだのはまだ半分。これから一生かけて、あなたの良さを知りたいの)
 

絶世の美女からこんなこと、ぜひ、言われてみたいもんです。

さて、お正月、もう1つ思いがけず嬉しかった番組と言えば、

『ブラタモリ』

ですね。

何を隠そう、タモリさんの大ファンな私。外出先でたまたま『ブラタモリ〜京都編』を見かけ、その場でずるずると最後まで見てしまいました。

とても教養があるのにちっとも嫌味じゃないタモリさん。京の地図に刻まれたナゾの直線を、ひと目で「御土居」〈おどい〉と看破するも、拍子抜けするほど自然な雰囲気。

そうです、豊臣秀吉が築いたこの土塁こそ、洛中と洛外を分ける境目でした。そして「洛中・洛外」とはもちろん、京都を古代中国の都、「洛陽」になぞらえて呼んだ事から来た言葉です。

そして今から1400年前、オリジナルの方の洛陽は、周の皇帝・宇文邕〈うぶん よう/ユィウェン ヨン〉の3万の…違うか、5万の…いやもっとか?、10万の…って、強烈なインフレ起こしてて一体ドラマじゃ最終的にはどのくらい居たのかよくわかんないけど、だいたいそんな感じの軍に囲まれ、あわや落城の危機にありました。

第9話前半は全編の白眉。
ここさえ見ればあとは別に見なくても(あ、つい本音が)
ってことで、ここまでの話をおさらいしておきましょう。

ちなみに“白眉”〈はくび〉というのはまたまた三国志に関係ある故事ですが、現代中国じゃもうあまり使わない成語らしいです。(いちおう、辞書には“馬氏五常 白眉最良”(馬家の五人兄弟(名前には全員「常」の字が入っている)の中で、白い眉の者が一番優れている)って形で載ってはいるけど…)

と、冒頭からブラタモリしてると洛陽が陥落しちゃいますので、とりあえず、まずはあらすじをば…。
(前の回(第8回)は→こちら、第1話から見たい方は→こちら へどうぞ。)

第8話までのあらすじ
周の実質上の支配者・宇文護〈うぶん ご/ユィウェン フー〉から実権を取り戻したいと焦る皇帝・宇文邕〈うぶん よう/ユィウェンヨン〉は、軍功を挙げようと突厥〈とっけつ〉から援軍を借り、敵対する斉の要衝・洛陽を包囲します。

対する斉の皇太子・高緯〈こう い/ガオ ウェイ〉は、国境の守備にあたっていた従兄の蘭陵王〈らんりょうおう/ランリンワン〉=高長恭〈こう ちょうきょう/ガオ チャンゴン〉=四爺〈スーイエ〉が毒矢に倒れた隙に兵権を強奪し、洛陽を守って実績を作ろうと画策します。

一方、宇文邕の元に赴いた楊雪舞〈よう せつぶ/ヤン シュエウー〉は、毒矢の解毒薬を手に入れ、同行した韓暁冬〈かん きょうとう/ハン シャオドン〉に秘かに託しますが、自分は周軍にとどめ置かれたまま、宇文邕と共に、洛陽攻城の最前線に伴われることに…


さて、こちらは周の本陣。
宇文邕は腹心の宇文神挙〈うぶん しんきょ〉を通じて、最初に城壁を登った者に金100両、城門を破った者に金1000両を取らせる、と言っています。これはつまり、第1話(→記事はこちら)で周の将軍・尉遅迥〈うっち けい〉が出した報奨金と換算すると、

城壁×100=洛陽城門×10=高長恭

って計算式なんですかね。

安いのか高いのか、よく分かりませんな…。

神挙は、日本語では「洛陽城を陥しまする」とだけ言っていますが、中国語では「2日で」と期限を切っています。

いまや洛陽は風前のともしび、祈るようなまなざしの楊雪舞に向かって宇文邕は強い口調で、
“高長恭已死,你也別痴心妄想。”と言います。

吹き替えでは「目を覚ませ 高長恭は死んだ」と訳してます。中国語の意味は確かにそういうことなんですが、元の中国語の字面だけ見ると、スゴイですよね。“痴心妄想”ってどんだけヘ〇タイなんだか…。

さて、この戦いは歴史上、「邙山〈ぼうざん〉の戦い」と呼ばれています。邙山は洛陽の北にあり、天然の障壁として防衛上重要な意味があったほか、各時代の王陵や墓地が集まっている場所です。呂不韋〈りょふい〉や杜甫〈とほ〉、顔真卿〈がん しんけい〉など有名人の墓地もここにあるらしいのですが、恐ろしいことに、今は山頂が「洛陽北郊空港」という空港になってるらしい。(→空港の位置

いいのか、こんなとこに…。

それはさておき、実は同じ南北朝期に「邙山の戦い」は2回あります。

1回目は543年、北魏が東魏(斉の前身)と西魏(周の前身)に分かれたあとの合戦で、最終的には東魏軍の高歓(蘭陵王のお祖父さん)が西魏軍の宇文泰(宇文邕のお父さん)に勝つという、まさに因縁の戦いでありました。

第2ラウンドが今話題の564年の邙山の戦いで、史実で参戦した登場人物はドラマとは違ってますが、それは後ほどご紹介することにいたしましょう。

宇文邕の、
“進攻!”
「進撃せよ!」
という命令で戦闘が始まります。

この後、蘭陵王のセリフにも出てきますが、古代の戦争では進撃の合図に太鼓を鳴らします。
もちろん太鼓には信頼の黒色馴鹿マーク。

このあと雪舞がすぐ、
「始まるのね」
と言っていますが、中国語で
“戰爭開打了”(直訳すると、戦争を打ち始める)と言っているのは、おそらく太鼓を鳴らす=戦闘が始まる、ということから来た言葉なのでしょう。終わりの合図もこの回で出てきますので、また後ほど。

ちなみに京劇では立ち回りの多い芝居を、“開打戲”と言ったりします。

城壁に群がる兵士は黒い装束に身を包んでいます。
周の兵士が黒装束だったことは史書にも記載があり、

隆化元(576)年12月16日、周軍が晋陽(しんよう;斉の副都)を囲んだ(史実では、安徳王=高延宗=五爺(ウーイエ)が頑張ったものの、この戦いで晋陽は陥落してしまいます)。周軍の将士、兵卒の軍服も、旗指物もすべて黒一色であった。そのため、街の四面は雲のようであった。

とされています。

ただでさえ包囲戦で気が滅入ってるのに、黒雲のような軍団が押し寄せてくるなんて、嫌すぎる。

対する斉軍の軍服がなのは、第7話(→こちら)でご紹介したとおりです。

ある国がどの色をシンボルカラーとするかは、勝手に決めてる訳ではなく(好みで決めてるとこもあるみたいではあるが)、「五行」〈ごぎょう〉の原則によって決めます。

特に、南北朝のように、同時にいくつかの国が乱立してるような状態では、何色がシンボルカラーかが、国の正統性についての、重要なアピール要素になります。

「五行」とは、世界は木・火・土・金・水の5つの要素から成り立っていて、お互いの要素が衰えたり興ったりすることによって、万物が循環する、という思想です。

あれっ、第五元素はリー・ルーじゃないの?と思ったあなた、『フィフス・エレメント』『エア・ベンダー』の見すぎです。

上記映画の設定でも分かります通り、西洋哲学では世界は火・風・水・土の4元素から成り立っていて、木と金がありません。

中国では、季節とか、惑星とか、方角とか、色とか、身体の部位とか、いろいろなものが、この「五行」と結び付けられています。
 
 徳―色―方角―季節―吉祥獣

 木――東――春――青竜
 火――南――夏――朱雀
 土――中央―土用―黄龍
 金――西――秋――白虎
 水――北――冬――玄武

漢文や古代思想などの授業で五行を習った人は、だから「青春」っていうんだよ、とか「北原白秋」ってペンネームはここから取った、とか、都の南にある門を「朱雀門」っていう、とか、玄武岩は主に「黒」だよね、といった、身近な例で、説明を受けたことがおありでしょう。

