2017年12月11日

in your time

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NTTインターコミュニケーションセンターで開催された、坂本龍一のソロコンサート。
小さな美術館の一角で行われたため、入場者は300人限定でスタンディング。
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いきなり、3メートルくらいの距離で教授が演奏を始めてビックリ。
高いステージがしつらえられたわけではないので、ほぼ、目の高さ。

髪は真っ白。力強くて長い指。
表情が手に取るように分かります。

間近にいたから見えたけど、3,4列後ろになると、何が起こっているのかさっぱり分からなかったはず。
コンサートが終わったあと、皆、写真を撮りまくっていましたが、見えなかったせいもあると思う。

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ピアニカサイズの鍵盤楽器を弾いたり、チェロをこすったり、人の手が加わった電子音楽。
左端のアクリルの衝立のようなものをこすって出した音は、人の声に似ていました。

通奏低音のように響くノイズ系の音響に耳を傾けながら、鍵盤に指を置いていく教授の様子は、まるで孤高の棋士のよう。

鍵盤をぐっと押し込んで離したときのカタンという確かな音が、鳴らした音階にまして刺さってくる。

周りを取り囲むすべてが音の場をつくるけれど、聞く者に決まりきった形を与えない音楽。

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何かハッキリしたメロディがあったわけでも、リズムがあったわけでもないのに、家に帰った今も、その場で受け取った音の「残り香」を波動として感じています。

音楽は時間の芸術というけれど、時間さえも意味をなさないような、音の体験でした。


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2017年05月07日

ラ・フォルジュルネ・オ・ジャポン 2017 感想

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昼も

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夜も…

皆様こんばんは。今年に入ってから大きなイベント3つのお手伝いで忙しく、ようやく2つ目が終わってホッとしております。

おかげさまで期間中はお天気に恵まれ、つつがなく会期を終えましたラ・フォルジュルネ・オ・ジャポン。有楽町/日比谷の国際フォーラムを主会場に開催されるゴールデン・ウィークの音楽のお祭りです。

今回も出演側に回ったため、5月4日の有料公演は1プログラムしかチケットを取っていませんでしたが、実は観客参加型の面白そうな無料公演が夜にあり、観客としては今年はそこからの参戦となりました。

今年のテーマ、「ラ・ダンス」にこれ以上ふさわしいプログラムはないのではと思わせた、「阿波踊り」です。踊りは高円寺の連が担当しましたが、お囃子はわざわざ徳島から駆けつけたそうです。

420年の歴史を誇るこの踊り、ホールEの八角形のステージを上手く使った踊りのフォーメーションも一見の価値がありましたが、音楽の催しにふさわしく、やはり演奏が凄かったですね。

なにしろ、歌がほとんどの箇所でお囃子を無視して進行します。入りもあんまり関係ないし、拍子も違うし、メロディも違います。お囃子は歌の伴奏なんかじゃなくて、自立してます。

すぐ横で音楽が鳴っているのに、敢えて外しながら歌うというのは、結構難しいんじゃないかと思います。

こういう、各パートが何らかの形でタイミングをわざと外しながら進行する音楽は、邦楽をかじった方なら特に珍しくは感じないでしょうが、クラシックやってる人にはきっと斬新だったでしょうというか、一周回って現代音楽っぽかったです。ときどき、洋楽を取り入れてるのか?と思わせる箇所があるのもエスニック音楽を取り入れた現代音楽の趣き(笑)。

ダンスもミニマルなパターンを使った複雑な進行で、洋モノを見慣れた目には新鮮です。

団長さんは天皇陛下の傘寿をお祝いして、御前で阿波踊りを披露したことがあるそうですが、そのとき宮内庁から、「踊るアホウに見る○○○」はやめてください!とお達しがあったのだとか…(ネタかしら…?)

地上で集客してから地下で演奏したのが効いたのか、スピーカーで外部に流れてたのか、とにかく、国際フォーラムガラス棟の地下は踊りが進むにつれてどんどん人が溢れだし、ものすごい熱気です。途中、観客も飛び入り参加、中から団長のお目がねにかなった数組がピックアップされて、その人たちだけで踊りを披露するという演出がありました。

日本人だけでなく、中国組、ロシア組も交じってましたが、さすが精鋭(?)だけあって、自由な発想でのびのび踊っていてお上手でした。

日本の誇るこのダンス、世界各国へ派遣されているとかで、先週はスペイン、来週はポーランド…と海外公演の過密スケジュールはX-JAPAN並み。こういうの受けるでしょうね、ホント、面白いもん。

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この後、舞台をぐるりと囲んでみんな踊り出してしまい、ステージ下も大熱狂でした

昂奮さめやらぬまま、続きましては21:45〜 ホールAでのプログラム番号116番。
フランス国立ロワール管弦楽団とピアノの小曽根真さんの競演。

トランペットのエリック宮城さんも登場し、何が始まるのかと思ったら、ラヴェルのボレロ。
そもそもボレロって曲自体が盛り上がるようにできてるから、狙い通り会場も物凄く盛り上がっていましたが、自分的にはどうもちょっと違う気がしました。

だって、少ない楽器の奏でる弱い音から始まって、どんどん音量が大きくなり、楽器も増えていくのがこの曲の基本線。全編アレンジするならともかく、基本は変えないで、一部分だけピアノを足したりトランペットを足したりすると、形が崩れちゃう。スタンディングオベーションするほどの出来だったのかどうか、甚だ疑問です。

むしろ、ちょこっとやってくれた1回目のアンコールの方が面白かったんだけど、これはショスタコーヴィチからのインプロヴィゼーションでした。そういえば、初めて小曽根さんを、そしてショスタコーヴィチを聴いたのがコレだったなあ(それ以来どっちも大ファンになったのでした)、たぶん前回と全然違うアレンジになってたと思うけど、宮城さんと息も合ってて最高でした。

翌5月5日は昼からの鑑賞。
13:45〜 ホールB7のプログラム番号223
ファンダンゴ・バロックです。

テンベンベというメキシコの民俗音楽グループが演奏するということで、ソンブレロかぶってカラムーチョ!みたいな音楽なのかなあと(←何も分かっていません)勝手に想像していたところ、バロックギターでバッハかなんかっぽい実に典雅な音楽が始まったので、かなり意表を突かれました。

と、そのうちに、その流れのまま自然といい具合にリズムとか歌あたりがカラムーチョ!になってくるんですが、それでも優雅さを失わない不思議な味のある音楽で、キレのいいバロック音楽って感じでした。

聞くところによれば、ヨーロッパで流行っていたバロックが同時代に南アメリカに流入して出来上がってきたものとのこと。なるほどねえ...舶来音楽と土着音楽のノリがミックスして出来たってあたり、J-Popみたいなもんでしょうかねえ...(←相変わらず分かってません)

続いて、同じB7のホールでプログラム番号224を聴きました。

ピアノの連弾ということで来てみたら、舞台の上は異種格闘技世界王者決定戦としか見えませんでしたが、とりあえずボリス・ベレゾフスキーとアレクサンドル・ギンジンが闘いました。

2人がお友達なのかどうかはよく分かりませんが、イスを奪いあったり(いえ、それで殴り合ったんじゃありません・笑)、ベレゾフスキーが楽譜を楽屋に忘れてきちゃったりと大変リラックスした雰囲気でした。

最初はピアノ2台で向かいあって弾いていましたが、1台を2人で連弾する曲もありました。巨漢2人が並んで演奏するありさまは窮屈ながらも微笑ましい光景でした。ビジュアルがインパクトありすぎて、耳がすっかりお留守になってしまったのが唯一の難点です。

5月6日
本日が最終日。
16:30〜 ホールCのプログラム344を聴きました。
今回諸事情によりオネゲルを聴きそびれたため、これが一番楽しみなプログラムでした。

タン・ドゥン パッサカリア〜風と鳥の秘密
ハチャトゥリアン ピアノ協奏曲変ニ長調op.38
ヴィクトロワ 踊る天使

常にゴージャスな演奏を聴かせるウラル・フィルと、背中で魅せる指揮がモットー(?)のドミトリー・リスに加えて、巨体なのに思い切りよすぎる演奏でブレーキ壊れてるボリス・白くま・ベレゾフスキーの組み合わせ。

これは、当たるを幸い全てをなぎ倒していくであろう演奏が期待されます。

と、公演の数日前から臨戦態勢に入っていたら、事務局からプログラム344のお客様宛てメールが届きました。

すわ、また白くまが倒れたのか…(去年、それで楽しみにしてたプログラムがキャンセルに…泣)とドキドキしてメールを開くと、観客参加型なのでよかったら音源をダウンロードしてねん(はぁと)、当日リスちゃんの指揮に合わせて再生してくれたら参加できちゃうわよん(以上は意訳)という内容で一安心。

駅のホームで時々騙される電子音の鳥のさえずりによく似た音源を、熱心に聴き込んでから会場に向かいます。

タン・ドゥンのパッサカリアという作品、仕掛けの面白い曲なので、初めて聴く方は以下をちょっと飛ばしていただいた方が驚きがあっていいかも知れません。(音楽にもネタバレ注意というのがあるんですね..)



いいですか? 行きますよ?

まず、曲が始まると、指揮者はやおら観客の方を向き、おもむろに、携帯のボタンを押すよう、指示を出します。音源は全員同じ(はず)ですが、指揮者がブロックを指定して合図を出すため、スタートのタイミングが違うので、会場のあちこちで、音源が少しずつずれて再生されます。

しばらくすると、会場が林の中のように、あちこちから聴こえる鳥のさえずりで満たされます。

音源が途絶えてしまう前に、静かにオーケストラの曲が始まります。音源の中にあったモチーフも含まれていて、やがて大きくなって行きます。ビックリするほど激しくなったかと思うと、いきなりオーケストラの人たちが歌い始めます。

始まる前、楽屋から合唱の練習の声が聞こえたので、合唱団が出るのかな??と思っていたのですが、まさか楽団員が歌うという演出だったとは…。

そのうち歌はざわめきの声にも、林の中の生き物の声にも聞こえるような音に変化してゆき、かと思うと指パッチンが入ったり、また音楽に戻って映画音楽のようにドラマティックに盛り上がったり、魔術的な雰囲気を湛えたりと、林の中で道に迷って幻惑されたようなとても面白い曲でした。メリハリの効いた演奏で、すごく良かったです。

続いてはハチャトゥリアンのピアノ協奏曲。
こちらはボリス・ベレゾフスキーが登場。相当な技巧とパワーを求められる曲かと思いますが、妙に恰好をつけたり盛り上げたりせず、なんだか練習曲みたいに簡単そうに弾いていて、こっちは開いた口がふさがりませんでした。

ピアノ、オーケストラ共に迷いが全くない果断な演奏で、ソリを引いて駆ける馬車や吹き付ける雪が通り過ぎるように感じたり、目の前にぱっと大雪原が広がったり、まるで音の一大スペクタクルが繰り広げられているようでした。

曲が終わると、どうやら会心の出来だったらしく、ピアニストと指揮者がハグしていました。実はベレゾフスキーの出番はこの1曲だけで、この後、もう1曲あるからと拍手もさほど熱烈ではなかったのが悔やまれます。

最後の曲はヴィクトロワの踊る天使という日本初演の曲でした。どうやら日本の太鼓の曲にインスピレーションを得た作品らしく、かと思うと急にボードヴィルみたいな軽妙なパートにスイッチしたりする変わった曲でした。

パーカッション大活躍ですさまじかったのですが、もっと凄かったのは指揮のドミトリー・リスでした。ドラムソロを付きっ切りで指揮してるって、凄すぎる(笑)。指揮自体がキレッキレのダンスみたいでした。

最後は、作曲者のヴィクトロワさんが登場して万雷の拍手をもらっていました。

ということで、LFJが終わってはたと気づいたのは、2017年ももう半分近く過ぎているというこの事実…。いやいや、楽しい時が過ぎていくのは早いものですね。どうか、来年もつつがなく開催されますように…。

ちなみに、昨年(2016年)の感想は→こちら です。
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2017年02月04日

Mayday(五月天) Re:DNA 2017復刻版コンサート

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(コンサート終了後、撮影させていただきました)

台湾の5ピース・バンド、五月天の日本武道館公演に行ってまいりました。

何せ、日本公演があると知ったのが1週間前。慌ててチケットぴあをポチッとしたら、何と、すでに金曜の公演の最後の一枚でした...(どんだけ情弱なんだ)。

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ちょっと現場で確認したいことがあったので大枚(8,800円)はたいて入場いたしましたが、実は彼らの曲は3曲くらいしか知らず、最上階までギッチリ埋まった座席を見下ろしながら、野暮用で席を占領しちゃってごめんなさい…と、心で謝っておりました。

事前にはリードボーカル・阿信〈アシン〉の名前しか知らない体たらくでしたが、さすが台湾のナンバーワン・バンド、キャッチ―な曲が次から次へと繰り出されてきます。演出もとても洗練されていて、正面のビジュアルと会場のライティングが同期するという演出なども見応えがありました。

日本のお客さんもかなり入っているはずなのですが、何しろ武道館は巨大なので、印象としては8割くらいが台湾の人って感じでした。

香港でコンサートに行くと、ホイッスルを吹いたり曲の間に叫んだり(コンサートに音の出るものを持参するな、バカたれがっ!)、マナーの悪い観客に悩まされてきたのでちょっと心配でしたが、わざわざ日本に来るような大人ばかりだからか、台湾の観客は熱狂的な曲では立って踊り、バラードではきちんと座って聞くなど演出に合わせたメリハリのある行動を取り、とても好感のもてるマナーでした。

台湾のコンサートは参加型なのか、お客とステージが掛け合いで歌ったり、「知足」という曲では携帯のライトを星のように点灯させたりと皆さん息が合ってます。

私はステージ脇に近い、正面が観づらい席に座っていたんですが、そのおかけで、ステージの向かい、ボーカリストの正面に見える2階席のバルコニーに、巨大な電光掲示版カンペが出ているのに気が付きました。

おーっほっほ、正義は勝つ!

