2016年12月27日

オアシス:スーパーソニック

数年前、確かスカンジナビア航空かなんかに乗ったときに、離陸前ずっとキャッチ―な曲がかかっていて、気になって後で調べたら、ノエル・ギャラガ―ズ・フライング・ハイっていう、やたら長い名前のバンドのAka...What a life!という曲でした(こちらにオフィシャルMVがあります...→https://www.youtube.com/watch?v=d6m03FUYaTM が、前置きがすごく長くて、実際の曲は3:34くらいからです)。

これがまた中毒症状を呈する楽曲で、ひと頃は常に頭の中で再生されている状態だったのですが、この映画のポスターを見かけて、あ、そうだノエル・ギャラガ―って元オアシスの人だったと思い出し、どんな人なんだろうと思ってノコノコとオアシスのドキュメンタリーである、この映画を観に行ったという次第です。

ブリットポップは好きなのですが、90年代当時はブラーのファンだったので、オアシスなんか、ああ、あの兄弟仲の悪いって噂のバンドね、くらいにしか思ってませんでした。

今回、映画を観て真相を知りましたが、まさか本当だったとは…(笑)
(つか、全くの部外者にまでそんなことが知れ渡ってるバンドって一体…)

それに、私の知ってた曲が「ワンダーウォール」とか「シャンペン・スーパーノヴァ」とかスローな曲ばかりだったので(名曲だとは思ったけど)ロックバンドだという認識すらなかったのですが、いやいや、この生き様はまさにロックンロール。

初めての海外公演に出かけたオランダで、移動中、乱闘騒ぎに自ら参戦。リードボーカルのリアムは結局一曲も披露せずに強制送還されてしまい、しかしそれを聞いた契約レーベルの総帥・アラン・マッギーは「最高だ」って言った、とか(つまり、一番のつわものはマッギーだった訳ですが)。

ドラッグをやりながらステージで演奏して、伴奏と歌が別の曲だったとか(直接の原因はローディーがセットリストを間違ったせいらしいのですが、ラリッてなきゃ気が付くだろ普通)。

もし実家が魚屋だったら兄弟がマスで殴り合ってたと思うとか。

こんな妙なバンドに嫌気がさして辞めてしまったベーシストが、危機を救いに駆けつけてきてくれたのに、感謝の言葉一つ掛けるでもなく、オアシスに腰抜けは要らないと罵ってみるとか。

さんざん家庭内暴力を繰り返した父親がライブの後の打ち上げ会場に現れると、本気で殺そうとするとか。

全編いちいちこの調子、いったいこのエネルギーはどこから出てくるんでしょうか。

とにかく、折れない、曲がらない、凹まない。スーパーソニックっていうより超合金で出来てるようです。

兄弟間ばかりではなく、あらゆることに罵詈雑言、その発言は得体のしれない芸風を確立しています。口だけ番長かと思いきや、アルバムセールスも動員数も新記録を達成し、英国一のバンドにのし上がる有言実行ぶり、お見それいたしました!

映画は、こんなとんでもないバンドの中心人物である、ノエル・ギャラガーとリアム・ギャラガ―兄弟の幼いころから、1996年・25万人を動員した空前のネブワース・ライブまでをとらえたドキュメンタリーです。

グラスゴーでの初登場ライブをはじめとする初期のライブやレコーディング中の映像から、ツアーの間のちょっとしたメンバーのやり取りの記録まで、よくもこんな映像残ってたものだと驚くようなものばかり。

常にいがみ合っているネコ派の兄ノエルとイヌ派の弟リアム。決して幸福とは言えない子ども時代を過ごした彼らですが、だからこそギターに没頭できたと考えるノエル、ケンカの相手に金づちで殴られて音楽に目覚めたというリアム。

共に、「悪魔的でふてくされて挑発的」と言われる彼らの音楽とは裏腹に、ポジティブという言葉が陳腐に感じるほと前向きなロック魂を感じます。発言もよく聞くと、毒舌ながら痛いとこ突いてる名言のオンパレード。

日本についての発言も入っていて、なぜかとっても日本に優しいのが却ってブキミなんですけど、「英語もできないのになんであんなに熱狂的なんだ?」という感想が鋭すぎて笑っちゃいます(褒めているらしい)。

この二人に「クレイジー」と認定していただけるとは、誠に光栄の至りであります。

正直、オアシスのファンでなければピンと来ない作りだし、残念ながら曲が途切れ途切れにしか入っていないのでミュージシャンのドキュメンタリーとしてはどうかと思うものの、登場人物のキャラクターが予想を上回る面白さでかなり挽回してると思いますし、一つの時代の象徴として観れば、90年代の熱気を体現できる貴重な作品と言えるでしょう。

ちなみに、ギャラガ―兄弟の発言があまりに面白いのですっかりハマってしまい、映画を観終わっても彼らの悪口名言集を探して読んでる毎日です。



角川シネマ有楽町で観ました。
音響も悪くないし、観やすい劇場です。

立川シネマシティで爆音上映中だそうで、そちらでも観てみたいのですが、楽曲がぶつ切りなので、却ってフラストレーションが溜まるかも…。

まあ、あの最高の音響でノエル・ギャラガ―の毒舌を聞くのも悪くないチョイスかも知れません。

ぴあ映画生活
posted by 銀の匙 at 03:13| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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