ここで重要なのは、最初に書いた、それぞれの要素が衰えたり興ったりする、ということ。

古代中国では秦から漢、隋から唐…というふうに王朝が交代してますが、これは「前の王朝が徳を失ったため、天が“革命”(命令をあらためる)して、次の王朝に治めさせる」ためだと説明されます。

ということで、各王朝はそれぞれ、五行の中の「徳」を持っています。たとえば漢は、「木」徳の周から生まれた(周を継ぐ正統性がある、という主張)なので、「火」徳とされます。とすると、漢を継ぐものは、「土」の徳をもっていますので(「火」が燃えると、灰(「土」を生じる)、次の王朝は「土」徳となります。つまり、三国の魏のシンボルカラーが黄色なのは、正統な漢王朝の後継者である、と主張してることになります。

《隋書》(北周の後を継いだ王朝の正史)には、「五行志」というパートがあり、それによると、

(高緯の)武平7年(576年)、夜半に、宮中の樹が訳もなく倒れた。斉は「木」徳であるので、故なくして倒れるのは亡国の前兆である。

さらに同じ年に関する記述として、

 并州で赤蛇と黒蛇が争い、数日後、赤蛇が死んだ。赤は斉の国色である。

ここから、斉の国の徳は「木」、シンボルカラーは「」であることがわかります。…って、木徳ならじゃないのか!?と視聴者のみならず、中国の歴史学者もツッコんでいるのですが、《北斉書》や《北書》、それに前回もみたお墓の内装や副葬品からも、が尊ばれていたことが分かるので、結論として「高一族が赤が好きだったからでしょ」と、歴史学者も匙を投げています(単なるワガママかい!)。

だから滅びるんじゃ、ボケ!と言いたいところですが、何かきっと理由はあるんでしょうけどね…。

「邙山の戦い」第1ラウンドでも分かりますように、北魏が分裂したあと、宇文氏は西魏、高氏は東魏についていました。西魏のシンボルカラーは、東魏のシンボルカラーはでしたが、その当時、「に勝つ」という噂が流れていたため、高氏は道士の助言を聞き入れ、黄色をに変えたという話もあります。

周の方は、(北)魏の「水」徳(北魏はどうやら途中で徳性を土から水に変えたらしい)を継いで、こちらも「木」徳を称しました。どっちも「木」徳じゃ同じですが、つまりどちらも、水は木を生む―(北)魏の正統な継承者、だと主張してた訳です。

周は西魏のシンボルカラー、を引き継いで替えませんでしたが、そこにも「噂」が影響していたと言われています。この話は面白いので、また、先の回でご紹介いたしましょう。

さて、ルな戦場に目を戻しますと、梯子を掛けて城壁に取りつく周の兵士たちに向かって、“狼牙棒”とか投げ落としている斉の兵士たち。たしかに、鉄のトゲトゲはイタそうですが、こう次から次から登って来られたんじゃ投げるのも間に合いません。

ちなみにこの“狼牙棒”という言葉、トゲが付き出してる様子からの連想か、「無精ひげ」を指して言ったりもするようです。

長いこと伏せってはいましたが、無精ひげを生やすと別キャラかネタバレになってしまう(この段階では)との制作側の配慮が利いたのか、四爺はお肌の調子もよさそうで、
「敵の10万の軍勢に対してこちらはわずか500、天の時 地の利 人の和が勝利の鍵だ」
と宣言しておられます。

それではここで、蘭陵王軍の作戦を見てみましょう。

まずは、敵が洛陽の都を攻めるのに集中している隙をとらえて、陽動作戦を開始します。

先発は楊士深。洛陽に向かって進撃する周軍の背後から突撃。
その動きが本陣に報告されると、宇文邕は尉遅迥〈うっち けい〉将軍に追撃を命じます。

宇文邕は、必ずや尉遅迥を差し向けるであろう、と四爺に用兵を思いっきり読まれていますが、四爺は士深に対しても、邙山の麓まで敵を誘い出せ、日本語では「引き際を見極めよ」、中国語では“這時千萬不要戀戰”(このとき、決して戦いにこだわってはならぬ)、山頂で暁冬と合流せよ、と指示しています。

楊士深もきっと熱くなっちゃうタイプなんでしょう。実に的確(笑)な指示ですね。

尉遅迥は必ずや功を立てようと追ってくる、とこれも長年のお付き合いで良くご存じで。

斜面を駆け上ってくる尉遅迥たちが足を取られているすきに、山頂からは暁冬たちが大木と岩を落とし、敵の勢力を削ぐ…という段取り。

これはまさに《孫子》軍争篇の応用です。前回(第8回)→こちら同様、湯浅邦弘先生の訳でどうぞ。

“用兵之法,高陵勿向,…,佯北勿從,..歸師勿遏,圍師必闕,窮寇勿迫,”
(軍隊を運用する際には、高い丘の上に布陣している敵軍に向かって攻撃してはならない。…偽りの退却につられて深追いしてはならない。敗北の決断をして帰国する軍隊をとどめてはならない。四方を包囲した敵には必ず一か所退路をあけておき、どうにも進退が窮まった敵をぎりぎりまで追い詰めてはならない)

蘭陵王は配下の軍勢と一気に山を駆け下り、周軍の後方を衝きつつ、
“到時 他們有如俎上之肉 任憑宰割”(ここに至れば、彼らはまさに俎上の肉、いかようにも切り刻めるだろう)と言います。

中国語じゃ、まな板の上にいるのは「鯉」じゃなくて、「肉」なんですね…。しかし、なんとなく…なんとなく勘で、これは普通のまな板じゃなくて、生贄の儀式かなんかに使うヤツじゃないのかという気もするのですが、つか、四爺怖すぎるからこれ以上詮索するのはやめとこ。

これが地の利。

さあ、四爺が華々しく登場いたしましたところで新企画、本日のファッションチェック参りましょう。

四爺はポニーテールに般若のマスクを被り、縦ロールの弟君・五爺とはマスクはバイカラーのコンビネーション。首からは鎖帷子がのぞき、背中には「朱雀マーク」の大マント。

先にも申し上げました通り、「木」徳だったら、シンボルキャラは「青龍」のはずなんですが、そしたらゆるキャラ対決で被ってしまうリスクがあるのと(?)、赤一色のシンボルカラーの真ん中に「青龍」がいたんじゃ、趣味悪すぎと思ったのか、赤のシンボルキャラ「朱雀」を配しています。

第一話でおばあ様が、高緯は「朱雀の星に守られている」と言っていましたが、守護星が火星だったのかも知れないし、国のシンボルが朱雀だからなのかも知れません。

話が逸れました。
ファッションチェックに戻ると、四爺はペイズリー柄の袍の上に鎧を着ています。陣内にいるときは“明光鎧”というタイプの、ほとんどの部分が革製の鎧を着ていて、胸の円護と、小札になっている部分が金属製なので、相対的に軽い(しかし防御力は弱い)と思われます。

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6話で四爺が着てるのも、たぶん“明光鎧”の一種。

しかし、第1話から、出陣するときは今回の鎧を着てますね。

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私は韓流の時代劇を見たことないのでよく分かりませんが、韓国のドラマ紹介で似てる鎧をみかけるので、時代考証の結果というより、その辺からヒントを得たのでしょうか…。

史実的には、当時の重騎兵の鎧は鉄か銅で出来ていたため大変重かったようで、『武器と防具(中国編)』によると、この時代の騎兵は全装備で40キロを超えたとあります(道理で踏雪が機嫌悪くなるわけだ)。

四爺が今回着ている鎧は、右側の肩当て(肩鎧)が長く、左は短く見えますが、よく見ると右側は普通の鎧の上に、もう一枚、肩当てを「重ね着」しているようです。

鎧のことは詳しくないので推測ですが、たぶんこれは“披膊”という装備で、第8話の写真で紹介した出土品を見ると、何枚か重ねてつけています。
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この兵士の来ている鎧も“明光鎧”です。