今のところみんなの生演奏つきカラオケ大会の後塵を拝しているけれど、そのうち知ってる曲をやったら高歌放吟してくれる!

と、後半に入って、こんなニワカな私にも優しい、《傷心的人別聴慢歌》とか、大ヒットナンバーをいくつかやってくれたのですが、彼らの代表作だからか、なぜか全部日本語歌詞で歌っていて、お客さんが微妙に引いていました。

いえ、ボーカルは外国語を歌ってるとは思わせない伸びのある歌唱で、すごくクリアな発音で上手かったですけど、お客さんはほら、一緒に歌う気満々だったのに日本語じゃちょっと…せめて1番を日本語、2番を中国語とかにしてくれたら、みんなハッピーだったのに。

途中、MCが入るとステージ奥のスクリーンに機械翻訳(? 良く見えなかったので不明)が出るようでしたが、メンバーは面白がって皆でむちゃくちゃ言っていました。

アンコールが終わっても、まだお客さんが続きを要求するので、「会場使用時間がオーバーしちゃってるんだけど…」といいつつも、お正月だし、お年玉だと思って…ところで日本にお年玉なんてあるんだっけ?日本のお客さん、答えてください!みたいなやり取りもありました。(みんな「ある〜(はぁと)」って日本語で答えてたのがスゴイな。)

アンコールのアンコールにやってくれた、新曲のSong for you は日本語でしたが、やはりキャッチ―でいい曲でしたね...聞いてみたい方はこちらにサンプルが→ http://www.mayday.jp/jiden/

ということで公演1日目は無事終了。

♪君がいる〜から〜とコーラスパートを口ずさみつつ、やっぱりライブは予習してナンボよね、と毎回同じ反省をしつつ、家路についたのでございます。




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2016年05月05日

ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン 熱狂の日 2016 ナチュール 第3日目(5月5日)感想

東京国際フォーラムで開催されているクラシック音楽の祭典、本日は最終日でした。

初日(5月3日)のレポートは→こちら
2日目(5月4日)のレポートは→こちら です。

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こんな風に、通路から無料コンサート(赤いステージで行われる)を見る事ができます。

会場はアクセス至便。東京メトロ有楽町駅、日比谷駅からいずれも直結、JR有楽町駅からも至近距離にあります。実は、JR東京駅丸の内出口からも歩ける距離です。信号待ちもあるので、15分くらいでしょうか。銀座までは徒歩10分くらいです。

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出口Dの方向へ。

地下鉄からだと地下1階から連絡通路を通ります。
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駅からですとABCDのうちDホールが一番近く、Aまではさらに通路を5分ほど余計に上がらないといけません。

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改札を出て席に着くまで、開演間際だと15分は見ておいた方が無難です。Dホールは近いのですが、エレベータに乗ったり乗り換えたりで、結構時間がかかります。地上広場からだとそれぞれ5分強というところでしょうか。


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さて、本日は最終日でしたが、3つのプログラムを聴きました。

まずは自然へのオマージュ 公演番号No.324、ローザンヌ声楽アンサンブルによる小品集です。

プーランク:7つの歌(白い雪、ほとんどゆがまずに 新しい夜に すべての権利 美とそれに似たもの マリー、光る)
ドビュッシー:シャルル・ドルレアンの詩による3つの歌(神よ!眺めるのはよいものだ、太鼓の音を聞くとき、冬はただの厄介者)
ラヴェル:3つの歌(ニコレット、楽園の美しい羽の小鳥、ロンド)
ヒンデミット:リルケの詩による6つのシャンソン(牡鹿 白鳥 みんなが去って 春 冬に 果樹園)
フォーレ:魔人たち(ジン)op.12、ラシーヌの賛歌 op.11

いずれもフランスの小粋な作品で、フォーレを除いては伴奏なしのアカペラを楽しみました。
ローザンヌといえば毎年、合唱の神様ミシェル・コルボの指揮でフォーレのレクイエムなど大掛かりな宗教曲を聴いてきましたが、こうした小品を聴くと、メンバーひとりひとりも優れた歌い手だということがよく分かりました。

ソロパートもありますが、ソロ歌手のような突出した歌声ではなく、アンサンブルによく溶け込んでいます。
不協和音や実験的な曲の響きも大変美しかったです。

続きましては公演番号325番のボリス・ベレゾフスキー…のはずだったのですが、今回は急病のため代役をレミ・ジュニエが務めました。

公演に先立って、音楽祭ディレクターのルネ・マルタンさんが経緯を説明してくれました。

ベレゾフスキーさんからは、ほんの少し前にものすごく体調が悪いと電話があったそうです。主治医から10日間は安静にしなさいと言われ、来日は諦めたとのこと。

思い起こせば東日本大震災の年、震災のわずか2か月後に開催されたラ・フォル・ジュルネでは、地震と原発事故の影響で公演キャンセルが相継ぐ中、いつも通り来日してくれて、本当に励まされました。そのベレゾフスキーさんが来日できないとは、病状がとても心配です。一日も早いご回復をお祈りしています。

そんな大物の代役を務めたレミ・ジュニエさんは巻き毛の若い衆なのですが、マルタンさん曰く、ベレゾフスキーさんが大変気に入っているピアニストだそうで、「カルト・ブランシュ」(曲目は当日発表)という演奏会に呼んで、一緒に出演したりされたのだとか。

まずはベートーベンのピアノ・ソナタ14番「月光」と、ショパンのピアノ・ソナタ第3番を弾いてくれましたが、表面は線が細く、冷静に弾き進めながらも、湧き起こる激情を制御しきれない、といった風情の演奏を聴かせてくれました。これはまあ、定番をソツなくこなした感じでしたが、その次が凄かった。

ステージにはチェリストのアンリ・ド・マルケットが登場し、やおらバルトークのラプソディ第1番が始まりました。貫録のマルケットの演奏にも、ジュニエは堂々互角に応え、全く臆しません。その、一見飄々としたツンデレな演奏スタイルがものすごくこの曲に似合っていて、思わず吹き出しそうでした。

タイミングを合わせるためにコンタクトを取る一瞬は戦友同士の雰囲気ですが、次の瞬間は2人の間に火花が散るようでした。いきさつが残念ではありましたが、今年一番の名演奏を聴かせてもらいました。

今年最後に聴いたプログラムは、初日の追加公演No.777で感動したので急遽追加で取ったNo.356 ユーリ・ファヴォリンのピアノでした。

曲はケクランのペルシャの時 pp.65 全曲です。

旅立ちの前の午睡、キャラバン(午睡中の夢)、暗がりの山登り、すがすがしい朝、高い山間にて、町を望む、街道を横切る、夜の歌、テラスから見る月の光、オバド、真昼の陽ざしを受けるばらの花、石像の泉の近くの日陰で、アラベスク、日暮れ時の丘陵、語り部、夜の平穏、墓地にて、真夜中のイスラム教修道僧たち

と、各楽章のタイトルも魅力的です。

このタイトルから連想されるような異国情緒あふれるリズムやメロディもところどころに潜んではいるものの、全体としては近現代曲らしい響きなのですが、譜面を読んだら途方に暮れそうなこの曲を、見事に立体化して描き出していました。

こちらは椅子に座っていながらも、まどろみに誘われたり、砂嵐に巻き込まれたり、夕暮れの斜めの陽光を頬に浴びたりしながら1時間を過ごしました。

あまり知られていない作曲家を聴きに来ようという人たちだから気合いが入っているのか、お客さんもプロ(?)で、出だしや曲間などには吸い付くような緊張感のある静寂を作りだしていました。常にガサガサ落着きのないことが多いラ・フォル・ジュルネでは稀有の体験でした。

異様な緊張のうちに曲が終わると、ピアニストはニッコリして、チャイコフスキーのユーモレスカ、と言って愉快な曲を1曲、プレゼントしてくれました。万雷の拍手で、和やかムードのうちにプログラムは終了しました。

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会場を去るのも名残惜しく、しばらく地上広場で風に吹かれていました。簡易テーブルを囲んで偶然相席になった人たちと話が弾んだり、最終日だからか通路際に座っていたからか、次々知り合いが通りかかるので乾杯したりと、ちょっとしたパーティー気分のうちに、今年のお祭りも過ぎていきました。

本当に楽しいひとときをありがとうございました。

来年2017年のテーマは「ダンス」だとか。
こんな大がかりな催しを維持していくのは大変なことだと思いますが、どうか来年も恙なく開催されますように…!

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2016年05月04日

ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン 熱狂の日 2016 ナチュール 第2日目(5月4日)感想

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皆さま、こんばんは。

有楽町/日比谷の東京国際フォーラムで行われている熱狂の日も、はや中日となりました。
(昨日の初日の様子は→こちら

さすがに昨日に比べると人出も増え、地上広場は賑やかになっていました。
しかし、今年は、例年だったら前売りの段階で売り切れてしまうであろう良い公演が、まだ買えるんですね…。↓

http://www.lfj.jp/lfj_2016/performance/timetable/index3.php

諦めずに、パソコンでゲットしてから会場に行くか、ガラス棟の中に当日券売り場があるのでその場でゲットして、ぜひお祭りに参加なさってください! ビックリするようないいプログラムにまだ空きがあります。

でも、この音楽祭の趣旨からいえば、ふらっと来てふらっと入れる方が楽しいですよね。その意味では、今年の混み具合くらいでちょうど良いんだろうけど、あまり収益が悪化すると開催されなくなっちゃうだろうし、難しいところですよね。

日比谷駅から会場のホールに向かうとき必ず通るガラス棟のB1階は、ガラスでできた渡り廊下のようになっていて、B2階で行われているキオスクコンサートの会場を上から横切る形になります。下でキオスクコンサートをやっていると、ガラス越しにのぞくことができます。音も流してくれているのでその場でも楽しめますが、当日の半券を持っていると、会場内に入ることもできます。

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たまたま昨日聞いたvoces8が出ていて、ものすごい人だかりでした。有料コンサートでやっていた歌もうたっていましたが、ところどころ観客参加型のワークショップ形式になっていて、コンサートより面白かったです(笑)

舞台はぐるりと360度お客さんに囲まれているので、ウェーブをさせたり、それぞれ自分の前にいるメンバーの出す音(カッコウやハチの羽音、日の光など)を真似して歌わせたりして、全員合わせると1つの曲になる、というのをやってました。

アカペラというと取りつきにくいですが、こうやって組み立てるものなんだなあとよく分かる、優れたパフォーマンスだったと思います。最後まで聞きたかったけど、楽しみにしていた公演の時間が迫ってきたので、泣く泣くその場を後にしました。

さて、有料公演の開演前には、いつも注意事項などのアナウンスが流れるのですが、今年はなかなか凝っていて、各会場にプロジェクターで森が映し出され、自然の音がチャイムがわりに使われています。

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ホールAの様子(もちろん、開演前にスマホは電源を切りました)

