2017年05月07日

ラ・フォルジュルネ・オ・ジャポン 2017 感想

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昼も

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夜も…

皆様こんばんは。今年に入ってから大きなイベント3つのお手伝いで忙しく、ようやく2つ目が終わってホッとしております。

おかげさまで期間中はお天気に恵まれ、つつがなく会期を終えましたラ・フォルジュルネ・オ・ジャポン。有楽町/日比谷の国際フォーラムを主会場に開催されるゴールデン・ウィークの音楽のお祭りです。

今回も出演側に回ったため、5月4日の有料公演は1プログラムしかチケットを取っていませんでしたが、実は観客参加型の面白そうな無料公演が夜にあり、観客としては今年はそこからの参戦となりました。

今年のテーマ、「ラ・ダンス」にこれ以上ふさわしいプログラムはないのではと思わせた、「阿波踊り」です。踊りは高円寺の連が担当しましたが、お囃子はわざわざ徳島から駆けつけたそうです。

420年の歴史を誇るこの踊り、ホールEの八角形のステージを上手く使った踊りのフォーメーションも一見の価値がありましたが、音楽の催しにふさわしく、やはり演奏が凄かったですね。

なにしろ、歌がほとんどの箇所でお囃子を無視して進行します。入りもあんまり関係ないし、拍子も違うし、メロディも違います。お囃子は歌の伴奏なんかじゃなくて、自立してます。

すぐ横で音楽が鳴っているのに、敢えて外しながら歌うというのは、結構難しいんじゃないかと思います。

こういう、各パートが何らかの形でタイミングをわざと外しながら進行する音楽は、邦楽をかじった方なら特に珍しくは感じないでしょうが、クラシックやってる人にはきっと斬新だったでしょうというか、一周回って現代音楽っぽかったです。ときどき、洋楽を取り入れてるのか?と思わせる箇所があるのもエスニック音楽を取り入れた現代音楽の趣き(笑)。

ダンスもミニマルなパターンを使った複雑な進行で、洋モノを見慣れた目には新鮮です。

団長さんは天皇陛下の傘寿をお祝いして、御前で阿波踊りを披露したことがあるそうですが、そのとき宮内庁から、「踊るアホウに見る○○○」はやめてください!とお達しがあったのだとか…(ネタかしら…?)

地上で集客してから地下で演奏したのが効いたのか、スピーカーで外部に流れてたのか、とにかく、国際フォーラムガラス棟の地下は踊りが進むにつれてどんどん人が溢れだし、ものすごい熱気です。途中、観客も飛び入り参加、中から団長のお目がねにかなった数組がピックアップされて、その人たちだけで踊りを披露するという演出がありました。

日本人だけでなく、中国組、ロシア組も交じってましたが、さすが精鋭(?)だけあって、自由な発想でのびのび踊っていてお上手でした。

日本の誇るこのダンス、世界各国へ派遣されているとかで、先週はスペイン、来週はポーランド…と海外公演の過密スケジュールはX-JAPAN並み。こういうの受けるでしょうね、ホント、面白いもん。

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この後、舞台をぐるりと囲んでみんな踊り出してしまい、ステージ下も大熱狂でした

昂奮さめやらぬまま、続きましては21:45〜 ホールAでのプログラム番号116番。
フランス国立ロワール管弦楽団とピアノの小曽根真さんの競演。

トランペットのエリック宮城さんも登場し、何が始まるのかと思ったら、ラヴェルのボレロ。
そもそもボレロって曲自体が盛り上がるようにできてるから、狙い通り会場も物凄く盛り上がっていましたが、自分的にはどうもちょっと違う気がしました。

だって、少ない楽器の奏でる弱い音から始まって、どんどん音量が大きくなり、楽器も増えていくのがこの曲の基本線。全編アレンジするならともかく、基本は変えないで、一部分だけピアノを足したりトランペットを足したりすると、形が崩れちゃう。スタンディングオベーションするほどの出来だったのかどうか、甚だ疑問です。

むしろ、ちょこっとやってくれた1回目のアンコールの方が面白かったんだけど、これはショスタコーヴィチからのインプロヴィゼーションでした。そういえば、初めて小曽根さんを、そしてショスタコーヴィチを聴いたのがコレだったなあ(それ以来どっちも大ファンになったのでした)、たぶん前回と全然違うアレンジになってたと思うけど、宮城さんと息も合ってて最高でした。

翌5月5日は昼からの鑑賞。
13:45〜 ホールB7のプログラム番号223
ファンダンゴ・バロックです。

テンベンベというメキシコの民俗音楽グループが演奏するということで、ソンブレロかぶってカラムーチョ!みたいな音楽なのかなあと(←何も分かっていません)勝手に想像していたところ、バロックギターでバッハかなんかっぽい実に典雅な音楽が始まったので、かなり意表を突かれました。

と、そのうちに、その流れのまま自然といい具合にリズムとか歌あたりがカラムーチョ!になってくるんですが、それでも優雅さを失わない不思議な味のある音楽で、キレのいいバロック音楽って感じでした。

聞くところによれば、ヨーロッパで流行っていたバロックが同時代に南アメリカに流入して出来上がってきたものとのこと。なるほどねえ...舶来音楽と土着音楽のノリがミックスして出来たってあたり、J-Popみたいなもんでしょうかねえ...(←相変わらず分かってません)