中国のデザインはよろず左右対称を重んじるのに、なぜドラマではアシンメトリーなデザインにしたのかは不明です。このドラマの中で、片側だけに防具をつけてる人としては他に宇文神挙がいます。たぶん彼は文官じゃないと思うのですが、他の人に比べると驚くほど軽装です。防具は左手側につけています。

中国武術をやってる人に聞いたら、両方同じ防具をつける、というパターン以外に、剣を持つ方の手は軽く、反対の手は防具を厚くするか盾を持つというパターン、長い槍や、上から振り下ろすタイプの太刀を使う人は利き手の側に肩当てをつける、というパターンもあるんだそうです。

本当にそれが理由かどうかはあまり保証できませんが、確かに四爺は、第1話では長槍を使っているし、この後の突撃シーンではは剣を後ろに高く挙げて持つスタイルなので、肩鎧が動くタイプじゃないと邪魔なのでしょう。

それにしても四爺は、屋上屋を架す重装備の割には兜をかぶってませんね。メットは大事だと思うんですが…。

実は、《北斉書》の段階では被ってたのは兜のようなんですが、唐時代の資料では「面」になっちゃってるらしい。

で、渋谷からやってきたと言ってもおかしくない、この奇抜なファッションの一団に周軍は、「奇面組だ!」じゃないや、鬼面軍だ!と怯えております。

さて、暁冬が日本語でこっそり漏らした機密、「ふとんがふっとんだ〜」作戦も発動され、周の陣中にふとんと共に仕込まれた“火樹銀花”に火矢が放たれます。

これが天の時。

周軍は大混乱、爆音は本陣のすぐ後ろに迫ってきます。
非常事態にもキビキビと言葉を交わす、皇帝陛下と宇文神挙の会話は、まるで電報文みたいです。
“他有多少兵馬”「兵の数は?」
“大約五百”「およそ500騎」
“以卵擊石”(卵で石を撃つようなものだ=無謀な試みだ)
ここの、「あなどられたものよ」
は実に名訳ですな。

一挙に形勢が不利となり、まさか雪舞が一枚噛んでるのではと、こちらも野生の勘で疑う皇帝陛下。それでもなお、
“你永遠會是朕一個人的,一個人的天女。因為得天下的 肯定是朕”(そなたは永遠に朕ひとりのもの、朕ひとりの天女だ。なぜなら天下を得る者は必ず朕だからな)と公言してはばかりません。

そんなことしてる間に、一堂 零〈いちどう れい〉の率いる三年奇面組、いや、蘭陵王の率いる精鋭軍は、いよいよ洛陽城門の前、敵陣の一番厚い部分に到着。敵の後ろにいるうちはまだしも、前に出てきたら攻撃されちゃうんじゃ…と思っていたら、蘭陵王軍はいきなり手榴弾を投げ始めます。さすがにこれは避けざるを得ないでしょう。投げる前からふっ飛んでる人もいるくらいですし(笑)

おお、そしてついに全編のハイライト到来。

「并州〈へいしゅう〉刺史〈しし;長官のこと〉蘭陵王である、城門を開けよ」
と、大音声で命じます。蘭陵王といえばルックスばかりが話題になりますが、忘れちゃいけない、史書では“音容兼美”(声も姿も共に美しかった)って、声も褒められてたんですよね。

その美声にすぐ応じようとする城内の将を斉の皇太子・高緯〈こう い〉は止めます。敵の策略かもしれぬって、当然そう思いますよね…。

あわや四爺ハリネズミの図か…というところで、例の見せ場、仮面を取るシーンが。

いやしかし、昔の人は目がいいんですね。城門だって低くはないでしょうに、あんな遠くからすぐ本人と認知されています。だから、すごい美男子で顔を知らなくたってあれが噂の蘭陵王だと皆が分かった、というストーリーに変換されちゃったのでしょうね。

それに皆が顔を知ってるようなら、尉遅迥だって第3話「あやつの面相をみた者はいない」と言うはずないと思うし(絶対斉軍にはスパイを紛れ込ませているはず)。

てことで、皇太子が命令を取り消さないうちに、洛陽城の門はとっとと開けられ、独孤永業〈どっこ えいぎょう〉将軍と洛州刺史〈らくしゅうしし〉の段思文が挨拶に現れます。

独孤永業は蘭陵王のお父さん・高澄〈こう ちょう〉に重用された武人で、得意技はダンス(?)、史実でも、邙山の戦いで守備に功績があったと伝えられる人です。この人も苗字が2文字(複姓)ですね。

彼らは四爺に、
“王爺辛苦了”(皇子、ご苦労さまでした)
と声を掛けています。日本語で考えてもちょっとヘンですが、中国語でも、ふつう目上の人に“辛苦了”とは言わないんじゃないかと思っていたけど…。

“辛苦了”という言葉で思い出すのは、毛沢東とか、エライ人(?)が視察とか閲兵式とかに行って声を掛けるシーンです。

“同志們,辛苦了!”(同志のみなさん、お疲れさん!)

ちなみに模範のお返事は、

“為人民服務!”(人民のために頑張ります!)

さすがに目上の人に「お疲れ!」はないだろうと思ったのか、ここの吹き替えは、「よくぞお越しを」と上手いこと逃げました。

しかし、人民のために服務する四爺と来たら、兵権を取り返した訳でもないのに、皇太子殿下を差し置いて勝手に進撃命令を出したり、どういうつもりなんでしょうか、と祖珽〈そ てい〉の顔に書いてあります。

祖珽は文官ですが、武の方でも活躍した人。南北朝時代の歴史を記した《北史》祖珽伝に、こんなエピソードが残っています(長いのでテキトーに摘まんで、例によってテキトーに訳しました)。

祖珽が北徐州の刺史だったころ、南朝の陳軍が攻めてきました。祖珽は城門を開けたままにさせ、音を出すことも、外を出歩くことも禁じたため、陳軍は人の住んでいない街かと思い、警戒をゆるめてしまいます。ところが夜になって街の住人たちに命じて大声をあげさせたため、兵士たちは驚き慌てて逃げ出しました。さすがにすぐ態勢を整えて再度侵攻してくるのですが、今度は祖珽自ら兵を率いて迎撃します。

陳軍は祖珽がめしいだと聞き及んでおり侮っていたところ、いきなり弓に矢をつがえ、止まることなく射てくるので慌てふためき、結局、やっぱり逃げていったということです。


ってことで、孔明同様、祖珽も「空城の計」(これも三十六計の一つ)の使い手だったわけです。孔明は逃げましたけど、祖珽は勝ちました。

その功績を称えてかどうかは知りませんが、祖珽伝は約6000字。たった500字しかない蘭陵王の記述の12倍くらいあります。

そんな軽い扱いに憤っているのか、四爺は無駄にエキサイトしています。

“一鼓作氣 定能把他們殺個片甲不留!”