公式HPによると、「耳のためのシネマ」(レポートは初日の感想記事に→こちら)のボリスさんが採集した本物の自然の音だそうです。

ホールA : モリヒバリ
ホールB7 : カッコウ
ホールB5 : ミソサザイ
ホールC : ウタツグミ
ホールD7 : ヤツガシラ
G409 : コオロギ
日比谷野音 : サヨナキドリ

本日最初に聞いたプログラムNo.212はヒバリの賑やかな声で始まりました。
毎年楽しみにしている、小曽根真さん登場の絶対外さないプログラム。今年も期待以上の面白さでした。

舞台の上には2台のピアノ。まずはピアニスト1人とヴァオリニストが登場。さて何だろう、と思ったら、弾いてるのはピアノのはずなのに、なぜか琴みたいな音が…そして、やおら始まった「春の海」。

そういえば、この曲きちんと通して聞いたことなかったなぁと思いつつも、会場はすっかりお正月モード。
舞台に登場したもう一人のピアニスト、小曽根さんも開口一番、

「皆さま、明けましておめでとうございます(笑)」

その後、観客のために種明かしをしてくれましたが、スタインウェイに貼ってはがせる粘着テープをつけただけでした。ピアノの弦にさまざまなものを取り付ける、プリペアドピアノのような凝った仕掛けをしているのかと思ったら、工夫次第で簡単にできるものなんですね。

続いて小曽根さんがラテンを1曲弾いてくれて、その後、予告されていたサン・サーンスの動物の謝肉祭が始まりました。

これも「春の海」同様、全部を通して聞いたことがなかったので、とても新鮮でした。ところどころにさりげなく、嫌味のない形でジャズの味付けがされていて、それも良かったです。

ピアノの小曽根真さん、江口玲さん、ヴァイオリンの ドミトリ・マフチンさん、矢部達哉さん、ヴィオラのジェラール・コセさん、チェロの宮田大さん、コントラバスの山本修さん、フルートの工藤重典さん、クラリネットの吉田誠さん、マリンバの安江佐和子さんと、いずれも腕利きのメンバーが揃い、息の合った演奏を聴かせてくれました。

途中、有名な「白鳥」の章がありますが、何度も聴いたことのある、いまさらな曲なのに、今日のチェロは格別に素晴らしくて、思わず涙が出てしまいました。伴奏に回ったピアノも、控えめながら、水や光のキラキラした様子が目に浮かぶようでした。

アンコールはピアノの掛け合いから派手な終曲の追い込みを再演奏してくれましたが、そこに今回の人気者、ナチュールおじさん(勝手に命名)も参戦、大盛り上がりで終了しました。あぁ〜楽しかった!

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ナチュールおじさん(?) ガラス棟入り口の展示付近に出没して皆から記念撮影をせがまれていました。このプログラムの前に、Aホールの入り口でお見かけしたので、おや? と思っていたのですが…


続きましては、No.266の北欧の自然を鑑賞です。

ロケ地めぐり…じゃないや、お宅訪問までしてしまったグリーグはじめ、大好きな北欧の作曲家たちの作品を集めたピアノプログラムということで、選んでみました。曲目は以下の通りです。

パルムグレン:五月の夜(《4つの春の夜》op.27から)
ペッテション=ベリエル:夏の歌、ローンテニス(《フレースエーの花々》 第1巻 op.16から)
シベリウス:ピヒラヤの花咲くとき、孤独な松の木、ポプラ、白樺の木、樅の木(《5つの小品/樹の組曲》op.75から)
シベリウス:ひな菊、カーネーション(《5つの小品/花の組曲》op.85から)
グリーグ:ノクターン、小川、春に寄す、トロルドハウゲンの婚礼の日 (《抒情小曲集》から)

初めて入ったG409のお部屋はこじんまりとしてとてもコージー。153席しかないため毎回競争率が非常に高く、今回は取れてラッキーでした。

演奏はきちんとしていたのですが、体操の曲みたいで面白かった1曲を除くと、どちらかというとおとなしい曲を、曲想に忠実におとなしく弾いた感じで、ちょっと印象が薄くて…。

そして最後はNo.257でこれもピアノソロ。
実は、同じ時間の別のプログラムを予約したつもりだったのに、会場のB7をD7と間違えて取っちゃいました。毎年何か一つはポカをやってしまうのですが、今回はコレでした(哀)

アンヌ・ケフェレックさんによるこちらも好プログラムなのは分かっていたのですが、前に聴いたことがあるからパスしよっと、と思っていたのにそれは許されなかったようですw

曲目はこちら。

ドビュッシー:水の反映(《映像》第1集から)
ドビュッシー:オンディーヌ(《前奏曲集》第2巻から)
ドビュッシー:沈める寺(《前奏曲集》第1巻から)
ケクラン:漁師たちの歌(《陸景と海景》op.63から)
ラヴェル:海原の小舟(《鏡》から)
リスト:悲しみのゴンドラ Sz.200/2
リスト:波の上を渡るパオラの聖フランチェスコ(《2つの伝説》から)

演奏はもちろんさすがの貫録で、どこからこんな音がと思うぐらい迫力のある演奏でしたが、さらに良かったのはアンコール曲。

良く眠れるように、とヘンデルのメヌエットを弾いてくれました。

この方の演奏はフランスの作曲家の曲しか聴いたことがなかったのですが、透明感のある、典雅でしかも優しい、大変素晴らしい演奏でした。おかげで良く眠るどころか興奮してしまい、帰宅がだいぶ遅くなっちゃいました。

とは言え、こんな静かで優しげな、しかも子守唄がわりに弾いてくれた曲が終わった後で、ヴラボーッツ!って怒鳴るのはホントに勘弁して欲しいです。頼むからやめて…。

ということで、明日は最終日。初日に聴いて良かった奏者のチケットがまだ売っていたので、急遽追加して聴きに参ります。

では、また明日!(記事は→こちら

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2016年05月03日

ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン 2016 1日目(5月3日)感想

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皆さま、こんばんは。

今年も恒例、有楽町/日比谷の国際フォーラムを主会場に開催されるゴールデン・ウィークの音楽のお祭りに、出演者と観客として参加しております。

今年は前夜祭には参加せず、第1日目の午後から出かけました。

少し曇り空で爽やかな風が吹き、オープンエアの催しには絶好のコンディション…だったのですが、一番混むはずの午後の時間帯でもどことなく人出が少なく、例年なら長蛇の列になる地上広場の屋台村も、並ばずすいすい買えるのに何となく危機感を覚える初日でした。

音楽祭全体のテーマが、「自然」という漠然としたものだったのが影響したのでしょうか。それとも、不景気を反映してるのでしょうか。何とか来年も開催できるだけの入場者が集まって欲しいものです。

沈んだ気分に追い打ちをかけるように、楽しみにしていたピアニスト、ボリス・ベレゾフスキー来日キャンセルの報せ。いの一番にチケットを押さえただけに大ショック。急病とのことで残念ですが、来年は元気で来日してくれますように…。

さて、初日の今日、最初に聞いたのは実は普通の音楽ではなくこちら、「耳のためのシネマ」

入場前にアイマスクを受けとり、開演を待ちます。まずは、プログラムの創作者、ボリス・ジョリヴェさんから挨拶があり、たくさんの作曲家による作品、ということでスタートします。

目を閉じて耳を澄ませていると、さまざまな音が聞こえてきます。

鈴のような音。泡立つような音。風切り羽根や、重い何かが移動するような音。嵐が吹き荒れるような音。
電子音のようなものも混ざっています。
大きい音、小さい音、近い音、遠い音。

鳥のうたや小川の流れのように、すぐ分かるものもあるし、見当もつかない音もあります。
アブのような音がすると頭のてっぺんが痒くなるし、風の音が唸ると砂粒が頬に当たったような感覚があり、ハエの音がしたときは思わず振り払おうと手を動かしてしまいました。

最後は、同じ単語が、まるで下から上へ立ちのぼるように移動しながら唱えられていく声で終わります。

終わった後、ボリスさんが少し解説をしてくれました。作品に使われた音はすべて自然音で、氷の移動する音
、蜘蛛の鳴き声(!)などは採集にとても苦労したそうです。

質疑応答もあり、自然の中だけではなく、たとえば東京では、また他の都市とは違った音がするので、熱心に収集したのだとか。さすがです。

続きまして、今度は合唱のプログラム(No.135)。
VOCES8はイギリスのヴォーカルグループで、美しいアカペラを聞かせてくれました。宗教曲とポップスが混ざっているという凝ったプログラムでしたが、編曲が上手いのか、ポップスも彼らのスタイルに似合っていてどちらも楽しめました。

曲目はこちら↓

シュッツ:天は神の栄光を語る SWV.386(《宗教的合唱曲集》op.11)
メンデルスゾーン:なぜなら彼は天使たちに命じて(詩篇第91番)
ドイツ民謡:マリアはいばらの森を通り
ベネット:生きとし生けるものは
ウィールクス:ヴェスタはラトモス山を駆けおりつつ
コズマ(ローランド・ロバートソン編):枯葉
スコットランド民謡(ターナー編):オー・ワリー・ワリー
アメリカ民謡(ヒューイット・ジョーンズ編):シェナンドー
マクリーン(ジム・クレメンツ編):星の降る夜
ジョン&ミシェル・フィリップス(ジム・クレメンツ編):夢のカリフォルニア

アンコールもあり、ライオンキングから1曲歌ってくれました。

頑張って日本語でMCをしてくれたり、会場出口ではメンバーがお見送りをして一人ひとりに握手をしてくれたりと、小ホールでのリサイタルを思わせる親密な雰囲気でした。

今日の最後は急遽設定された追加公演(No.777)。
「夜」にちなんだ作品を集めて、と題して、

ジョナス・ヴィトー(ピアノ)
チャイコフスキー:5月 白夜(《四季》op.37bから)

ユーリ・ファヴォリン(ピアノ)
ケクラン:夕べの歌、テラスに差す月光、夜の回教僧たち〜荒れ果てた地に差す月光(《ペルシャの時》 op.65から)

ルイス=フェルナンド・ぺレス(ピアノ)
ショパン:夜想曲 ハ短調 op.48-1→こちらは
グラナドス:《ゴイェスカス》より「マハと夜鳴きウグイス」に変更
ショパン:ノクターン 変ニ長調 作品27-2

ソプラノ&ピアノ
ドヴォルザーク:月に寄せる歌 (オペラ《ルサルカ》 第1幕より)
ストラヴィンスキー:ノー・ワード・フロム・トム(トムからは何の便りもない)(オペラ《放蕩者のなりゆき》 第1幕より)

今回の目玉奏者ばかりを集めたプログラムとのことで、たぶんどなたの演奏も初めて聴いたと思いますが、ことに2番目のユーリ・ファヴォリン、この人の演奏は凄かった。

間の取り方が絶妙なのと、音のくっきりとした立ち上がりが美しく、すっかり聞き入ってしまいました。ケクランのこの曲、録音を聴いたときはどうしようかと思うほど退屈だったのに、こんなに素晴らしい曲だったとはおみそれ致しました。

最後に歌曲もあって、歌の方は響かない会場でソプラノの人が歌うには低い音が多かったのか、かなりドスコイ入っていたうえ、高い音はのどを締め付けられてるような感じでちょっと厳しかったですが、伴奏はとても良かったです。ドヴォルザークはチェコ語の歌詞でしたが、歌詞カードをみたら千野栄一先生の訳でした。

ということで、明日も引き続き行ってまいります!