続いて、同じB7のホールでプログラム番号224を聴きました。

ピアノの連弾ということで来てみたら、舞台の上は異種格闘技世界王者決定戦としか見えませんでしたが、とりあえずボリス・ベレゾフスキーとアレクサンドル・ギンジンが闘いました。

2人がお友達なのかどうかはよく分かりませんが、イスを奪いあったり(いえ、それで殴り合ったんじゃありません・笑)、ベレゾフスキーが楽譜を楽屋に忘れてきちゃったりと大変リラックスした雰囲気でした。

最初はピアノ2台で向かいあって弾いていましたが、1台を2人で連弾する曲もありました。巨漢2人が並んで演奏するありさまは窮屈ながらも微笑ましい光景でした。ビジュアルがインパクトありすぎて、耳がすっかりお留守になってしまったのが唯一の難点です。

5月6日
本日が最終日。
16:30〜 ホールCのプログラム344を聴きました。
今回諸事情によりオネゲルを聴きそびれたため、これが一番楽しみなプログラムでした。

タン・ドゥン パッサカリア〜風と鳥の秘密
ハチャトゥリアン ピアノ協奏曲変ニ長調op.38
ヴィクトロワ 踊る天使

常にゴージャスな演奏を聴かせるウラル・フィルと、背中で魅せる指揮がモットー(?)のドミトリー・リスに加えて、巨体なのに思い切りよすぎる演奏でブレーキ壊れてるボリス・白くま・ベレゾフスキーの組み合わせ。

これは、当たるを幸い全てをなぎ倒していくであろう演奏が期待されます。

と、公演の数日前から臨戦態勢に入っていたら、事務局からプログラム344のお客様宛てメールが届きました。

すわ、また白くまが倒れたのか…(去年、それで楽しみにしてたプログラムがキャンセルに…泣)とドキドキしてメールを開くと、観客参加型なのでよかったら音源をダウンロードしてねん(はぁと)、当日リスちゃんの指揮に合わせて再生してくれたら参加できちゃうわよん(以上は意訳)という内容で一安心。

駅のホームで時々騙される電子音の鳥のさえずりによく似た音源を、熱心に聴き込んでから会場に向かいます。

タン・ドゥンのパッサカリアという作品、仕掛けの面白い曲なので、初めて聴く方は以下をちょっと飛ばしていただいた方が驚きがあっていいかも知れません。(音楽にもネタバレ注意というのがあるんですね..)



いいですか? 行きますよ?

まず、曲が始まると、指揮者はやおら観客の方を向き、おもむろに、携帯のボタンを押すよう、指示を出します。音源は全員同じ(はず)ですが、指揮者がブロックを指定して合図を出すため、スタートのタイミングが違うので、会場のあちこちで、音源が少しずつずれて再生されます。

しばらくすると、会場が林の中のように、あちこちから聴こえる鳥のさえずりで満たされます。

音源が途絶えてしまう前に、静かにオーケストラの曲が始まります。音源の中にあったモチーフも含まれていて、やがて大きくなって行きます。ビックリするほど激しくなったかと思うと、いきなりオーケストラの人たちが歌い始めます。

始まる前、楽屋から合唱の練習の声が聞こえたので、合唱団が出るのかな??と思っていたのですが、まさか楽団員が歌うという演出だったとは…。

そのうち歌はざわめきの声にも、林の中の生き物の声にも聞こえるような音に変化してゆき、かと思うと指パッチンが入ったり、また音楽に戻って映画音楽のようにドラマティックに盛り上がったり、魔術的な雰囲気を湛えたりと、林の中で道に迷って幻惑されたようなとても面白い曲でした。メリハリの効いた演奏で、すごく良かったです。

続いてはハチャトゥリアンのピアノ協奏曲。
こちらはボリス・ベレゾフスキーが登場。相当な技巧とパワーを求められる曲かと思いますが、妙に恰好をつけたり盛り上げたりせず、なんだか練習曲みたいに簡単そうに弾いていて、こっちは開いた口がふさがりませんでした。

ピアノ、オーケストラ共に迷いが全くない果断な演奏で、ソリを引いて駆ける馬車や吹き付ける雪が通り過ぎるように感じたり、目の前にぱっと大雪原が広がったり、まるで音の一大スペクタクルが繰り広げられているようでした。

曲が終わると、どうやら会心の出来だったらしく、ピアニストと指揮者がハグしていました。実はベレゾフスキーの出番はこの1曲だけで、この後、もう1曲あるからと拍手もさほど熱烈ではなかったのが悔やまれます。

最後の曲はヴィクトロワの踊る天使という日本初演の曲でした。どうやら日本の太鼓の曲にインスピレーションを得た作品らしく、かと思うと急にボードヴィルみたいな軽妙なパートにスイッチしたりする変わった曲でした。

パーカッション大活躍ですさまじかったのですが、もっと凄かったのは指揮のドミトリー・リスでした。ドラムソロを付きっ切りで指揮してるって、凄すぎる(笑)。指揮自体がキレッキレのダンスみたいでした。

最後は、作曲者のヴィクトロワさんが登場して万雷の拍手をもらっていました。

ということで、LFJが終わってはたと気づいたのは、2017年ももう半分近く過ぎているというこの事実…。いやいや、楽しい時が過ぎていくのは早いものですね。どうか、来年もつつがなく開催されますように…。

ちなみに、昨年(2016年)の感想は→こちら です。
posted by 銀の匙 at 01:10| Comment(0) | TrackBack(0) | 舞台/パフォーマンス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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