吹き替えでは、「よいか皆 突撃せよ 敵をあまねく殲滅するのだ!」と言ってますが(もちろん意味は合っている)、中国語の方は「鎧のかけらも残さないように」と、殺し方の指示が、より具体的です(怖)

セリフの前半、“一鼓作氣”というのは、戦いが始まったときに鳴らす陣太鼓と関係のある言葉で、太鼓を鳴らしたら爆発的に力を発揮する、つまり、一気に物事をやり遂げる、という意味です。

出典は《左傳》〈さでん〉にあります。

紀元684年、春秋時代。魯国と斉国(当時存在した国の名です)が交戦したときのこと。敵が太鼓を鳴らして進攻してきたため、魯の荘公〈そうこう〉が応戦しようとすると、大夫の魯劌〈そう かい〉が止めます。

二回目の太鼓でも、魯軍は全く動く気配を見せません。ついに三回目の攻撃をかけてきたとき、魯軍は突如太鼓を打ち鳴らし、猛反撃して、敵を散々に打ち破りました。

後に荘公が、なぜ敵が三度攻撃するまで出陣しなかったのかと尋ねると、魯劌は「いくさは兵士の勢いにかかっています。陣太鼓は士気を鼓舞するためのもの。一度目に打ったときは士気があがっていますが、二度打つうちに衰え、三度目にはほぼ尽きてしまいます。そこへ我らが一気に力を出せば、当然、敵を打ち破ることが出来るのです。」


四爺もなかなか上手いこと言う、と申しますのも、これまで洛陽を守っていた(北)斉軍は、籠城していて撃って出なかった(出られなかった)わけですが、この一言によって、それは単に受け身だったんじゃなく、ここで爆発的に反撃に出るために力を溜めていたんだ!と、味方に思わせたからです。

皆さん、思いっきり、士気あがってますよね。

とはいえ、四爺がアジってる下に倒れている人々は、かつての四爺みたいに馬に踏まれちゃ大変だ(第2話こちら)という学習の成果か、なんか人形っぽいですね。

勢いにのる中国語の四爺は、このあとの、
「いざ!」
も、もっと具体的に、
“殺!!”
って命令しています(もう怖いのは分かったから)。

第2話で、四爺は、戦場ではコスプレしてれば 仮面をつければ慈悲の心を捨てて非情になれるとおっしゃってましたが、今は外してるけど、相当非情です。

ここで戦場に、いきなりどっちでもない服の人も出てきていますが、これが洛陽の住民なのでしょう。前の回で祖珽に、「鋤とか持って戦え」って言われたんで、その通りにしているんでしょうか(素直な人たちだこと)。

さらに次のシーンは、なんでこんなことになるのか意味不明(…ファンサービスの一環か?)ですが、いきなり敵の総大将(宇文邕)と、立ち位置がよくわからない将士(蘭陵王)の一騎打ち。

豹柄の弓VS蛇柄の弓の戦いです。
まったく、ヤンキーのタイマンかよ…

ここでつがえてる矢の箆〈の〉“桿”が微妙に曲がってて、こんなんで真っ直ぐ飛ぶのか? と気になってしょうがないんですが、素材には何を使ってるんでしょうね。通常は、竹や“樺”が良い、とされているようなのですが、それとも「大リーグボール」みたいに、わざと曲がるようにしてるのかしらん?

どんな材料であれ、とりあえず矢は飛んできたので、四爺は剣で払いますが、陛下は鞘で払ってます。剣を振るうまでもないっつーパフォーマンスでしょうか。
 
戦局が膠着してくると、だんだん遠征軍が不利になります。ここは尉遅迥将軍を投入してさっさとケリをつけたいところ。

ところが、ここでいきなり大冢宰〈だいちょうさい〉・宇文護から直接、尉遅迥に帰京の命令が下ります。 
さすが大冢宰、達筆ですな。つか、本人が書いたんじゃないでしょうが、よくもこのタイミングに間に合ったものです。

尉遅迥将軍は親を人質に取られているので命令を聞くしかないのですが、史実では、この「邙山の戦い」に関連して、意外な人の身内が人質に取られてるんですね。そのあたり、後ほどご紹介いたしましょう。

戦闘は膠着状態に陥っているようですが、四爺は何かを待っています。
もうじき申の刻、と言いながら、太陽を見ているのは、
申の刻が16時〜18時を指すからです。
冬12月、洛陽の日没は17時20分ごろ。申の刻には、そろそろ日も落ちかかるころでしょう。

そこへ、途中で足止めされていた、斉の斛律光〈こくりつ こう〉将軍到着のしらせ。

宇文邕は宇文神挙を遣わして、尉遅迥将軍に応戦するよう命じますが、神挙を前に、尉遅迥は文字通り兜を脱いでしまいます。

ここで、神挙が人差し指を尉遅迥の鼻先に向かって指しているのは、強い非難のジャスチャー。自分の行いを見よ、ということですね。このとき左手で指しているので、左利きなのかなと思いましたが、他のドラマでもこの動作を左手でやってるのを何度か見かけたことがあるので、必ずしも利き手でやるわけじゃないのかも。

そんな細かい詮索はともかく、じゃ、後はシクヨロ、ばっはは〜い!(古っ!)と、いまどきバイトの女子高生だってやらない無責任な戦線離脱の行動をとる尉遅迥に、さすがの神挙もなす術がなく、宇文邕に緊急事態を報告すると、ほとんど拝まんばかりに退却の命を下すようお願いします。

さもないと、周軍全員、『モンガに散る』…じゃなくて、「洛陽城下に散る」になっちゃうもんね。

ただでさえ頭の上がらない突厥〈とっけつ〉のお舅さんに、無理やり援軍を出してもらった宇文邕の脳裏には、いろんなものが走馬灯のように駆け巡っているでしょうが、ここは耐えがたきを耐え、撤兵を命じます。

待ってましたとばかり、命令を伝える神挙が審判員みたいにキビキビしてる(「一本!」)のが何となく笑えるのですが、この人は常に動作がキレッキレなので、他意はないものと思われます。

さて、進攻の合図は太鼓でしたが、退却の合図は鐘です。これを、“鳴金收兵”といいます。戦場で使われる鐘はドラマの通り、青銅器で出来ており、“鉦”といいます。

二人がかりで吹いている青銅製のアルペンホルンみたいなものは“號角”といい、こちらは兵士を集合させるときに使います。

負けて悔しい宇文邕は、

“蘭陵王 這次朕 不是輸給你 而是 輸給了宇文護
朕一定會捲土重來”
(蘭陵王よ、今回はお前に負けたのではない。宇文護に負けたのだ。朕は必ずやこの失敗を取り返すであろう)

と負け惜しみを言ってます。なぜ宇文護に知られたのか、その理由が分かっていたら負け惜しみさえ言えなかったでしょうに…。

“捲土重来”〈けんどちょうらい〉は日本語でも使いますし、出典の杜牧〈と ぼく〉の詩ごとご存じの方も多いでしょう。

題烏江亭  杜牧  烏江亭〈うこうてい〉に題す

勝敗兵家事不期  勝敗は兵家〈へいか〉も事〈こと〉に期せず
包羞忍恥是男児  羞〈はじ〉を包み 恥を忍ぶこそ これ男児
江東子弟多才俊  江東〈こうとう〉の子弟 才俊多し
卷土重来未可知  巻土重来 未〈いま〉だ知るべからず

劉邦〈りゅう ほう〉との天下分け目の「垓下〈がいか〉の戦い」に敗れた項羽〈こう う〉は、烏江〈うこう〉亭(宿場)にたどり着きます。

宿場を管轄する長に、この地で再興を図ってはどうかと勧められた項羽は、「この江東の地の者たちを連れて決起したのに、いま一緒に戻った者は一人もいない。江東の者たちが憐れんで私を王にしてくれたとしても、とても顔向けはできない」と言い、自害します。

晩唐の時代になって、同地を訪れた杜牧は、勝敗は軍師にすら予測はできないもの 恥を知り、それに耐えてこそ真の男だ 江東には優れた若者が多いのだから 再興の機会はあったかも知れないのに、という感慨を込めた詩を詠みました。

ここから、手ひどい失敗をした武将が、土煙を上げて再度攻め寄せる=態勢を整え、勢いを盛り返して再チャレンジする、という意味で使われるようになったということです。

ってことで、さしもの宇文邕も、こっぴどく負けた、という認識は一応あるようですな。

日本語の宇文邕の方は、さらに負け惜しみが強くて、失敗もなかったことにしたかったらしく、
「蘭陵王 朕はおぬしに負けたのではない 宇文護に負けたのだ
待っておれ 次にいくさ場で会うのが楽しみだ」

と、ポジティブに総括しておられます。

悲惨な戦いも終わり、斉の兵士たちは物資を拾っています。当然ながら、ここで拾ったものは国のものなのですが、史実では、蘭陵王は自分の評判が高くなりすぎたため、妬まれるのを恐れて、戦場で拾い集めた敵軍の物資を横領し、評判を落とそうと画策しました。そんなことしちゃ却って危ないよ、と親切な臣下が教えてくれたんでやめたんですけど…。