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2015年05月04日

ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン「熱狂の日」2015

*げげ…すみません、今朝になって読み返してみたら、途中、書いたり消したりしたせいか、記述が入れ替わっておかしな事になっていました…おわびして訂正いたします。

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(↑今年のキーヴィジュアルはこんな感じ)

今年も鑑賞&参加いたしました、ゴールデン・ウィーク恒例・クラシック音楽のお祭りです。今朝は日比谷あたりで御神輿も担いでたみたいで、祭日の雰囲気満点でした。

今年のテーマは「パシオン」ということで、耳慣れなかったせいもあり、恐らく去年よりは、若干来場者も少なめだったかと思われます。それでも、クラシック音楽でこれだけ人が集まるってところが、そして毎年続いてるってところが、本当に貴重な催しだと思います。

いくつか聞いたプログラムから良かったと思うものをピックアップしてみますと、やはり、一番はボリス・ベレゾフスキーですかね…(ホント、例年飽きずによく聴くね)。

つか、よみうりホールでの公演(174)でしたが、配られたプログラムリストは堂々

ショパン   未定
ラフマニノフ 未定
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ってミステリーツアーじゃないんだからさ…。

でも、シロクマが弾くなら、この際何でもいい!というお客さんが私含め圧倒的多数だった模様で、ほぼ満席のお客さんの期待を裏切らず、相変わらずテキトーに間違えてるところはあるし、ピアノ壊しそうだし、あれ、全部ラフマニノフだったよね、ショパンなんかやった? って感じで、終わったら何だか思わず笑っちゃいました。

日本の人は自分たちの特徴を「和の精神」とよく言ったりしますが、ロシアの人は、自分たちを「楽天的」だと言うそうです。これまで、え、マジかい...、そうね、セルフイメージって他人から見てるのとはだいぶズレがあるよね…とか思っていたのですが、この人の演奏を聴いたら、あぁ、ちょっとは納得できるかもなぁ、となぜか思ってしまいました(ちなみに、曲はショパンのバラード、スケルツォ、ラフマニノフの「音の絵」でしたが、アンコールでグリーグの「抒情小曲集」をやってくれました。これがまたもの凄く良かった)。

134 レミ・ジュニエのピアノ、ショパンの4つのマズルカは、少し力んでたのと、かなり急いでる感じがして、あれ?という印象でしたが、続くショパンのピアノソナタ第3番は素晴らしく、特にアレグロ・マエストーソは目の覚めるようなユニークな解釈でした。フィナーレもばっちり決まってました。

251のエカテリーナ・デルジャヴィナのピアノは、優美ではあったけど弱弱しく、最初はあまり特徴を感じませんでした。

バッハのフランス組曲、グールドのように割とくっきり弾く演奏スタイルに慣れていたせいか、どうももやもやした感じで、チェンバロだったらこれでいいのかもしれないけど、ピアノだとどうなんだろ…と聴いてるこちらももやもやして、はっきり言って凡庸な出来に聞こえました。

朝一のプログラムだったので、早起きしてわざわざやってきたらしいお客さんの気合いが物凄く、むしろそこに感動です。一音も聞き逃すまいと姿勢前のめりだし、ダメな演奏には拍手まばらだし朝の勤行みたいでした。

しかし、5番に入ると、くっきり弾かないことで、却って音のつながりが模様のように分厚くなり、豪華な織物みたいで、とても新鮮でした。今後はこの曲、彼女の演奏を懐かしむことになりそうです。会場の厳しいお客さんたちも喜んでました。

216 「ヨハネ受難曲」は、席についてみたらビックリ仰天したほどの良い座席だったにも関わらず(「チケットぴあ」よ、ありがとう)、またもホールAの呪いか(このホールで声楽はやめといた方が…)、音がステージの天井や奥に引っ込んでしまっているかのようで、聞きづらく感じました。

それでも、エヴァンゲリストが素晴らしく、また、フォルテのときのミシェル・コルボの力強く決然とした指揮っぷりに見とれてしまいました。合唱はフーガになると子音が浮き上がるように聞こえてきて、ドイツ語の歌って良いもんだなぁと改めて感動いたしました。

来年のテーマは早くも「自然」と発表されました。これはなかなか楽しみですね。メシアンとか、やらないかな…。

ということで、拙い演奏をお聴きくださいました皆さまもありがとうございました。

今年は体調を崩したせいで、前夜祭の「メサイヤ」に参加できなかったのが返す返すも残念です。

皆さまもどうかご自愛のうえ、来年もラ・フォル・ジュルネでお会いしましょう!
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2014年05月06日

ラ・フォルジュルネ・オ・ジャポン2014 第3日目(5月5日)

本日はラ・フォルジュルネ最終日。明け方の地震、初来日のアーティストはびっくりしたんじゃないかなぁと思いつつ、余裕で家を出たつもりが、会場に着いて、がーーーん…。

切符忘れた。

年は取るもんじゃないわね〜と平静を装いつつ、私にさんざっぱら急かされて家を出た連れ(わに)に睨まれつつ、チケットを取りに家に帰りました。てなことで、1プログラム聞き逃しました。お財布に厳しかったことはもちろん、今回一番楽しみにしていたヴォックス・クラマンティスのグレゴリオ聖歌とジョン・ケージを聴くことができませんでした。実に痛恨の極みです。

気を取り直しまして、次のプログラムは345番、小曾根さんとNo Name Horsesによるガーシュイン×ガーシュイン。

毎年クラシックの枠を超えて楽しいステージを見せてくれる小曾根さんですが、今回はビッグバンドとの共演で、かなりジャズ色の濃い演奏でした。

お客さんはあまりジャズに慣れていないのか、いちおうクラシックのコンサートだからお作法的に迷ったのか、ソロパートが終わったあとの拍手がまばら。見かねてか、途中からバンドの隣の人が見ぶりで「はい拍手〜」みたいなジェスチャーを入れる珍事(?)に。

そんな苦難も乗り越え、演奏は実にパワフル。勢い余って途中がかなりラテンっぽくなってたけど、ま、気にしない気にしない。今年も期待を裏切らない、素晴らしい演奏でした。

さらに、もう一曲、ガーシュインのバラードをやってくれました(曲名を言ってくれたのですが失念)。こちらは渋いサックス隊がフィーチャーされて、さらに夜の雰囲気に。いやぁジャズの分かる大人って素敵。私にゃ100年早いけど。

そして本日最後のプログラムは、オオトリ316番。
ハコが一番大きいAホールだったので、最初迷っていたのですが、最後のプログラムは独特の雰囲気があって捨てがたく、思い切って聴いてみることに。

久しぶりのAホールは、ステージ脇に大きなスクリーンが設置されて演奏者の表情をリアルタイムで追えるなど、開催当初に比べれば格段に良い感じになっておりました。

曲目ですが、まずは萩原麻未さんのピアノでラヴェルのピアノ協奏曲ト長調。力強く、ことに低音部分に暗めの色彩を持つピアノに、ジャン・ジャック・カントロフ指揮の、こちらもモノクロームな音色のシンフォニア・ヴァルソヴィアが絶妙に絡んできます。この曲の第二楽章は恐らく初めて聞きましたが、夢のように美しい曲。後半、ピアノとオーケストラの音がかなり不協和音っぽく聞こえたけど、そういう曲なんでしょうか。そうなんでしょうね。

お次はボレロ。これはまあ、音楽祭を盛り上げるには鉄板の曲ではありますが、ヴァイオリン隊の気合いの入りっぷりがすごかったです。この手の曲こそ、終わった直後にブラボーが正しいかと思います。

連れはバレエ(のDVD)を観たことはあったけど、曲だけ聴くのは初めてだったそうで、遠くから着々と野獣が近づいてくる感じが怖い…と申しておりました。

そして最後に、ビベスの「ドニャ・フランシスキータ」よりファンダンゴと、ヒメネスの「ルイス・アロンソの結婚式」より間奏曲。

ここで登場いたしましたのがフラメンコ・カスタネットの女王、ルセロ・テナ。スクリーンに映し出されるお姿は御年いくつか分かりかねる雰囲気ではありますが、いったん曲がはじまると、カスタネットを打ち鳴らす度にピタッとポーズが決まるのが、カッコいいのなんのって。聴くだけで、情熱的なフラメンコダンサーが踊っているさまが見えるようでした(オレ!って叫んでる人もいました)。

噂には聞いていたけど、カスタネットで音階も出せるし、pppからfffまで音量も自由自在で、立派にソロ楽器として成り立っていましたというか、カスタネット以外、正直聴いてませんでした、はい。

一曲目からアクセル踏みに踏みまくっていたので、二曲目が終わっても会場が上品に拍手しているのが腑に落ちなかったんですけど、カーテンコールの時はみな立ち上がり、広いAホールが文字通り熱狂に包まれました。

アンコールが終わって、オーケストラが退場しても拍手が鳴りやまず、ルセロ・テナさんが再登場。オーケストラなしで1曲演奏してくれました。広い会場にカスタネットだけが鳴り響き、まさに鳥肌もの。終わると、帰りかけていたお客さんも総立ちになり、文字通り興奮のるつぼと化していました。

もうその後はお客さん拍手をやめないし、またアンコールって訳にもいかないしで、テナさんはマルタンさんを引っ張り出してカスタネットで挨拶。即興のカスタネット・コントに会場の笑いを誘っていました。ファイナルコンサートにふさわしい、実にゴージャスなステージでした。

例年、最終日に来年のテーマが発表になっていたように思うのですが、今年は6月末になるとのこと。来年も無事の開催を期待したいです。
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2014年05月04日

ラ・フォルジュルネ・オ・ジャポン2014 前夜祭と第1日目(5月3日)

s-2014フォルジュルネ.jpg
皆さま、GWはいかがお過ごしでしょうか。

こちら、今年も当然のごとくラ・フォルジュルネ三昧でございます。
今年は計画ミスで出演は取りやめになってしまいましたが、やはり、お祭りは参加してなんぼ、ということで、事前準備のいらない前夜祭に参戦いたしました。

今年は5月2日の夜7時きっかりに、会場前の広場にて演奏スタート。去年はボレロだったので、楽器を持っていくのが面倒で参戦しなかったのですが、今年は第九。歌えばいいだけだから楽々です。

そう思った人が多かったのか、広場は入場規制こそかからなかったものの、身動きできないほどの人だかり↑。オーケストラの楽器以外にも、ピアニカや縦笛、フライパン(サムかよ!)なども加わり、めちゃくちゃ賑やかです。

中央にしつらえられたキオスクに指揮者と合唱が、その下にオーケストラが陣取り、周りを十重二十重に取り囲んでいるのはギャラリーなんかではなく全員やる気120%の参加者という、恐ろしい絵づらであります。

HPで事前に譜面がアップされていたので、楽器組はそれをみながらリハスタート。しかし、人ごみで正面に回ることができないので、指揮者が全然見えません。この曲の性格上、最後の部分は指揮が見えないとタイミングが合わないので(そして、参加者はわざわざ駆け付けただけにきっちりやる気満々)、何度かリハを行い、本番スタート。

あっという間に終わっちゃうので、そのあと何度も本番が(笑)。にわか大合唱団はお互いにブラボーといい、写真を撮り合うなど、お祭り気分最高潮で幕を閉じました。

たった30分のイベントが終わると、三々五々、二次会に繰り出す人や、その場で小さな演奏会を始める人など皆楽しそう。私も知り合いと落ち合って女子(?)トークに花を咲かせました。

さて、続きまして1日目は、ボリス・ベレゾフスキーの「夜のガスパール」からスタート。

あれ、去年もやったじゃん、それ? とお思いの方、そうなんですよ。あの演奏が素晴らしかった(→ちなみに、去年の感想は コチラ )と思ったのは当然、私だけではなかったらしく、今年もやってくれたのです。

演奏は今年も最高!…になるはずだったのですが、観客がダメだったので、ダメでした。

演奏する側になってみるとよく分かるんですけど、いい演奏にはいい観客が必要です。そしてクラシックの場合、それは、音を出さないお客さんな訳です。

静かなのがいいなら、観客がいない方がいいんじゃないの〜?という声が聞こえてきそうだし、事実、リハーサルが結局一番いい演奏だったっていう体験は何度もありますが(何しろ、疲れてないですからね)、聞いてくれる人がいるときといないときでは、演奏の質が決定的に違います。

録音とか、リハーサルとかは音楽が主役になるのですが、コンサートでは「場」が主役になります。ですから、演奏者と同程度に観客も重要なのだと私などは思います。

そういう意味では、クラシック音楽は優れて観客参加型の催しです。

しかしそこはそれ、演奏者と観客では、おのずと役割は違います。だからクラシックは窮屈でイヤだ…と思われるかもしれませんが、ちょっと考えてみてくださいよ。バレエの公演を観に行ったら、観客がやおら立ち上がり、客席で炭坑節とかどじょうすくいとか踊りだしたら(面白いかもしれないけど)、舞台はぶち壊しでしょ。逆に、エグザイルとかの舞台で、客がステージ下でいきなり「白鳥の湖」とか踊りだしちゃったら(ウケるとは思うけど)ステージの上の人はやりにくいですよね。

演奏会も全く同じことだと思うんですけど、どうでしょう…。

特にクラシックの場合は演奏の音量がそれほど大きくないのに、よく響くホールで行われるので、ちょっとした物音が大きく増幅されます。しかも、自分よりも前の客席の音は自分にはあまり聞こえませんが、自分よりも後ろの客席の音は、よく聞こえます。ってことは、最前列にいる演奏家には客席の雑音がバッチリ聞こえちゃうんですよね…

繊細なピアノのメロディにかぶせて、がさごそがさごそウインドブレーカーを引っ張る音、暗くて見えない手元のパンフレットをめくる音、ファスナーを開け閉めする音、手提げの置き位置を移動する音、等の伴奏は要りません!! まったく、どんなアヴァンギャルドかっつーの。炭坑節は盆踊りの時にして下さいっ!!!

特にこの日の曲目はぴたっと演奏を止める休符の部分がアクセントになっているのに、そこで一瞬間が空くどころか、がさがさがさっ!と必ず音がするので、曲が後半に進むにつれ、弾き手が無音部分の間隔をどんどん詰めていっているように感じました。こうなると曲の呼吸も乱れるし、演奏は本当にぶち壊しです。そして、とても静かに曲が終わったとたんに大音声で「ブラボーッ」。ここまで破壊しといてブラボーとは、いったいどの口が…と呆れましたが、とにかくあれもやめてもらいたいです。

先陣争いをしているように思えて仕方ないんですが、全然カッコよくありません。静かな曲が終わったら、ちょっとは余韻に浸りたいなぁ…。

続きましては、ヴァネッサ・ワーグナーのピアノと電子音楽MURCOFのコラボ。

曲はジョン・ケージの「ある風景の中で」からスタート。この曲は、あのキノコ親父の作曲とは思えないほど(失礼)美しい曲です。私は映画「アート・オブ・トイピアノ」でマーガレット・レン・タンさんが弾いたこの曲を聴いて、すっかりファンになってしまいました(映画の感想は、→ こちら )。

今回のアレンジについては、この手の電子音楽にありがちな、ノイズを被せる手法がありきたりすぎてちょっとどうかな…?と思いましたが、続くアダムス「中国の門」、グラス「メタモルフォーシスU、W」、フェルドマン「ピアノ小品1952」、グラス「デッド・シングス」「ウィチタ・ヴォルテックス・スートラ」はどれも良かったです。

全面にノイズが被って来るため、ピアノ単体の素晴らしさはあまり際立ってはこなかったのですが、ワーグナーさんはミニマルな音楽をエレガントに弾きこなしていらっしゃいました。ときどき、向いのMURCOFさんの方をちらちら見るのですが、向こうはずっと画面を観ていてガン無視していたのがなんか可笑しかったです

なんと一番前の列で観たので、袖に引っ込んだ後も見えたのですが、MURCOFさんが、あーやれやれ終わったコーヒー飲もっと…みたいな感じでカップを手にとると拍手で呼び出され、あー終わったじゃ飲むか〜と思ったらまたカーテンコールでカップを置いて…てな感じなのがお気の毒で笑っちゃいました。ははは。

次は5日に聞きに行きます!
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2014年04月13日

2014 スターズ オン アイス STARS ON ICE 観てきました

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オリンピックのメダリストたちが氷上で夢の競演!なアイスショー、「スターズ・オン・アイス」を観てまいりました。

これまでもフィギュアの試合は熱心にテレビで観てました。どうせスケート場に行ったって遠くにしか観えないし、寒いし(←無知)ね〜と思っていたのです。

ところが、年末に横浜に行って、ちょっと考えが変わりました。

赤レンガ倉庫に遊びに行ったら、そこに臨時のリンクが出来ていて皆楽しそうに滑っているのです。中に一人、とても上手い年配の方がいて(横浜ってなんでいつもモダンなおじいさんがいるのでしょうか)、ゆっくりスピンしたり、ジャンプしたりするのがとても優雅で、テレビで観るのとはまた全然違う感動がありました。

折しも今年はオリンピックイヤー。出演者も張り切ってるだろうし、現役の真央ちゃんが観られるのは最後かもしれない!と自分でも呆れるミーハー根性丸出しでチケットを手にしたのでありました。

とにかく、オペラが観に行けるぐらい高いチケット、しかも2人分なので私のような庶民には購入にかなりの幽鬼が、いや勇気が必要でしたが、せっかくならアリーナにしようか…それとも、全体が見られるスタンド前方がいいかなとさんざん迷って、今回はスタンドにしてみました。でも、今思えば、現場で観るんだったら多少見づらくても、距離が近い方が絶対に良いと思います。

公演の時間もとても迷いました。金、土、日とあるうち、中日の土曜日にしたのですが、昼と夜の2公演あります。自分が出演する側のときは、絶対夜の方が調子が上がるのですが、音楽とスケートじゃ違うかも…きっと疲れるだろうし、昼にしようか…と迷ったあげく、結局、夜に。比べてみないと分かりませんけど、照明がステキな演出が多かったので、これは夜で正解でした。

さて、会場の国立代々木第一体育館は、駅から至近の割に駅からの道のりが非常に不合理で、バリアフリーのバの字も考えられていない動線となっています。歩行者より車が優先の時代の名残なのか、地下鉄で行ってもJRで行っても、歩道橋を渡らないとアプローチできません。当然、行きも帰りもそこが大渋滞しました。途中で事故でも起きたら大パニックになるでしょう。次のオリンピックのときまでに何とかして欲しいものです。

――と、話が逸れましたが、開演30分前くらいに着いたけど思ったよりは入口も混雑しておらず、スムーズに入場できました。毎日前を通ってた時期もあったのに、一度も入ったことのなかったこの体育館、外からは巨大に見えますが、中は案外、リンクが近くに見えて、正直ほっとしました。

スタンドの前から6列目は、滑ってる人の顔の表情が何とかわかるくらいの距離でした。

次回いらっしゃる方のために参考に記しておきますと、まずは噂どおり、女性がお手洗いに行くのは非常に困難です。観光バスが何台も同時についたときのパーキングエリアみたいなありさまです。また、売店もかなり並びます。席で飲食はできませんが持ち込みは可能で、売店のあるロビーでは飲食可能ですので皆さんお弁当を持ってきていました。

4月も半ばでしたので、会場は全然寒くありませんでした。薄手のダウンやら、靴下やら持っていってみたのですが着ませんでしたし、途中で暑くてスプリングコートも脱いでしまいました。普通の春の服で十分です。ただ、椅子が競技場用の固いプラスチック椅子なので、「プチプチ」を持参して席に敷くと快適です。

と、開演の6時になり、リンクは美しいブルーの色で満たされます。1人、また1人とリンクにスケーターが現れるたびに会場からは大きな拍手が。3組のペアが息の合ったスケーティングを見せて、開幕です。

全体の構成は、シングルやペアの出演者がそれぞれのプログラムの演技を行う合間に、数人の出演者がグループになり、オリジナルの振付で行う演技を挟んでいます。グループ・ナンバーの振付は、出演者の1人、カナダのジェフリー・バトルさんとのことでした。この方は、羽生結弦さんの十八番「パリの散歩道」の振付も担当されたそうです。なかでもパトリック・チャンさん含む、5人の男子が大暴れ、の振付、いきなりガッ、と止まってお客さんにエッジで掘った氷をかけたりして(お客さん大ハシャギ)面白かったです。

ライブで観てみると、テレビとは違うなぁと改めて感じます。

まず、お客さんの拍手。
この会場は長方形で、四面にお客さんがいます。基本、スケーターは8の字を描きながら移動してゆき、大技は審判席を背にした右側の短辺で行われることが多いようです。そうなると反対側に座ってるお客さんとしてはちょっと寂しいのですが、気の利いた選手は、技が少ない側のコーナーでお客さんとハイタッチしたり、大きなスピンを入れたりしてくれます。

そのたびに、近い側の面のお客さんが熱烈に拍手をします。それが音の場に立体感を生み出して、とても面白いんです。

演技が終わると、どの選手も4面それぞれに向かって挨拶をします。そのたびに、向かった面のお客さんが拍手をしたり、声援を送ったりし、挨拶が終わって退場する時は、全員が拍手をします。お客さんも演技の一部になっているような、楽しくて素晴らしい雰囲気です。

また、テレビで観ていると、どうしても回転数の多いジャンプに目が行ってしまいますが、現場で観るときは、回転数の多いジャンプは動きがコンパクトなため、スゴイとは思うけど、あまり面白くはありません。断然、大きな動きの方が綺麗ですし、すぅーっと移動しているだけのときのスケーティングに目を奪われます。速い移動も面白いですが、ゆっくりだと表情まで見えて、それも楽しいです。

全体の印象はバレエに似ているのですが、この滑らかな移動という動きはバレエにないので、珍しく、美しく感じます。

距離や高さも、テレビでは分かりづらいポイントです。テレビではカメラが常に選手を追っているので、リンクの広さはつかみづらいですね。実際には反対側まで結構遠く、よくも一人でリンク全面使いこなせるな〜と思うくらいです。

観てるだけで疲れるので、滑ってる方はもっとでしょう。上手い選手はリンクを大きく使い、美しく滑ります。

高さもカメラを通してだと実感しづらいですね。ペアの選手のリフトはとても高く、投げ上げるとビックリするほどの高さで、ちょっとドキドキします。

衣装はキラキラしているものがライティングとリンクに映えるのはもちろんのこと、風になびくものがステキです。途中、カロリーナ・コストナーさんが「アヴェ・マリア」を滑りましたが、演技の素晴らしさはもちろん、風になびく白の衣装が幻想的で、まるで夢のようでした。最後にはお客さんも立ち上がり、スタンディング・オベーションとなりました。でもきっと、テレビでみたら、衣装がうるさい感じなのではないかと思います。

そして、最大の違いといえば、解説がないことです!
解説音声がないとこんなに演技に集中できるとは、気が付きませんでした。スケーターたちがどんなことを表現しようとしているか、表情や動きをじっくり観察できますし、流れが中断されません。まあ、テレビの画面で音楽だけだと退屈でしょうけど…。

演目の方は、私は断然グループナンバーが好きでした。ソロの方はもう、オリンピックで観た選手が目の前を滑ってるッ!!という感激が大きすぎて、よく覚えてなくて(ホント、しょうもない自分…)。

前半では、開幕すぐで場内を盛り上げた、織田信成さんの「ラストサムライ」の流麗な動きは素晴らしかったし、鈴木明子さんの演技は何か不思議と惹きつけられるものがありました。また、前半でいちばん心に残ったのは、佐藤有香さんの「月光」です。銀の衣装をまとい、ゆったりと美しい弧を描いて滑っていくその動き、
銀盤の舞というのにふさわしい演技でした。

後半はスゴイ人が次から次へと出てきて、興奮してるうちに終わってしまいましたが、意外なところでは龐清・佟健の中国ペアの演技が良かったです。テレビで観てると、ウルトラCの技がいろいろ出てきて「雑技団か…?」とか失礼な事を思ってしまう訳なんですが、ライブでは(もちろんウルトラCも軽々とやるんですけど)、印象に残るのは親密な恋人同士の雰囲気というか、ペアの相手を大事にしてる感じというか、そっちの方でした。このお2人もスタンディング・オベーションを受けていました。

それから浅田真央さん。ジャンプも素晴らしいけど、片手を挙げるスピンとか、ステップとか、動きがとても優雅。素敵な大人の女性に見えました。「Smile」をやってくれたのですが、例の、座ったままニッコリ笑って前進、っていう動作とか、ジャンプとか、技がほとんど正面を背にして右側だったので、ちょっと残念だなぁと思っていたら、途中で左側へ滑ってきたときに、観客席の人と握手を交わしていました。前の人、ラッキーすぎる!