ここでは、やや微妙ではありますが、横領ではなく回りまわって自分の持ち物を拾った、ということだけで済んだみたいですね。

一大決心をしてあげたプレゼントの玉佩〈ぎょくはい〉を捨てて逃げるなんて、いったいどういう了見なんだ雪舞はよっぽど切羽詰まっているに違いないと、四爺は心配のあまり半泣きです。

兵士たちはそんなものには目もくれず、必死で矢を集めています。一回の戦闘で、惜しげもなく、一人何十本も射てしまう訳ですが、手作りだから、また補充するのは大変です。

《三国志演義》(史実じゃなくて、小説のほう)の有名なエピソードに、赤壁〈せきへき〉の戦いの折、蜀国の諸葛孔明は、手を組んだ呉国の将・周瑜〈しゅう ゆ〉に10日で10万本の矢を用意せよという無理難題を吹っかけられ、霧の夜に船を出し、曹操に矢を射かけさせて見事10万本を集めた、という話があるほどです。

西欧の戦記モノでも、同様に戦場で矢を集めるシーンがあります。『ロード・オブ・ザ・リング』でも出てきましたね。

細かいことですが、こういう描写があるととてもリアリティを感じます。ほんと、大変なんですって、矢を作るのは。

ってことで、冒頭の三択の答えは「(3)破魔矢を作る」でした!

さて、第1ラウンドに引き続き、このたびの「邙山の戦い」も斉の勝利に終わりましたが、史実ではどうだったのかと《北史》を見てみても、蘭陵王に関する記述のところには、37字しか書いてません。

蘭陵王長恭以五百騎突入周軍,遂至金墉城下。城上人弗識,長恭免冑示之面,乃下弩手救之。

蘭陵王長恭は500騎で周軍に突入し、金墉城下まで迫った。しかし城壁の上の者たちは彼が誰か分からなかった。長恭が兜を脱いで顔を現すと、弩手を遣わしてこれを救った。

何だしょうがないな〜。大げさに言ってるけど、小競り合いだったのか…ということではなくて、実は、他の人の伝記のところに、もっと長々と説明文があるんですね。

それではご覧いただきましょう、「段韶」〈だん しょう〉伝

話はまず、戦いの前年、563年から始まります。例によって、あまりここでは関係してこない官名とかははしょって、テキトーな訳にてお送りいたします。

《北斉書》 巻16
十二月,周武帝遣將率羌夷與突厥合衆逼晉陽,世祖自鄴倍道兼行赴救。突厥從北結陣而前,東距汾河,西被風谷。
河清二年(563)12月、周の武帝(宇文邕)は将に命じ、羌夷〈きょうい〉、突厥〈とっけつ〉の連合軍と共に斉の晋陽〈しんよう〉を囲ませた。世祖(武成帝・高湛)は都・鄴〈ぎょう〉から救援に向かったが、北からは突厥が南下し、東は汾河〈ふんが〉(→第7話参照)、西は風谷にまで迫った。

時事既倉卒,兵馬未整,世祖見如此,亦欲避之而東。尋納河間王孝琬之請,令趙郡王盡護諸將。時大雪之後,周人以步卒為前鋒,從西山而下,去城二里。

自軍は陣容も整わず、危ういと見て取った世祖は、東に退こうとした。しかし、河間王・孝琬〈こうえん〉(蘭陵王の異母兄・第三皇子)の求めに応じて、趙郡王に諸将をできるかぎり援護するよう命じた。大雪の直後だったため、周は歩兵を前哨とし、西山から攻め下り、晋陽の街から二里の近さまで迫った。

諸將咸欲逆擊之。詔曰:「步人氣勢自有限,今積雪既厚,逆戰非便,不如陣以待之。彼勞我逸,破之必矣。」

諸将は迎え撃とうとしたが、段韶は言った。

「歩兵にさほどの勢いはありますまい。目下、雪は深く、交戦には不向きです。ここは堅く守り、敵の疲れを待てば、我らの勝利は堅いでしょう」


既而交戰,大破之,敵前鋒盡殪,無復孑遺,自餘通宵奔遁。仍令韶率騎追之,出塞不及而還。世祖嘉其功,別封懷州武コ郡公,進位太師。

その後、大いに敵を破り、その先鋒を全滅させた。生き残った者はおらず、続く後方の部隊は夜に乗じて逃げさった。帝は段韶に命じて追撃させたが、追いつけずに戻った。この軍功により、段韶は太師の位を授けられた。

ということで、前年の晋陽攻防戦は段韶の働きにより、見事勝利を得、この軍功によって段韶は大師に昇進しました。

これで収まらないのが突厥です。

護聞閻尚存,乃因邊境移書,請還其母,並通鄰好。

(周の大冢宰〈だいちょうさい:官名〉・宇文護〈うぶん ご〉の母、閻〈えん〉氏は長らく斉の捕虜となっていた)母親が存命と知り、宇文護は手紙を斉に送って、母親を帰してくれるよう頼み、和睦を申し入れた。

なんと! 母親を人質に取られていたのは宇文護だったんですね! しかも、斉の国に…。

時突厥屢犯邊,韶軍於塞下。世祖遣黃門徐世榮乘傳賫周書問韶。

このとき、突厥がたびたび辺境へ侵攻していたので、段韶は国境で守備に当たっていた。世祖は黄門(官名)の徐世福を遣わして、宇文護の手紙について段韶の意見を仰いだ。

韶以周人反覆,本無信義,比晉陽之役,其事可知。護外托為相,其實王也,既為母請和,不遣一介之使申其情理,乃據移書即送其母,恐示之弱。

段韶は、「周は信用なりません、先の「晋陽の役」が何よりの証拠です。宇文護は対外的には丞相ですが、実質的には周の支配者、母親のことで講和を申し入れてきたといっても、特使ひとりよこすわけでもない。たった一枚の紙切れで母親を送り返すことは、周に対して弱腰な態度を見せることです。」

如臣管見,且外許之,待後放之未晚。不聽。遂遣使以禮將送。

「ここは同意したという体にして、しばらく経ってから解放しても遅くはないでしょう」、と言ったが、帝は聞き入れず、使者を立て、礼をもって送り届けた。

さて、ここからですが、史書によって若干記述が違います。まずは《北斉書》の方から見てみましょう。

護既得母,仍遣將尉遲迥等襲洛陽。詔遣蘭陵王長恭、大將軍斛律光率衆擊之,軍於邙山之下,逗留未進。

宇文護は母親を取り戻すと、尉遅迥〈うっちけい〉らに命じて、洛陽を攻撃させた。帝は蘭陵王長恭、大将軍斛律光に、兵を率いて防御にあたるよう命じた。軍は邙山のふもとに駐留し、前進できずにいた。

指揮官は違えど、手足として働かされる人は史実でも双方同じ…(哀)

世祖召謂曰:「今欲遣王赴洛陽之圍,但突厥在此,復須鎮禦,王謂如何?」韶曰:「北虜侵邊,事等疥癬,今西羌窺逼,便是膏肓之病,請奉詔南行。」世祖曰:「朕意亦爾。」乃令韶督精騎一千,發自晉陽。

世祖は段韶に尋ねた。
「そなたを遣して洛陽城の囲みを解こうと思うのだが、突厥軍を防ぐ必要もある。いかがすべきか」
段韶は言った。
「北の蛮族の侵攻は容易に対処できますが、西の羌は国内を窺っており、こちらの方が憂うべき災いです。南へ向かって軍を進めるようお命じください」
世祖は、
「私も同じ考えである」として精鋭千騎を与え、晋陽から出発させた。