そして何と言っても圧巻は、オリンピック金メダリスト羽生結弦さん。

テレビで観ると何だか華奢で女の子みたいに見えますが、実際に観るとアスリートらしい、しっかりした体格に見えます(細いけど)。後半の最初に日本人選手のグループ・ナンバーで出演したときに、小柄な人かと思って探したのでしばらく見つかりませんでした(苦笑)。比率のせいなのかなんなのか、日本人選手のなかでは飛び抜けて背が高く見えます。

今回の演目は日本風の衣装で「花になれ」でしたが、まあとにかく、素人目にもずば抜けてるというか、異次元のスケーティングです。

他の人は、気持ちの準備があって、大きく踏み切って、さあ、ジャンプ飛ぶぞ飛ぶぞ…って感じなのですが、この人の場合、曲の流れの中にふつうにジャンプが入っていて、しかも高くてとてもキレイ。

そして表現力の豊かなこと。歌詞を聞かなくても、どんなことを歌っている歌なのか、はっきりと伝わってきます。演技というより、お祈りのようです。本当に素晴らしい。すっかり見とれてしまいました。

隣の席に、ご家族にねだられて無理やり一緒に来ました、っていう感じのお父さんが興味なさそーに座っていたのですが、羽生選手の演技を観たとたんに前のめりになっちゃって、ずっと、「すげぇすげぇ…スゴいよこれ…」って言ってました(笑)いや、私も同感です。

最後は、出演スケーターが全員登場。観客は入場のときに配られたサイリウムを振って、声援を送ります。照明を落とした会場に色とりどりのサイリウムが映えて、とてもきれい。昼の回でもあったのかも知れませんが、やはり夜に似合う演出です。こうして夢のようにショーは幕を閉じました。

今回、観客のマナーもとてもよく、声を掛けるのは基本、演技が終わってからのあいさつのときでしたし、ノリの良い曲には手拍子や歓声、どの出場選手にも惜しみない拍手が送られるなど、気持ちの良いひと時が過ごせました。客席には、ロシア選手やカナダ選手の出番が終わると、あいさつのときにその国の旗を振っている観客もたくさんいて、出場者も嬉しかったことでしょう。日本選手のときは、「ありがとう」って手作りのサインボードを出しているお客さんが多く、それも素晴らしかったです。

公演の様子は16日(水)にテレビで放送されるそうなので、今度は解説つきで観るのが楽しみです!
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2013年05月04日

2013年 ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン 1日目(5月3日)

毎年ゴールデンウィークにはかかさず鑑賞/出演している音楽祭です。今年も銀座の東京国際フォーラムで開かれました。

今年は前売りの時期に体調が悪く、ひょっとして5月は入院かも…と怯えていたのでチケット入手を控えていたのですが、大丈夫そうで一安心。でも、争奪戦に乗り遅れてしまい、鑑賞は1日のみ。もう1日は出演側にまわります。

さて、風は冷たかったですが、陽射しは明るかった今日、詰め込むも詰め込んだり、5プログラムを聴きました。

まずは
122番 
アンサンブル・アンテルコンタンポラン。
曲目は、ラヴェル「序奏とアレグロ」とブーレーズ「シュル・アンシーズ」。
この演目、いちばん期待していたのですが、ラヴェルは(ハープの人は上手かったんだけど)曲が凡庸(に聞こえた)。ブーレーズが逆にぶっ飛びすぎ。最初は面白いかと思ったんですけど、このぴかん、どかーんを1分以上聞いていると、最初の新鮮味も薄れて飽きてきてしまいました(泣)。ピアノの上を猫が跳ねたらこんな音楽になるでしょう。現代音楽は私には高尚すぎます。ジョン・ケージは好きでしたが、あれが気に入ったのは単にキノコが好きな人を気に入ったからかもしれない。

133番 
聖なるパリ、というタイトルつきのコンサート。
去年、私の中ではナンバー1の演奏集団だったヴォックス・クラマンティスの公演で、
デュリュフレ グレゴリオ聖歌による4つのモテット
「慈しみと愛あるところに」
「まったくうるわしき」
「汝、ペテロ」
「語れ、我が舌よ」
ギョーム・ド・マショー
「ノートル・ダムのレ」
プーランク
「悔悟節のための4つのモテット」
メシアン
「おお聖なる饗宴」
でした。一人ひとり、歌いながら入場する演出で、一人ずつだと本当に素朴な歌いぶりなのに、コーラスになると素晴らしい3D絵巻が出現するのには感心させられます。曲も響きが美しいものばかりで終わってしまうのが残念なほどでした。

124番 
リチェルカール・コンソートによるバロック音楽。
指揮とヴィオラ・ダ・ガンバはフィリップ・ピエルロ。公演に先立ち、いきなり主催者トップのルネ・マルタンさんが登場。おや、どうしたのかなと思ったら、予定されていたソプラノ歌手が急病で来日できずプログラムが変更になったため、その説明とおわびの口上を述べにきたということらしいです。

全体にキャンセルになったならともかく、演目の差し替えのみだったので、もしこの音楽祭を日本が主導していたら、出演者が説明して終わりになると思うのですが、こういう対応はとてもきちんとしている印象を与えるし、お客さんを大事にしているなあと感じました。

演奏自体は、予想通りの安定した内容でした。最後の、インドの虎狩り…じゃなくてインドの優雅な島々、から「未開人」という曲、今回のような上品な編成でやると面白いですね。私ゃタイコ入ってるバージョンも好きですが。


175番
ボリス・ベレゾフスキーのピアノ演奏で、
ラヴェル「夜のガスパール」
デュティユー:ピアノ・ソナタ op.1より 第1楽章
ドビュッシー:「前奏曲集 第1巻」より。

この演目は会場が国際文化フォーラム内ではなく、よみうりホールでした。
(場所は国際文化フォーラムのななめ前、ビッグカメラの7階です)。初めて入りましたが小ぢんまりしてていい会場ですね(ちょっと古いけど)。

「夜のガスパール」をベレゾフスキーが弾くと知ったので、何としてでもこの演目は聴こうと心に決めておりました。この曲、とても好きなのですが、これまで聞いた演奏はどれも線が細すぎ/感傷的すぎてイマイチ、自分の中のこの曲のイメージとしっくりきませんでした。当たるを幸いブルドーザーみたいになぎ倒す、ロシアの白クマ・ベレゾフスキーなら違う解釈のを弾いてくれるかも、という私の予想を300パーセント裏切らず(なぎ倒し過ぎだってばさ)、ほんとこれラヴェル?ロシア音楽じゃないよね?という演奏を聴かせてくれました(…)。

人によっては乱暴すぎると思ったかも知れませんが、思い切りのよい、切れ味爽快 黒ラヴェル、いや〜最高でした。音符飛ばしたとか細かいこといちいち気にすんな!てやんでぇ江戸っ子でぇっ!もはや何を褒めてるのか自分でもわからん。

デュティユーのピアノ・ソナタっうのも弾いてくれたらしいんですが、全然覚えてません(ラヴェルだと思ってた)。変だなと思って、youtubeで聴いてみましたが、こんな曲やったっけ?相当違って聞こえたけど…? ま、その程度の聴き手なのであまりあてにしないでください。

かと思うとドビュッシーはそれらしかったです。アンコールも気前よくやってくれたんですが、このあとすぐ
次の演目のために国際フォーラムCホールにダッシュしなくちゃいけなくて、後ろ髪をひかれつつ会場を後にしました。アンコール弾いてくれようとしているのに、お客さんががんがん退場するってやりづらいし、失礼ですよね…でも、実際はこの会場からホールCの席まで、移動に5分強しかかからなかったので、それほど慌てなくてもよかったのでした。すみません。

147番 パリ×ジャズ。
小曾根真とオルケスタ・デラ・ルスの塩谷哲によるピアノ2台のコラボ。 
最初、それぞれ一人ずつ演奏したときは、つい直前のシロクマと比べてしまい、うーん、ちょっと器用にまとまりすぎてるかな?などと思っていたのですが、2人で弾き始めたら、その壊れっぷりが物凄い。

チック・コリア「スペイン」とラヴェル「クープランの墓」、と言われても絶対わからないくらいにアドリブ入りまくった演奏で凄まじかったです。ノリも素晴らしかったし、本日最後の演目ということで、かなり長いアンコール曲を弾いてくれました。2台のフランスの車(プジョーとルノー)がコンサートに遅れそうになってすっ飛ばす、という設定の曲らしくて、なんと本日が初演とのこと。大変息の合った楽しい演奏を聴かせてもらいました。

さて、それではそろそろ明日に備えて、おやすみなさい…


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2013年02月08日

ロード・オブ・ザ・リング〜Fellowship Concert〜有志によるサウンドトラック演奏企画のお知らせ

書斎の方とマルチポストになってしまって失礼いたします。
続きのエントリーを書く前に、まずはお知らせをば。

来る2013年2月23日に、有志による「ロード・オブ・ザ・リング 〜Fellowship Concert〜」(入場無料)が行われます。「ホビット」公開を機に、皆でサウンドトラックを演奏しちゃおう、という夢のような企画。

思えば、ロンドンでハワード・ショア指揮の演奏会を聴いたときに(その時の模様はこちらのエントリーをどうぞ)、日本でも愛のある演奏会が行われたら良いのに…とずっと思っていたのですが、まさか実現してくださる方がいたとは!感謝、感謝です!!

鑑賞はもちろんのこと、たぶん、いまなら演奏参加もまだ間に合うんじゃないでしょうか(2月10日に最終打ち合わせがあるそうです)。演奏ができる、歌がうたえる、皿回しができる、忍びの技がある等々、一発芸をお持ちの方、気になる方は、主催者のHPから問い合わせてみてはいかがでしょうか。(ここをクリックするとコンサートのHPに飛びます)。個人的には、バスの方が大勢集まって、いきなり立ち上がって「霧のぉ〜」と歌ってくださると嬉しいんですけど。

あ、大ホールなので、13人超えでも大丈夫だと思います。飛びトロルもたないでください。剣や弓矢は置いてきてください。駐馬場はございません。あしからずご了承ください。ヘラジカもダメです。

日時 2013年2月23日(土)18時開場、19時開演〜20時(終演予定)
場所 所沢ミューズ(埼玉)。会場はこんな場所です。(クリックするとミューズのHPに飛びます)
入場無料です。

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2010年05月06日

ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン 2010 ついに出演側へ…!

フォルジュルネ.jpg

皆さまこんばんは。

大変ご無沙汰しておりました。その間にも、『第9地区』を見たり、『のだめカンタービレ 後編』を見たり、東京の春音楽祭の「カルミナ・ブラーナ」最高のチケット(あの、どこよりも音響が良いと言われている最上階の天井桟敷席ですよ…)を泣く泣く譲ったりと、それなりにイベントをこなして参りましたが、ついに春イベントの本命、ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポンの時期がやって参りました。

第一回から欠かさず見ているこのクラシックの祭典、そろそろボランティア登録でもして、裏方にも参加してみたいな…と思っていたところ、な、なんと、今年はいきなり、出演者側での参加となりました。

入場資格も、驚きの「アーティスト」
パス.jpg…。アーチストって…ははは…無理ありすぎ。

出演は2ステージで、1回目が商業ビルの中での演奏で、こちらは他の人の出してる音がよく聞こえないという結構厳しい状況だったので今ひとつでしたが、2回目は展示ホールでの演奏で、周りの音もよく聞こえ、演奏にも集中でき、自分で聞いてる分にはなかなかの出来だったのではないかと思います(何に出たかはちょっとナイショ)。

今年のテーマ、ショパンとはどういうつながりだったのか良くわからない演目ではありましたが、聞いてくださった皆様、ありがとうございました。

準備があったのと、出演日がギリギリまで決まらなかったため、他の公演を見ることが出来なかったのはちょっと残念でしたが、出演するという形でこのイベントに参加することが出来たのは、本当に嬉しかったです。

公演が終わった後は、展示ホールで他の方の演奏を聴きました。こうして、聴く側と演奏する側が気軽に入れ替わり、距離が近いお祭りって楽しいですね。

良い機会を頂いたことに心から感謝致します。
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2009年04月01日

しだれ桜と薩摩琵琶の夕べ

今年は諸事情によりお花見はなくなってしまい、その代わりと行っては何ですが、表題の催し物に行って参りました。

森鴎外の旧居「観潮楼」のある千駄木の団子坂上は、旧居の名が示すとおり、昔は入り江が見えたほど、見晴らしの良い高台だったようです。このあたりは元々、丸の内へ通うお役人や、教育関係者に分譲された宅地だったようで、今や有名になった団子坂下の千駄木とはまた異なり、往事を忍ばせる邸宅が並ぶ高級住宅地です。

その一角に近代和風建築の傑作「安田楠雄邸」があります。前から行ってみたかったのですが、夜桜に合わせてライトアップと琵琶の演奏があると知り、一石三鳥とばかりに出かけてみました。

元々この建物の事を知ったのは不思議な御縁で、日本ナショナルトラストが管理する京都の「駒井家住宅」をたずねた折、住宅と共にトラストの活動に感動していたところ、「東京にも同様に保存している建物があるんですよ」と教えて頂いた訳なのです。

こちらは水・土の日中しか公開していませんので、夜間参観は貴重な機会でした。二階から真正面に眺められる満開のしだれ桜の妖艶さはもとより、陽が落ちて浮かび上がる日本庭園の陰影や、室内の幻想的な雰囲気は、主が客を招いて宴を張った当時はかくもありなん、という空想をかき立ててくれます。

庭では川嶋信子さんによる薩摩琵琶が披露されました。演目は「嵐が丘」「西行」「花かげ」「祇園精舎」です。

実は薩摩琵琶を聞くのは初めてだったので、大きな楽器でもあるし、どんな音色か楽しみにしていたのですが、華麗な独奏楽器である中国琵琶の演奏を聞き慣れているため、日本の琵琶はいかにも頼りなく、しかも使われ方が三味線と大差ないように感じられました。

しかし、歌が付くと印象は一変します。平氏の悲運を説くくだりは切々として、かそけき弦の音が、諸行無常の念をいっそう強くかき立てるようです。…としみじみしていると、トラジマのネコが視界を横切っていくあたりもこの辺ならではのハプニング(お客さん思わず笑ってるし…)

去年に引き続きの催しでしたので、来年もきっと開催されることでしょう。ぜひお出かけになってみてください。

HPはこちら

なお、歴史的建造物と琵琶演奏の試みとしては、2009年4月28,29日に本郷の求道会館で谷中琵琶styleのユニットが演奏を行うそうです。ここも行ってみたいかも…。

谷中琵琶style
posted by 銀の匙 at 23:08| Comment(0) | TrackBack(0) | 舞台/パフォーマンス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年02月11日

第35回 芸大定期演奏会

海外の街を歩くといつも羨ましく思うのは、それなり以上のレベルの演奏を、時には無料、時にはコーヒー2、3杯くらいの値段で聞けることです。ロケーションも、街中の教会とか、広場に作られた臨時会場とか、住民センターとか、下駄履き(笑)でふらっと入れるようなところばかり。

ひるがえってわが日本では、気軽に生の音楽を聴きたいなと思っても、数ヶ月も前に高いチケットを予約して、電車を乗り継いでコンサートホールやライブ会場まで出かけて…と考えるだけで、もはや一大イベント。とても気軽にって感じじゃありません。かと思うと、その辺でやってる音楽はほとんど、お稽古の発表会ですか?レベルの演奏とか、人前に出るには練習が足りないんじゃ…?とか、ラップスターになろうなんて百年早いわ、おととい来い!みたいなのばっかりだし…。

と残念に思っておりましたが、最近はカフェや図書館、歴史的な建物など、あれっと思うようなところでミニコンサートをやっていて、しかも結構面白いプログラムだったりするので、街歩きの楽しみが増えました。

先週、たまたま行き当たったのも、ふらっと行ける演奏会です。上野公園に隣接して東京芸術大学がありますが、そこの音楽ホール「奏楽堂」で学生の演奏会があるというので立ち寄ってみました。

実は、上野公園の中にもう一つ、「旧奏楽堂」というのがあり、通るたびに入ってみたいなと思っておりましたのですが、何か催しがあるときについでに…と思ってそれっきりになっておりました(演奏会の他、木曜と日曜はミニコンサートや演奏があります)。

で、最初はその旧の方かと思って行ってしまいましたが、そうではなくて、学内にあるホールの方でした。

お花見の時期に上野公園を通りかかると、こんなところに二度と来るものかと思ってしまいますが、谷中・池之端の方から芸大を通るアプローチはとても落ち着いた雰囲気で、曲がり角には「桃林堂」もあり、こんなステキな場所が東京にもあるのね…と思うような幽静な趣が漂っております。

キャンパスは通りを挟んで美術と音楽に分かれており、音楽学校の方に入るのは初めてでした。校舎の脇に堀を巡らして錦鯉を飼ってたり、ボロボロの建物があるかと思うと妙にモダンな建物があったり、目が点になりがちな風情です。

いやー、でも面白そうですよね、音楽学校。好きなだけ音を出しても怒られず、朝から晩まで練習してて良いなんて、羨ましすぎです。そしてホールはといえば、これがビックリ、とっても素敵なホールなんです。

正面のセンターいっぱいに、がーーーん!!と、月と星のオブジェが飾られた美しいパイプオルガンが据え付けられ、客席はフローリングに生成の革シート。シンプルに見えて、とてもおカネがかかってそうな内装です。(中はこんな感じ)通路に「試験官席」って書いた標識が無造作に並べてあるところも学校らしいです。ロビーは前面ガラス張りの窓の前にキャンパスの木々が茂り、最高のロケーション。室内楽にはちょっと大きすぎるような気がしましたが、音響もとても良いです。

演奏会はお代1500円で室内楽、3時から始まったので、終わったらお茶でもして帰ろう…と思ったら、すべての楽曲を通しで演奏したため3時間以上かかりました。満席ではなかったものの、広いホールが8割方は埋まる盛況です。皆さん後ろの方から座っていましたが、自由席なので前方に陣取って見ました。近くと遠くじゃ音の圧力が違いますからね…。

曲目は以下の通り。

シュトラウス ピアノ4重奏
シュミット サクソフォーン4重奏 シュミット
シューマン 弦楽四重奏曲第1番イ短調
ブルーマー 木管五重奏曲作品52
クルークハルト 葦の歌作品28
シューベルト 弦楽四重奏曲ニ短調「死と乙女」

普通の演奏会だと、メジャー作品、メジャー作曲家が主ですが、発表会だと変わった曲が聴けて面白いですね。演奏は、これで学部生?!と思ったくらい上手かったです。女の子が多くて、なかなか凝った舞台衣装を着ているのも見所の一つ…?

芸大の学生には他にもチェンバーオーケストラという組織があります(演奏会は別立て)。フルオーケストラがお好きな方は、そちらをどうぞ。
posted by 銀の匙 at 18:38| Comment(0) | TrackBack(0) | 舞台/パフォーマンス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年08月12日

久石譲 in 武道館 宮崎アニメと共に歩んだ25年間

リマインダーを投稿しようという予定はどこへやら、まだ引きずっております武道館コンサート(コーラスで参加したときのレポートは前の記事に)。

テレビでやるらしいからゆっくり見よう…と思っておりましたところ、放送時間が45分と判明。元は2時間のコンサートでしたので、だいぶ編集されてしまうものと思います。後からDVDなどが出るのかもしれませんが、忘れないうちに全体像を記録しておきます。

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posted by 銀の匙 at 02:19| Comment(2) | TrackBack(0) | 舞台/パフォーマンス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年08月06日

久石譲 in 武道館 2008 コーラス参加してきました!!

budoukan.jpg

久石譲さんが担当した、宮崎駿監督9作品の音楽のコンサートが2008年8月4日、5日、日本武道館で行われました。

新日本フィル、東京少年少女合唱団、栗友会合唱団に公募コーラス300名を加えた、マーラーを超える規模の大陣容による迫力のステージでした。

幸運にも、公募コーラスに応募したところ、出演させて頂くことが出来ました。そこで今回は練習から本番までのレポートをお届けしたいと思います。コンサートの内容そのものについての記事はこちら

*              *            *

合唱の指導をしてくださいました副指揮の先生によりますと、公募コーラスというのは久石譲さんの思いつきだったそうで、聞いたスタッフはそんなムチャな…と思ったそうです(笑)。

しかし、練習に参加してみると、自信なさげな男性陣はともかく女性は恐らくほとんどが合唱経験者で、初回からいきなり各パートを併せての練習となりました。曲は天空の城 ラピュタの「君をのせて」と「大樹」(サントラではインスト曲)、となりのトトロの「さんぽ」と「となりのトトロ」の4つです。

と言っても、他にもコーラスがいますから、歌う箇所は飛び飛びで、楽譜は3小節休止だの4小節休止だの穴だらけです。そこへ数々の変更が加わり、一同不安げな面持ちに…。

2回目の練習は幕張メッセ。公募コーラスの練習が済んだあと、新日本フィルのリハーサルが入ります。特別な計らいで見学させて頂きましたがこんなに音響の条件の悪い会場にもかかわらず大変素晴らしい演奏で、練習だというのに涙がちょちょ切れてしまいました。本番に泣いちゃったらどうしよう〜と心配になったほどです。この日は皆元気いっぱいで、ボーカルの皆さんも最終公演を除くと、この回が一番上手かったんじゃないかと思います(爆)

リハーサルの指揮は作曲者の久石譲さん自らが執りました。これだけ広い場所で左右に分かれて歌ったことがなかったので、最初はかなりとまどいました。何せ、反対側から届く音が遅れて聞こえるのです。初回のとき、絶対に音に合わせるな、指揮に合わせろと注意された訳が良くわかりました。それを除けば、特に大きなダメ出しもなく、リハーサルは順調に進みます。

しかし、少年少女合唱団の方が全然ウマイので(そりゃキャリアも違うし当然なのですが)、公募コーラス隊はボロ負けでガックリな心境です。あちらはいきなりアカペラで歌うなんて朝飯前ですからねー。良い子の合唱団にありがちな変に取り澄ましたところもなく、素直で綺麗な歌声でした。大ヒットの「ポニョ」にはカワイイ振り付けもついて、思わず一緒に歌い出しちゃいそうです(出番じゃないからダメダメ)

そうやって練習してるうちにもガンガン変更が出るので、こりゃついてくのが大変だなーと思いつつ、届いた台本が本番とまるで違ってたという某映画の撮影現場等の苦労を思い起こしたりしておりました。

後で気づきましたが、久石さんに直接指揮してもらうのは、これが最初で最後でした。武道館はもっと広いので、合唱の指揮は少しタイミングをずらして、副指揮が執ります。そちらに合わせないと、オーケストラとは同時に聞こえないらしいんです。武道館…巨大すぎ。

そしていよいよ本番当日。普段着のままゲネプロが行われます。立つタイミングや座るタイミングがよくわからなくて皆オタオタ。それでも、武道館の音響がいいのは感じました(やっぱり合唱席からはズレて聞こえはするんですけど)。

ゲネプロが終わると、武道館には全員を収容できる楽屋がないので、全員離れた建物に移動です。中は寒く、外は暑く、温度差がかなり応えました。

夕方から1日目の本番開始です。2階にある合唱席からは、アリーナに入ってくるお客さん一人一人の顔までよーく見えます。客席で見ていたときはステージがとても遠いように思ってましたが、ステージからは良く見えるものなんですね。会場を見渡せるので、実物大トトロが登場して取り囲まれてるとことか、慌てて駆け込んでくるお客さんなんかについ注目してしまいます。思い切ってオシャレしてくるお客さんを見かけると、かなり嬉しいものですね…。次に観客として来るときは気をつけよっと。ほぼ満席のお客さんです。

オーケストラの後方には巨大なスクリーンがしつらえられ、そこに作品が次々上映されます(席からはほとんど見えなかった)。
ナウシカで幕を開け、それぞれ3〜5曲くらいづつ、コンサート用のアレンジで演奏されます。もののけ姫、魔女の宅急便、ポニョときて、ラピュタでようやく出番。ここに中・高生によるマーチングバンドが客席から登場する演出があり、一番盛り上がりました。

私はといえば、相当我慢したのですがどうしてもポニョの中の「ひまわりの家の輪舞曲」というのに弱くて、ちょっと泣いてしまいました。いかに隅っことはいえ、出演者側に座ってるのにそれではマズイのですが、とてもけなげな歌詞なんですよ…(ちなみに、翌日のマチネでは何とか持った…と思ったらリフレインでつい泣いてしまった)

平原綾香がゲスト出演したり、アンコールが2曲もあったりと盛りだくさんの2時間でしたが、ゲネプロに続いてだったので、どうも皆疲れてたらしく、練習であれほど正確なピアノ演奏をしていた久石さんも、ちょっと手が追いつかなかったような箇所がありました。こちらも長袖のブラウスにロングスカートと、重い衣装のせいもあって終わったらかなりヘトヘトに…。

翌日は午前中何事もなかったかのように出社し、午後から2回の公演に臨みます。

この日は正午になったとたん、会場付近は鉄砲水の大惨事も起こったほどの激しい雷雨となり、昼前から集合していた出演者の皆さんはずぶ濡れで大変な目にあったようです。一部で電車も止まってしまい、来場できないコーラス隊メンバーもいました。

しかし、こんな悪天候の中、マチネということもあって、たくさんのお子さん連れのお客さんが見に来てくれ、またほぼ満席です。今回はお客さんのノリが大変良く、久石さんが嬉しそうなのが遠目にもわかります。基本的に交響楽のコンサートなので、ファミリーコンサートのような演出上の配慮はほとんど無かったのですが、夏休みで昼間だったから、会場の人たちに歌ってもらったり等、多少アレンジしても良かったのかもしれません。「ポニョ」や「さんぽ」では手拍子も出て、かなり良い雰囲気でした。そして、ついに、最後にはスタンディングオベーションが!