やっぱり段韶太師の言った通り、恩知らずの宇文護は攻めてきたじゃないか…と思ってしまうのですが、上の状況について、《資治通鑑》は若干補足しています。

晉公護新得其母,未欲伐齊;恐負突厥約,更生邊患,不得已,征二十四軍…,凡二十萬人…周主授護斧鉞於朝庭…親勞軍于沙苑…。

晋公護(宇文護のこと)はその母を得て、斉を討つことを欲しなかった。その一方で、ふたたび辺境に争乱が起きることを恐れ、突厥との取り決めに違背することもならなかった。やむを得ず、二十四軍、およそ二十万を召し出した…周主(宇文邕)は朝廷で宇文護に斧鉞を与え、沙苑で自ら軍を労った…

宇文護は突厥と連動して斉を攻めると約束しており、破ったらどうなるか分からなかったのです。
つまり、戦いを主導したのは突厥宇文護
宇文邕は遠くから激励してるだけです。

そりゃー考えてみればドラマの方はヘンですよね。宇文邕の動きは何でも宇文護に筒抜けなのに、突厥に兵を借りに行ったり、長いこと失踪したり、5日以上かけて黄河を移動したりしてるのを宇文護に知られないはずがありません。

一方、いやいや洛陽に攻めに行っている史実の宇文護率いる、二十万もの大軍は何してるかというと…。

周人為土山、地道以攻洛陽,三旬不克。晉公護命諸將塹斷河陽路,遏齊救兵,然後同攻洛陽…。

周兵は築山をきずき、地下道を掘って洛陽に迫ったが、30日経っても攻略は叶わなかった。宇文護は配下の兵に命じて壕を掘って河陽道を寸断し、斉の援軍を阻止したのち、洛陽を攻めようと目論んだ。

さすが洛陽は守りの堅い都市、30日もの籠城戦に耐えています。
一方の攻撃側はあまりモチベーションが上がっていません。
これでは攻略が進まないのも当然です。

この後はまた《北斉書》の方が詳しく書いています。

五日便濟河,與大將共量進止。韶旦將帳下二百騎與諸軍共登邙阪,聊觀周軍形勢。至大和谷,便值周軍,即遣馳告諸營,追集兵馬。仍與諸將結陣以待之。

5日後、黄河を渡り、段韶は大将たちと対策を協議した。翌朝早く、段韶は二百騎を率いて山を登り、周軍の陣を確認しようと考えたが、大和谷で周軍と遭遇した。すぐさま人を遣わし、各軍に兵を集めるよう指示し、手勢を分散して備えた。

韶為左軍,蘭陵王為中軍,斛律光為右軍,與周人相對。
段韶は左軍、蘭陵王は中軍、斛律光は右軍として周軍と対峙した。

韶遙謂周人曰:「汝宇文護幸得其母,不能懷恩報コ,今日之來,竟何意也?」周人曰:「天遣我來,有何可問。」韶曰:「天道賞善罰惡,當遣汝送死來耳。」

段韶は周軍に向かって叫んだ。
「お前たちの宇文護は幸いにして母を取り戻したのに、徳を以て報いなかった。今日ここに来たのは何のためか」
周軍は答えた。
「天が我らを遣わしたのだ。聞くまでもあるまい」
段韶は答えた。
「天は善を褒め、悪を罰するものだ。お前たちは滅ぼされるために遣わされたものであろう」


周軍仍以步人在前,上山逆戰。韶以彼徒我騎,且却且引,待其力弊,乃遣下馬擊之。短兵始交,周人大潰。其中軍所當者,亦一時瓦解,投墜溪谷而死者甚衆。

周軍は歩兵を先頭にたて、山頂に向かって駆け上がってきた。段韶は、徒歩の敵に騎馬の我々が対峙しているのだから、兵を引いて誘い込み、疲れさせて一気に攻撃すれば、総崩れになるだろうと考えた。接近戦が始まると周軍は壊滅状態に陥り、中軍の当たるところ、あっという間に散り散りとなって、渓谷に堕ちて死ぬ者が多く出た。

洛城之圍,亦即奔遁,盡棄營幕,從邙山至榖水三十里中,軍資器物彌滿川澤。車駕幸洛陽,親勞將士,

洛陽城を包囲していた敵も、陣幕すら捨てて逃げ去り、邙山から穀水の間、三十里には、いたるところ敵の物資が散乱していた。帝は自ら洛陽に赴いて将士を慰問し労った。

ということで、段韶太師の活躍により、洛陽は陥落を免れました。

しかし、皇帝陛下に労ってもらう前に、四爺には探さなくちゃいけないものがありました…。

ちょっとここまで長くなりすぎちゃったので、後半はまた次回に。…とは言っても、申し訳ないんですけどこのドラマのロマンチック部分にはさほど興味がないので、短くなっちゃうとは思いますが…。

では、また次回、「第9話の2」(→こちら)にてお会いしましょう!
posted by 銀の匙 at 14:33| Comment(10) | TrackBack(0) | 蘭陵王(テレビドラマ) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
お待ちしておりました〜!!!
ブラタモリ京都編、偶然だったのですが私も見ました!
こんなところで洛陽が登場するとは…と、少々興奮しながら見てました^^

ボウ山の戦いに関する詳細な史実解説とファッションチェック、実に面白かったです。

ボウ山の戦いが実は二度あったとは!
しかも二度とも高一族対宇文一族の戦いで、高の方が勝ったとは・・・歴史の不思議ですね。
美形が多いけどエキセントリックな人も多く、赤が好きな高一族・・・妙に興味がわいてきます。

>第2話で、四爺は、戦場ではコスプレしてれば 仮面をつければ慈悲の心を捨てて非情になれるとおっしゃってましたが、今は外してるけど、相当非情です。

これ私も思いました(笑)
でも、うっかり?わざと?白山村に仮面を忘れていったくらいなので、雪舞と出会ったことでトラウマを克服したのだと思われます。

バイトで破魔矢を作るっていうのも貴重な体験ですね。私は不器用なんで、そんなバイトをしたら不良品が続出しそうですが・・・。

ちなみに学生時代、全国的に有名なある天満宮で巫女さんのアルバイトをしたことがありますよ^^
いえ、残念ながら五色の鳥は扱えませんが。
(その天満宮の近くには「朱雀」という地名がありました)


話がずれますが、「項羽と劉邦」、ようやく見ました。
この映画のウィリアム、ビジュアルは非常〜に好きです(〃▽〃) もしかしたら蘭陵王よりも好きかも(あごの細さとか)。
(劉邦が赤穂浪士みたいに見えたり、虞姫より項羽の方が美しいのはご愛嬌ってことで…)

人物像も、身近にこういう人がいたら物騒でハタ迷惑でしょうがないでしょうが、野心家で戦の天才だが非情で思慮に欠け、滅びるべくして滅びた破滅型の人格と、部下や愛姫に見せる繊細な優しさのアンバランスなところに、不思議と惹きつけられました。
まあそんなこと言っても、もし演じてたのがブチャイクな俳優だったら話も別だったのでしょうけど(笑)

ところで項羽って、離間の計にかかったために、軍師であり父のように慕っていた范増を捨ててしまったのですね。
ということは四爺は、離間の計に引っかかりやすいDNAを持っていたわけで…それなら仕方ない(?)

そしてこの映画の中でもウィリアムはやっぱり矢に射られてました。毒矢じゃなかったおかげで劉邦との間接×スは避けられましたが(危機一髪)。

そうそう、前のスレッドで出てきた仕草(ソテイの指の仕草)、劇中で范増もやっていて、思わず「あっ、これ!」と叫んじゃいました^^

さらにさらに話がずれますが、「ホビット」も、スカパーで「思いがけない冒険」、レンタルで「竜に奪われた王国」と続けて見ました!
ドワーフ無敵(笑)
なんとか上映があっているうちに「決戦のゆくえ」を見に行きたいと思っています。
すみません、今回はトピズレばかりで失礼しました!!
Posted by 銀 at 2015年02月03日 01:54
銀の匙さま

待望の9話ありがとうございます。
明快な解説に、フーム、フーム、納得です。

茫山の戦いに勝利した後,斉軍は破魔矢を拾ってた?
NOです。矢をひたすら拾ってただけです。
古代の戦場では製作が困難な矢がいかに大切なものか!
曹操から10万本の矢をせしめた話など、誰かに教えたくなりそうです。

五行しかり。陰陽五行といえば、迷信はびこる別世界と思ってましたが、こんなに確かな法則があったとは。
黒は玄武とか、朱雀門は南にあるとか、面白いですね。

革命が天命というのも、意外でした。フランス革命は反乱のイメージが強いのですが、大義名分が中国ではあるのですね。

史書の翻訳ですが、コメントできませんがどうかやめないでください。一生懸命読んでおります。これがもっと読めるようになりたくて、中国語入門書読んでおります。

ファッションチェックは楽しみにしてます。面白い!
レザーの鎧は韓ドラの影響。同感です。

これから、私は蘭陵王の傍らで、宮鎖心玉がんばります。
項羽と劉邦は難解にわざとしてますよね。
眠って正解かも。
只、ウイリアムは美しかった!
Posted by 深雪 at 2015年02月03日 22:49
銀さん、こんばんは!

早速のコメント、ありがとうございます。
ブラタモリ、ご覧になったんですね、お仲間お仲間(はぁと)

そして神社バイト仲間でもあったのですね。
巫女さん役、やってみたかったです(うぅ)

流れ作業なので、私のやったのは「○○神社」という短冊を取り付ける部分だったのですが、
全然追いつかなくて、当時、三国志オタクだった私は(過去形か?)
御賽銭の代わりに破魔矢を投げてくれたらいいのにっ、拾いに行きたいっ!
と罰当たりなことを考えておりました。周や斉にもそういう人、いそうです(お仲間お仲間)

「項羽と劉邦」、ウィリアムの立ち回りがとてもキャラクターに合っててカッコいいなと思いながら見ておりました。まさかこの、虞美人より美人な武将が相手の総大将と間接キ〇しやすいDNAの持ち主だったとはつゆ知らず…!

ちなみに、お相手役(?)の劉邦、レオン・ライは、むかし、香港で「北京から来た歌い手」というイメージで売り出してた人気歌手だったので、インタビュー番組にウィリアムと一緒に名前が出てるのを見て、いったい何の関係で…?と不思議に思ってました(実は今日まで彼が劉邦役だって気づいてなかったり…)。いつまでも年取りませんね、この方も。

さて、ウィリアムがなぜかキャスティングされがちな、北中国の乱暴者の役はど〜〜も違和感ありありなんですが、この、線とか声とか顎とか細い(かった)あたりが、江東の英雄役にピッタリです(でした)よね…。

しかし、項羽のイメージも、《史記》とかで見る限りでは、どっちかっていえば「乱暴者」なので、あの押しの弱そうな話しぶりや、押せば簡単に倒れそうなビジュアルとは裏腹に、コイツは乱暴者の役が似合いそうだと、監督さんに思わせる何かがあるのかも…。

「宮」を見たら、あら、意外に北中国の人に見えなくもないわ…とかなり驚きましたが、よく考えたら漢民族の役じゃないですもんね。尉遅真金もそれっぽく見えたから、異民族の役なら大丈夫なのかもしれない…。

もうここまでご覧になったでしょうか、「宮」の中で、ヒロインとの結婚を実母に反対されて、モンゴル族の花嫁候補とお見合いさせられてるエピソードがあります(清代の中国では、漢民族より満州族・モンゴル族・チベット族の方が身分が上だった)。

ヒロインがその場にわざわざ呼ばれ、第八皇子(ウィリアム・フォン)、皇子の母后、モンゴル族の王女がぐるりと取り囲んで座るのを目の前にして、内心「鴻門の会ってわけね…」とビビるシーンがあるんですが、つい、笑っちゃいました。

ってことで、こちらも話がずれちゃいましたが、洛陽攻略を彷彿とさせる「決戦のゆくえ」のバトルシーン、間に合って劇場で堪能されますように、天神さまにもお祈りしています!
Posted by 銀の匙 at 2015年02月04日 01:13
深雪さん、こんばんは。

早速コメント、ありがとうございます。

いや、ほんと、拾って済むものなら拾って済ませたいですよね、ボールとか矢とか。
ちょっと阿怪は拾い集めたくないけど…。

「革命」は、中国語に有ったのを、西洋の出来事を翻訳するときに「レボリューション」の訳語として借りてきたので、元々の意味(王朝が天命によって交代する)を考えてしまうと、訳語として適切だったのか、ちょっと考えちゃいますよね。

この手の言葉は意外に多くて、いま普通に使われている「経済」(もとは晋代の《抱朴子》「経世済民」から)、「社会」(宋代の《近思録》から)なんていうのも、古典にある語を借りてきたものだそうです。

日本で、西洋の書物を翻訳したときに採用した訳語が清末〜中華民国時代、日本に留学した人を通じて、中国に逆輸入された言葉もかなりあるようです。

現代では、「人気」「萌」なんて単語が輸入されて中国で使われてます(謎)。逆に日本では「電脳」とか使ったりしますよね。こういう、言葉の広がりというか交流っていうのは面白いですね。

漢文については、時代の違いで意味がかなり違う語もあるので、本当は一字一字丁寧に調べないといけないのですが、いまは何となく意味が取れればいいやって感じになってしまっていて荒っぽい訳ですみません。どうか、合ってるかどうか疑いつつ、参考程度にご覧いただけましたら幸いです。

もしきちんとした翻訳が手に入るようでしたら、原文と比べて見ていくととても勉強になると思います。

ということで、次回もどうぞよろしく
Posted by 銀の匙 at 2015年02月04日 01:55
恒例の?何度もお邪魔です^^;
もうどうしても、

>まさかこの、虞美人より美人な武将が相手の総大将と間接キ〇しやすいDNAの持ち主だったとはつゆ知らず…!

↑これをツッコまないでいるのが我慢できなくて(笑)
どういうDNAなんですかっ!!
あー、スッキリしたヽ(´∀`)ノ

>この、線とか声とか顎とか細い(かった)あたりが、江東の英雄役にピッタリです(でした)よね…。

なぜことごとく過去形・・・(笑)
項羽は大柄で怪力だったそうなので、映画のウィリアムの衣装は、大きく見せるためのものなのでしょうね。顔が(今よりも)細いので、よけいに体が大きく見えますよね。

レオン・ライ、名前は知っていたのですが、この方も歌手だったんですねー。
(ファンの方からぶっ飛ばされそう・・・無知なヤツということで許してください)

「宮」はその後、なんとか10巻まで借りまして、現在20話まで見たところです。なのでまだ鴻門の会(笑)までは至っておりませんが、この先を楽しみにしておきます^m^

それと…
「Yesterday」と「Let it be」と「Hey Jude」しか知らないのにビートルズマニアの人に向かって「ビートルズ大好きです!」と言うに等しい恥ずかしいことなので、ここまではあえて口にしなかったのですが、私もいちおう「三国志」好きのハシクレのハシクレです。

と言っても、本当にごくごく浅い知識しかなくて…
中学生のときに横山光輝のマンガをけっこうな巻まで買い揃えたけどキャラクターの見分けがつかずに挫折、その後、NHKの人形劇のビデオが数巻だけあるのを図書館で見かけて借りて見て、あとは映画をいくつか(お約束のレッドクリフ三部作とか関羽の映画とか)、そして数年前、北方謙三の小説を途中まで読みました。

特に孔明と関羽が好きなのですが、二人が死ぬシーンを見るのがコワくて、どれも途中までしか見てません!(T▽T)
ちなみにウィリアムが演じるならやはり、周瑜がいいなあと思っております(〃▽〃)

という、一言も蘭陵王にふれてないコメント、失礼しましたっ(>_<)
Posted by 銀 at 2015年02月06日 09:06
銀の匙さま

宮、見終わりました。

銀の匙さま曰く、蘭陵王はダメンズなので、祖母が雪舞にあきらめさせようとした。
ダメンズ説は唐突な感がありましたが、A.D.宮では、納得です。
宮は肩ズンばかりキャラが見抜かれて、抜擢だった?

個人的にはこんないい男のダメンズ周りにいなくて、幸いですが。

最近は陵王DVD、見疲れ、ウイリアムのキャラ研究に・・・。
こういう押しの弱い愛されキャラ、映画では大好きなんです。

画皮2まで、見てしまいした。
役は狂言回しといったところか、降摩師という、妖怪をやっつける職業なんです。ヤンミーは妖怪の妹で、まだ未熟な鳥妖怪。
ここでも、オットリしてて、女(ヤンミー)にめちゃくちゃ優しいキャラ全開です。

銀さま、彼は、おみ足も細くて、美しゅうございます。ボロボロの国籍時代不明の衣装から、のぞいておりました。

銀の匙さま、ビギナーズクラシック、とても読みやすいです。紹介、ありがとうございます。
只今、孫子の兵法を読んでおります。

陵王の舞楽ですが、厳島神社で、行事の時に踊られているのを、ご存知ですか。
有名な能舞台で夜上演されると、背景に有名な鳥居が幽玄の世界そのままで現れます。
これは、動画サイトで見ました。
夜の上演は春と秋の2回のみ。
今年の4月は能舞台ではないそうですが。

勝手に私は、平清盛が蘭陵王の話に感銘を受け陵王を踊らせたと妄想してました。(笑)
ロマンチックと思いません?

一度は能舞台の陵王、見てみたい!

こんなコメント欄の私物化、許されるのか?!

9話の1、読んだら、コメント書きたくなりました。御免なすって。お許しをば。

返事は気になさらず、読み流してくださいね。
Posted by 深雪 at 2015年02月09日 15:25
銀さん、こんばんは。

下らないコメントに反応してくださって恐縮です...<(_ _)>

げに恐ろしきは高一族のDNA、まさに犬神家に匹敵するホラー度でありますね。

実は、今回は短いのでとっとと更新できると踏んでいたところ、高家の呪いか、探しても探しても、史書に長恭パパに関する、とある拠述が見つからず、この一週間途方に暮れておりました。やっと今日、動かぬ証拠を探し出す方法を思い付いたところです…。

レオン・ライはその昔(なんて言ったら、現役なのにって怒られそう)、四大天王として香港の歌謡界に君臨していたお方でございます。香港のスターは歌手出身の人が多いから、映画に出てる人は歌えるもんだと監督も観客も勝手に思い込んでるみたいなんですが(事実、歌える人がほとんどだけど)、中国内地の俳優さんはほとんどが大学で演劇を専攻した人たちなので、香港映画に出ると馴れない歌を歌う羽目になって大変みたいです。

この前、周星馳監督の新作『西遊記 はじまりのはじまり』を見てたら、やっぱり主演の文章(中国内地の俳優さん)が歌わされてて、その無理やりさ加減に、観客の同情を誘っていました…

ちなみに私は『レッドクリフ』を見てないので、三国志ファンと自称していいものかどうか迷います。横山光輝のマンガはホントに誰が誰やら区別つきませんよね。(←「キャプテン翼」よりはマシだと秘かに思ってますけど)

ウィリアムが演じるとしたら…貂蝉?(まずい、マジでファンにぶっ飛ばされそう)…四大美人はさすがに無理ですか。意外なところで、乱暴者つながりで呂布だったりして。はっはっは。


話がまとまらなくてすみません。引き続き、《宮》をお楽しみください!(だんだん、何の話題かわかんなくなってきた私です...)
Posted by 銀の匙 at 2015年02月10日 01:26
深雪さん、こんばんは。

コメントありがとうございます。

きっと、周りはダメンズではなく、イケメンの方々ばかりなのですね(そうでありますように)。

ウィリアムさんの演じてる役は、ご本人と一緒で、押しが強いんだか弱いんだか私には判別不能です。

画皮2は、俳優で救われたというのがもっぱらの評判なので、2人とも頑張ったんですね。

インタビューやトーク番組を見ると、ご本人は本当に両極端な印象なのですが、たとえば、
スピードは出さないと言ってるくせに、自分の運転してる車で事故って死にかけたり、
ヤン・ミーと二人でトーク番組に出るとふにゃじにゃしてるくせに、単独インタビューになると、小さな決断は相手に譲ってもいいけど大きな決断は自分に譲らせると言い張り、最初に「あなたのファンです」って言ってきた女学生をマネージャーに抜擢するとか、やることなすことメチャクチャです。

だいたい、共演者から監督まで、彼を評して「物静か」(ヤン・ミーは「口数が少ない」(笑))と言っていますが、日本人の基準からすると、結構しゃべる方じゃないかと思います…。ということで、観察対象として非常に興味深い方なので、今後も機会があれば、ご本人の発言を織り交ぜてご紹介したいと思います。

陵王の舞はとても素敵だそうですね。音楽もとても優雅だと思います。私もぜひ舞台で本物を見てみたいです。映像としては、中国中央電視台の番組で日本の雅楽を紹介したときと、なぜか横浜で目撃したのですが、後者は意外なシチュエーションだったので、第11話のところでご紹介する予定です。

ということで、コメントへのお答えになってるかどうか微妙ですが、引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。

Posted by 銀の匙 at 2015年02月11日 00:35
こんにちは。
職場での差し迫ったニーズを長らく無視し、フラフラと暮らして参りましたがとうとう暮れに中国語かヒンズー語のいずれかを習得せよとの本社トップダウンの指令がとび、鬱々とした気持ちで年末年始に引籠り視聴した「蘭陵王」。
そして、こちらに辿りつきました。

猛烈に下調べしてくださっていることが伺える記事ばかりですが、行間には処々ユーモア(と毒…笑)がのぞいて、ちょっと素敵な書店で素敵な書き手の素敵な本にバッタリ出くわした時みたいに、スルスルと「第9話の1」まで読み進みました。文章のタッチ、モーレツにツボです。おもいがけない幸運で、本当に嬉しい2015年のはじまりとなりました。

既に4回のうちの半分を腹痛(と書いて仮病と読む)を理由にでスキップした中国語講座。「蘭陵王」を吹替えなしで楽しむ日は、砂漠の蜃気楼の如く遠き彼方ですが、こちらを心の拠りどころ奮励努力(とか書いて大丈夫だろうか)します。

毎回 書上げの御苦労いかばかりかと存じますが、どうぞ無理をなさらず、でもながーく(笑)連筆くださいね(深々と拝)。
Posted by 105 at 2015年02月12日 17:44
105さん、こんばんは。
いらっしゃいませ!

中国語かヒンズー語かどっちか会社のお金で習えるなんて、何て羨ましいっ!(でもお仕事でしたら、習った後が大変ですよね…お疲れ様です)

でも、普通、お腹痛くなるほど仮病で引き籠った場合、中国語のドラマなんて見なくないですか? 

何かよほどの因縁があるのでしょうか、どうか女カ様の前で何か誓わされたりしないように、くれぐれもお気を付けくださいっ... !

そして、過分なお言葉、本当にありがとうございます。喜びのあまり、ヤシはないので城壁に登ってしまいそうです。

皆さまのコメントのおかげで、毒を盛られても、ひょっこり生き返ったりしております…え、毒を盛ってる方じゃないのかって…いえいえ、盛っておりますのはご賢察の通り、一見、毒に見えますが、小怜同様、愛なのです、愛!(強弁)

こんな拙いブログでも、お気に召してくださって、そして、やっぱり中国語、勉強してみようかな、と思ってくださるとしたら、これに勝る喜びはございません。

私の中国語はちゃんと習ったわけでもなく、必要に、でもなくミーハーに迫られてメチャクチャやってるだけでお恥ずかしい限りです。

せっかくのチャンス、思う一念できっとすぐに中国語もマスターなさることでしょう。ドラマをご一緒しながら、中国語を楽しんでまいりましょう。

今後とも、よろしくお願いいたします。
Posted by 銀の匙 at 2015年02月14日 01:05
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