昼にいきなりの公演だったので、オーケストラはさほど本調子ではなかったようなんですが、お客さんの反応はダイレクトに演奏に反映しますねー。その意味ではとても面白かったです。力強い拍手を貰うと、かなり、よっしゃ!という雰囲気がみなぎります。

そしてついに夜の部の最終公演。昼とはうって代わって、客席はほとんど大人で占められているなか、出だしのティンパニーが大変力強く入りました。これで一気にテンションが上がったらしく、全ての音が物凄く良く鳴り出しました。

指揮にも自然、力が入り、栗友会のコーラスも前回比150%増しくらいのボリュームに聞こえます。全公演中この回が一番出来が良かったんですが、お客さんの反応がいま一つなのが何とも歯がゆい感じです。

そうして、異様に盛り上がってるステージと、大人に観賞してるお客さんの組み合わせで公演は進みます。公募コーラス隊も上昇気流にのって、かなり力を出せた感じでした。ラピュタの所では残響が武道館を揺るがす大コーラスとなり、ついに熱烈な拍手を頂きました。

ハウルの動く城では、金管楽器がコーラスの位置から登場し、会場の左右でこだまのように呼応するという演出がありました(映画でも大変印象的な、ソフィーがハウルを探しに行く場面の音楽です)。前2公演ではどうも音がしっくり決まらなかったように思うのですが、この回は素晴らしいパフォーマンスでした。

そしてついにエンディング。コーラスも力を出し切って、満足のいく演奏が出来ました。と、思ってたところに突然のサプライズが!

なーーんと!アリーナ席の最後方から宮崎駿監督が花束を持って登場したのです。この演出に最初にどよめいたのは、会場全てを見渡せる、コーラス席に座ってた私たち(コラコラ)。

観客席も総立ちです!

ずっとあの席で、今回の演奏を聴いていてくださったのかと思うと(自分は大したことはしてませんが)感激もひとしおです。

アンコール二曲目の「アシタカとサン」では、感動しているお客さんが多く見受けられ(歌詞も良いんですよね、これが…)今回参加させて頂いて本当に良かったと思いました。

無事終了し、控え室に集まったコーラス隊はお互いに写真を撮ったり、裏方で支えてくださったスタッフに御礼を言ったりして解散しました。皆、さあこれから現実世界に戻らなくちゃ、と笑っていたけど、まだまだ余韻に浸ってる私でございます。

追記:8月31日にNHKでコンサートの模様が放送されるそうです。9月にはBSで再放送あり。

hisaishi.jpg
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2008年06月03日

四川省大地震・緊急支援コンサート

今回は特別エントリー。
チャリティコンサートのお知らせです。
義援金を送ろうかと思うものの、本当に被災地に届くのか…とつい募金に二の足を踏んでしまいがちな日本人の心境をよくご存じ(苦笑)なのか、ついに情熱の人、荘魯迅先生が立ち上がりました。

この方の著作を読んだことがありますが、ホント、中国の知識人は行動が伴ってて熱いです。コンサートに行かれなくて残念ですけど、募金はしようと思ってます。↓下の方に転載させてもらった荘先生からのお願いの言葉が泣ける…。

中国四川省大地震
荘魯迅・緊急支援コンサート


日時:2008.6.11(水)
開場:2:00pm    
第一ステージ: 2:30pm
第二ステージ: 3:30pm

場所:大田区民ホール・アプリコ(小ホール)
(大田区蒲田5−37−3)Tel: 03-5744-1600
入場無料
※コンサートの会場費、運営費は「我愛長江会」が負担し、義援金はすべて被災地へ届けます。

主催:「我愛長江会」
後援: 荘魯迅事務所/三凌商事株式会社
お問い合わせ・荘魯迅事務所  Tel: 03-3754-0900
Tel: 090-5395-5444(imagawa)  090-2424-2852(kitada)

★ コンサートの主旨=被災地への支援を呼びかけ、義援金を募ります。
★ 募金の目的=やがて始まる四川省江油市(李白の故郷)の再建に貢献することです。
★ 義援金を届ける方法=時期を見極め、荘魯迅が自ら現地へ届けます。
結果は、「我愛長江」の会報を通して報告します。
なお、届けるための旅宿費は荘魯迅自身が負担します。
★ 荘魯迅からのお願い――
義援金についてですが、この度は金額を問わず、ぜひお名前をご記入いただきたいと思います。なぜなら、復興のあかつきには、わたくしは義援金とともに、「これだけ多くの日本人があなたがたの再建を応援している」というメッセージを伝えたいと思っているのです。そのメッセージは、明日へ邁進する勇気にもなると信じています。


★「我愛長江会」会長・今川良太郎および運営委員会一同からのお願い――
ひとりでも多くの方々に来ていただきたいのです。あなたがご無理なときは、お近くのご友人、知人にぜひ声をかけてください。

★ 会場のご案内――
JR京浜東北線の「蒲田」駅東口徒歩3分。JR京浜東北線、東急多摩川線・池上線「蒲田」駅東口より徒歩約3分。
京浜急行「京急蒲田」駅より徒歩約7分。

★ 荘魯迅のPROFILE――
 1956年8月16日上海生まれ。1980年歌手デビュー。中国全土で音楽活動を展開。吟遊詩人として、またシンガーソングライターとしても広く知られる。
1988年来日。日本語を習得し、東洋大学文学部国文学科に入学。その後は大学院に進み修士学位を取得、修士論文『森鴎外論・その反近代精神の構造』で優秀論文賞を受ける。
現在、音楽活動の傍ら、和光大学、朝日カルチャーセンター、NHK文化センターなどで漢詩、音楽及び中国史、中国語を教える。

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2008年05月11日

ラ・フォル・ジュルネ 2008年

シューベルト.jpg
いまやGWの年中行事、ラ・フォル・ジュルネでございますが、今年は最終日、最後の1プログラムだけ見ました。

確かに良い曲はあるけれど、わざわざ聞きに行くほどでもないのがシューベルト(ごめんなさいごめんなさい)、歌曲も知ってるのだと、ちょっとイメージ違うと居心地が悪いと思い、あまり知らないのが多いプログラムを選んでみました。

この演目は1828年3月26日のコンサートのプログラムを再現したものだそうで(にしては、ずいぶん短い気もしますがフォルジュルネの枠に合わせた抜粋なのかしら…?)、生涯にただ一度、シューベルトの友人たちが開いてくれた自作品のコンサートの再現、という趣向のものであります。

曲目は以下の通り。

弦楽四重奏曲第15番
十字軍

さすらい人の月に寄せる歌
アイスキュロスからの断片
セレナード
ピアノ三重奏曲第2番
川の上で
全能の神
戦いの歌

この中で知ってた曲はピアノ三重奏だけでした。
合唱はコルボだし面白いかもと少し期待していましたが、独唱なのに譜面につきっきりの歌手、出だしはともかく各休止符前の歌詞の終え方が各人バラバラの合唱(ドイツ語は終わりを揃えるのが難易度高いのかも)、とても調子悪そうだったホルンと良いところが全然ない演奏でした。

気に入らなかった演奏はエントリーしない、というのを原則にしておりますが、今年はこれ1つしか見なかったので、いちおう記録として…。今年良かった演奏はどれだったんでしょうね。今年から始まった金沢会場のプログラムの方が、魅力的だった気がするけど…。

来年はバッハとヨーロッパがテーマとのことで、今から待ち遠しいです。

2008年5月6日
プログラムNo.546
東京国際フォーラム ホールC


コレギウム・ヴォカーレ 男声合唱
ベルギー
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2007年05月06日

ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン2007 4日目

6日の最終日を前に、5月5日が今年の聴き納めとなりました。今日聴いたプログラムは3つ。

最初はアンヌ・ケフェレックによるピアノ独奏。

紅いルージュが印象的な出で立ちで、突然、日本語で話し始めました。続けて弾くので、途中で拍手をしないでください…。例え日本語だろうと、Hの音は発音しないんですね。続けて、フランス語、英語で同じアナウンスを繰り返すと、着席して、曲が始まりました。

曲目は、
ドビュッシー「水に映る影」「オンディーヌ」「沈める寺」
サティの「ジムノペディ第一番、三番」「ピカデリー」
「グノシエンヌ第一番、五番」、ラヴェル「蛾」「悲しい鳥たち」「洋上の小舟」

これらを、楽譜を見ることもなく的確に弾き進めて行きます。流れ出る音はあたかも水のきらめきを見るようで、こぼれる水滴が手に取れそうな、しかも、どこまでも無機質で毅然とした響きを聴かせてくれました。

会場になったD7のホールは小さな音を拾うホールらしく、演奏者のブレスまで聞こえるかわりに、客席のノイズもばっちり拾ってしまいます。おかげでちょっと集中しづらかったのが残念ですが、全曲終わったところでケフェレックは会心の笑みを漏らしていました。

最後にカーテンコールの時に花束を渡した人がいたり、ケフェレックが時間がおしてるのでアンコールは弾けないです、しょうがないわ…というジェスチャーをしたりと、ちょっと変わった幕引きになりました。

*
途中でちょっと空き時間が出来たので、地上広場でお茶にしました。屋台がたくさんでていて賑やかです。

今年初の趣向として、広場の中にあずまやのようなものを建て、そこでも無料コンサートが開かれました。今日は初日に出たムジカーシュが登場し、有料コンサートでも演奏していた曲目を披露していました。お客さんは手拍子したり、踊ったりとノリノリで、本人たちはホールでやったときよりもずっと嬉しそうでした。やはり野におけムジカーシュ…なのかしら。

*

お次はホールCでグリーグの「ピアノ協奏曲イ短調」とシベリウスの「悲しきワルツ」「フィンランディア」。

グリーグの「ピアノ協奏曲イ短調」と言えば、出だしにいきなりかまして来るピアノソロの部分が有名ですが、仲道郁代さんの演奏はどうも線が細く、高い方の音がキンキンします。ダメかなこれは…と思っておりましたところ、第三楽章の激情パート(と勝手に命名)に突入した途端、一気に感情がほとばしりでる演奏へ
変貌を遂げました。

オーケストラのシンフォニア・ヴィルソヴィアもメリハリの利いた演奏で、最後は大いに盛り上がりました。

そして「フィンランディア」。これは映画のサントラみたいなカッコイイ曲で、どこまで照れずに華々しく打ち上げられるかが成功の鍵かと思うのですが、今回は金管・シンバルの大車輪でこちらも見事に盛り上がりました。ホールCはD7とちょうど逆で、音がわーっと広がってゆくイメージなので、開けた曲目が合っていたようです。


最後は続けて同じホールCで、ミシェル・コルボ指揮、演奏はシンフォニア・ヴィルソヴィアからの選抜メンバーでフォーレ「レクイエム」を聴きました。

同じプログラムが5回あったんですが、人気プログラムらしく他はすべてホールAだったので、ホールCの演奏回はかなりの争奪戦になってたと記憶してます。

つい先ほどの大成功に終わったプログラムの余韻がメンバーに残っていたのかオーケストラはとても良い音で、そこへ和やかな合唱が乗り、素晴らしい演奏となりました。

ことにソプラノのアナ・キンタンシュは、まったく押しつけがましいところのない、まさに天上からの歌声を聞かせてくれました。

去年もコルボの指揮、ローザンヌ声楽アンサンブルという組み合わせでモーツァルトのレクイエムを聴きましたが、同じレクイエムでもこんなに違うのかと思うほど、優しく心なごむ雰囲気でした。

全曲は「入祭唱」から「天国に」まで7つのパートに分かれ、それぞれ演奏が終わってコルボが指揮棒を下ろすまで、客席が沈黙を守っていたのが印象的でした(いつもざわついているフォル・ジュルネにしては珍しいことです)。

全ての演奏が終わった後もコルボが振り向かなかったので(去年もそうでしたね)、最初、拍手はまばらでした。

カーテンコールのたびにどんどん拍手が大きくなり、合唱団の退場中も鳴りやまず、コルボが再登場すると、全員がスタンディングオベーションで迎えるという感動のフィナーレになりました。

フォル・ジュルネと共に今年のGWは終わってしまいました;
来年はシューベルトらしい?のですが、単にシューベルトの曲だけではなく、きっとあっと驚くオタク手の込んだ趣向が用意されているはずなので楽しみです。
posted by 銀の匙 at 22:44| Comment(0) | TrackBack(2) | 舞台/パフォーマンス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする